川をテーマにした童謡・唱歌・わらべうた。懐かしい水辺の名曲たち
川のせせらぎや流れる様子を歌にたくした童謡や唱歌には、日本人の心に深く染み入る独特の情緒があふれています。
子供の頃に口ずさんだ懐かしい歌から、学校で習った思い出の唱歌まで、川をテーマにした曲が、大人になった今でも記憶に残っているという方は少なくないはずです。
この記事では、四季折々の変化を見せる川の美しさや、川に住む生き物の様子などを歌にした作品をご紹介します。
懐かしい思い出にひたりながらお楽しみください。
川をテーマにした童謡・唱歌・わらべうた。懐かしい水辺の名曲たち(11〜20)
川中島NEW!作詞:旗野十一郎/作曲:小山作之助

歴史に名高い合戦をモチーフにしてつづられた、非常に勇壮な1曲です。
作詞を手掛けたのは国文学者の旗野十一郎さんで、作曲は小山作之助さんが担当しました。
歌詞のなかでは、霧深い山と、激しく波立つ筑摩の川を舞台に、今まさに始まろうとする戦の緊迫した様子が描かれています。
1896年5月頃に小学校唱歌として作られ、やがてお手玉歌として親しまれた本作。
穏やかな川の歌とは一線を画す、歴史のダイナミックな物語に触れたいときにピッタリの唱歌です。
船頭さんNEW!作詞:武内俊子/作曲:河村光陽

「ギッチラコ」という舟をこぐリズムが心地よい本作は、作詞家の武内俊子さんと作曲家の河村光陽さんという黄金コンビによる童謡です。
1941年7月に作られましたが、戦後に歌詞が改訂され、村の渡し船で働くおじいさんの日常を描く、のどかで心温まる内容へと姿を変えました。
武内さんの故郷である広島の川辺の情景が目に浮かぶような、素朴な歌詞が魅力的ですね。
河村さんの手がけた親しみやすいメロディを聴いていると、ゆったりとした川の流れと穏やかな時間が心に流れ込んでくるようです。
森の水車NEW!作詞:清水みのる/作曲:米山正夫

緑豊かな森のほとりで、川の流れを受けて水車がリズミカルに回る光景が目に浮かぶようです。
作詞を清水みのるさん、作曲を米山正夫さんが手がけた、希望に満ちた明るい作品です。
春を心待ちにする少女の純粋な気持ちと、雨風に負けず回り続ける水車の姿に、明日への活力が重ねられています。
本作は1942年に一度制作されましたが、戦時下の事情ですぐに発売禁止となりました。
その後、1951年に並木路子さんの歌でレコードが発売され、広く愛されるようになりました。
音楽の教科書にも採用されたほか、作詞家ゆかりの浜松市には歌碑も建てられています。
川の流れのようにNEW!美空ひばり

人生という長い道のりを、雄大な川の流れになぞらえてつづられた、壮大な1曲です。
作詞を担当したのは秋元康さんで、ご自身がニューヨークのイーストリバーを眺めているときに作られたのだそう。
どんな困難があっても、いつかはまた穏やかな日々が訪れるという普遍的なメッセージが、聴く人の心に染みわたるんですよね。
本作は伝説の歌姫、美空ひばりさんが1989年1月に発売した生涯最後のシングル。
人生の素晴らしさを歌った名曲として、教育現場でも聴かれています。
故郷作詞:高野辰之/作曲:岡野貞一
1914年の『尋常小学唱歌 第六学年用』で発表された『故郷』は、日本だけでなく世界中で「日本の美しい歌曲」として知られる1曲。
長らく作詞作曲者が不明でしたが、昭和40年代に高野辰之さんが作詞、岡野貞一さんが作曲したことが判明し、1992年からは音楽の教科書に両者の名前が明記されるようになりました。
各地で鉄道の発車メロディや、防災無線に使用されていることでもおなじみの曲です。