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海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ

「SKA」は1950年代から1960年代にかけてジャマイカで生まれた音楽ジャンルで、アメリカのジャズやR&B、ジャマイカのフォーク音楽と呼ばれる「メント」などの影響を受けて誕生したと言われています。

スカについてほとんど知らないという方であっても、2、4拍目が強調されたビートを一度は耳にしたことがあるはず、と言うくらいに実はスカの要素はさまざまなジャンルの中で取り入れられているのですね。

そんなSKAをこれから聴いてみたいという方に向けて、オリジナルのスカから2トーン・ネオスカにスカパンク、スカコアといったさまざまなジャンルで活躍する代表的な洋楽のバンドを一挙ご紹介します!

もくじ

海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ(1〜20)

SanteriaSublime

Sublime – Santeria (Official Music Video)
SanteriaSublime

スカにレゲエ、ダブやヒップホップ、そしてパンクといったさまざまなジャンルを融合、ごった煮サウンドで90年代において人気を博したバンドのサブライム。

ノー・ダウトと並んで、1990年代においてカリフォルニアが生んだスカ・バンドの代表的な存在として知られる彼らですが、1996年に発表されたセルフタイトルのサード・アルバムがアメリカだけでも600万枚という大ヒットを記録するも、アルバム・リリース前にフロントマンのブラッドリー・ノウェルさんの急死によって遺作となってしまったことは、90年代のロック史における悲劇的な出来事として今も語り継がれていますね。

そんなサブライムは1988年にアメリカはカリフォルニア州のロング・ビーチにてトリオ編成で結成され、1996年の解散まで鉄壁の3人組として活動を続けました。

1992年にインディーズにてデビュー・アルバム『40oz. to Freedom』をリリース、2年後にはセカンド・アルバム『Robbin’ the Hood』を発表してアンダーグラウンドのシーンで熱狂的なファンを獲得した彼らは満を持してメジャーへと進出して前述したラスト・アルバム『Sublime』をリリースして大ヒットさせました。

ノウェルさんはインタビューで「すべての始まりはスカ」と述べており、同時にパンクの疾走感やレゲエ・サウンドなどから影響を受けて独自のサブライム・サウンドを作り上げたそうです。

悲劇的な結末を思うと楽しい気分にはなれないかもしれませんが、彼らの残した音楽を聴けばノウェルさんを魅了したスカの魅力がきっと伝わるはずです。

All My Best Friends are Metalheads”Less than Jake

スカを軸としたポップなパンク・バンドはスカコアと呼ばれ、1990年代には多くの名バンドがシーンに登場して日本でも熱狂的なファンを生み出しました。

1992年に結成されたフロリダ出身のレス・ザン・ジェイクもその1つで、メンバーが親日家ということもあって定期的に来日公演を実施して日本のファンを喜ばせているバンドです。

そんな彼らの音楽性はアグレッシブなギターとホーン・セクションに彩られたゴキゲンなスカパンクを基調としながらも、メタルやジャズにヒップホップまでを飲み込んだごった煮のサウンドが特徴的で、小さな悩みなどはどうでもよくなってしまうほどのパワーを持ち合わせています。

初めてレス・ザン・ジェイクを聴くという方であれば、1998年にメジャー・レーベルよりリリースされた名盤サード・アルバム『Hello Rockview』辺りから聴いてみるといいでしょう。

余談ですが、現在は脱退していますがオリジナル・メンバーにしてドラマーのヴィニー・フィオレロさんは、あのフォール・アウト・ボーイやパニック・アット・ザ・ディスコにパラモア、といった00年代のエモ~ポップパンク・シーンを席巻した大人気バンドを輩出したレーベル「フュエルド・バイ・ラーメン」の共同設立者の1人でもあるのですよ。

One Step BeyondMadness

Madness – One Step Beyond (Official 4k Video)
One Step BeyondMadness

スペシャルズやザ・セレクターといったバンドと並んで、1970年代後半から80年代前半のイギリスの2トーン・スカ~ネオ・スカのブームを代表するバンドがマッドネスです。

1980年代に青春を過ごされた方であれば、ホンダの名車「ホンダ・シティ」のCMに出演したユーモラスなバンド・メンバーの姿を記憶しているという人は多くいらっしゃるでしょう。

そんなマッドネスは同時代に活躍した他のスカ・バンドと比べても幅広い音楽性を武器として息の長い活動を続けていることでも知られており、1986年に一度解散するも1992年に再結成を果たしてオリジナル・アルバムもリリース、2016年に発表された通算11枚目のアルバム『Can’t Touch Us Now』は全英チャート5位を記録して変わらぬ人気ぶりをアピールしています。

そんな彼らのスカ・バンドとしての魅力を堪能したい方は、やはり初期の音源をチェックしてもらうのがよいでしょう。

1979年にリリースされたデビュー・アルバム『One Step Beyond…』はイギリスが誇るパンク~ニューウェーブ系の伝説的なレーベル「Stiff Records」からリリースされ、全英チャート2位というヒットを記録しています。

実際に聴けば分かりますが、オーセンティックなスカを下敷きとしたインストゥルメンタル・ナンバーからバラードまで非常にバラエティ豊かな楽曲がずらりと並んでおり、哀愁を帯びたサックスの音色も良いアクセントとなっていますね。

スカという枠内にとどまらず、まさに英国の「粋」が詰まったブリティッシュ・ミュージックの素晴らしさを味わえるバンドです!

UnityOperation Ivy

活動期間は2年程度、EPとアルバムをそれぞれ1枚残して解散して伝説となったオペレーション・アイヴィー。

ランシドのティム・アームストロングさんとマット・フリーマンさんが在籍していたことであまりにも有名なオペレーション・アイヴィーは1987年にアグレッシブなハードコア・パンクとスカの要素を融合させた革新的なサウンドで熱狂的なファンを生み出すも、スターダムに駆け上がることを嫌ったティムさんによって冒頭で触れたように2年程度で活動を終了してしまいました。

その後のティムさんは不遇な時期を過ごしながらも、マットさんとともにランシドを結成して世界的な人気バンドとなったことはいまさら語るまでもないですよね。

ハードコアと言いましたが改めて聴くとシンガロング必至のキャッチーなメロディが満載ですし、ちょっとしたギター・ソロにホーン・セクションなどを迎えた楽曲もあり、スカ・パンクにとどまらないサウンドを提示していたことがよく分かります。

当時の彼らの作品はアメリカのパンク~ハードコア・シーンを語る上では欠かせないレーベル「Lookout Records」からリリースされていましたが、2007年にはティムさんが主宰するレーベル「Hellcat Records」より、EP作品『Hectic』とアルバム『Energy』にコンピレーションに収録されていた音源なども追加したディスコグラフィ盤がリリースされていますから、オリジナル版にこだわらない方はそちらを手に取っていただいて、彼らの残した偉大な遺産をぜひ楽しんでください!

Lip up FattyBadManners

1970年代後半以降に活躍したイギリスのネオスカ・バンドの中でも、1度の解散はあったものの長きに渡り活動を続ける大ベテラン・バンドとして有名なバッド・マナーズ。

唯一のオリジナル・メンバーにして頭をそり上げた巨漢というルックスも強烈なフロントマン、バスター・ブルッドヴェッセルさんを中心としてバッド・マナーズが結成されたのは1976年のこと。

彼らは2トーン・レコーズと契約したバンドというわけではないのですが、2トーン・ブームと密接につながった活動を続けながらテレビ出演やドキュメンタリー映画で取り上げられるなど、シーンの象徴的な存在の1つとして認知されています。

1980年のデビュー・アルバムにして名盤『Ska ‘n’ B』のアルバム・ジャケットを見ていただければわかりますが、バスターさんと思しき人物のコミカルなイラストが他のバンドとひと味違う雰囲気を感じさせますよね。

彼らの音楽は同時代の2トーン~ネオスカ勢の中でもとくにキャッチーでポップ、ハッピーなキラーチューンがめじろ押しで、ややB級感はあるものの、それもまた1つの「味」として楽しめるはずです。

細かいことは抜きにして、軽快な2トーン・スカを楽しみたいという方はぜひバッド・マナーズをチェックしてみてください!