日本の浪曲。伝統の浪花節(なにわぶし)
三味線の音色が奏でる情景、語り手の表情豊かな声が紡ぐ人情物語。
それが日本の伝統芸能「浪曲」の醍醐味です。
二代目広沢虎造さんの「石松三十石船道中」や桃中軒雲右衛門さんの「赤垣源蔵」など、義理と人情が交錯する物語は、時を超えて私たちの心を揺さぶります。
浪曲の世界は、まるで映画を耳で観るような臨場感で、温かな人間ドラマを届けてくれます。
もくじ
- 日本の浪曲。伝統の浪花節(なにわぶし)
- 浪曲子守唄初代春日井梅鶯
- 伊達騒動二葉百合子
- 水戸黄門漫遊記~矢の根の巻二代目日吉川秋水
- 石松三十石船道中二代目広沢虎造
- 忠臣蔵 義士の本懐三波春夫・村田英雄
- 樽屋おせん二代目春野百合子
- 野狐三次 大師詣で(一)初代東家浦太郎
- 佐渡情話(一)寿々木米若
- 灰神楽道中記(一)初代相模太郎
- 茶碗長屋二代目東家浦太郎
- 天保水滸伝 平手の駆けつけ二代目玉川福太郎
- 雷電小田原相撲初代京山幸枝若
- 英国密航広沢瓢右衛門
- 平成女事情春野恵子
- 黄金の花東武蔵
- 紀伊国屋文左衛門梅中軒鶯童
- 唄入り観音経 吉五郎発端の巻三門博
- 甚五郎の蟹二代目広沢菊春
- 赤垣源蔵 禁酒の条桃中軒雲右衛門
- 駕籠幽霊酒井雲
- 加賀騒動から武士の情二代目京山幸枝若
- 紺屋高尾(前半)国本武春
- 壺坂霊験記浪花亭綾太郎
- 仙台の鬼夫婦玉川奈々福
- 紀文戻り船天龍三郎
- からかさ桜澤孝子
- 木村の梅富士路子
- 天保水滸伝 平手造酒の最後三代目玉川勝太郎
- 天保水滸伝~笹川の花会(上)二代目玉川勝太郎
- 嫁ぐ日菊地まどか
日本の浪曲。伝統の浪花節(なにわぶし)(1〜20)
浪曲子守唄初代春日井梅鶯

戦後の浪曲ブームに活躍した浪曲師の一人。
1950年から二年間、日本浪曲協会の三代目会長を務めました。
この「浪曲子守唄」は梅鶯の十八番として知られ、のちに千葉真一主演で映画にもなり、歌謡曲としても大ヒットしました。
伊達騒動二葉百合子
ヒット曲「岸壁の母」で知られる二葉百合子は、浪曲師・東若武蔵を父に持つ女流浪曲師。
3歳で浪曲デビュー、歌謡曲の間奏に浪曲の一節をうなる「歌謡浪曲」を始めたのも彼女です。
2011年に引退して以降は後進の指導に専念しています。
水戸黄門漫遊記~矢の根の巻二代目日吉川秋水

大阪では代々「ケレン読みの名手」として名高いのが秋水です。
ケレンとは「滑稽」のこと。
つまり笑いが多めのストーリーや語り口が持ち味。
実娘二人も浪曲の世界に進み、のちに「ジョウサンズ」という漫才トリオを結成しました。
石松三十石船道中二代目広沢虎造

浪曲のフレーズでまず頭に浮かぶのは?
と問われて、この一席の冒頭を答える人は多いでしょう。
その「石松三十石船道中」を始めとする一連の「清水次郎長伝」シリーズを得意にしたのが二代目虎造。
昭和の浪曲ブームの中心人物です。
忠臣蔵 義士の本懐三波春夫・村田英雄

共に浪曲界から歌謡界入りした昭和の大御所、三波春夫と村田英雄。
ライバル意識が強かった二人が、同じ舞台で講壇に立ち「忠臣蔵」のクライマックスをさわり4分程ながらも息ピッタリに掛け合うという、とても貴重な映像です。
樽屋おせん二代目春野百合子

あの立川談志も心酔した、当代女流浪曲の第一人者。
二代目吉田奈良丸・初代春野百合子夫妻(のち離婚)の子に生まれ、1949年父に入門。
この「樽屋おせん」などの近松門左衛門作品、井原西鶴作品などの「文芸浪曲」が得意。