海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ
「SKA」は1950年代から1960年代にかけてジャマイカで生まれた音楽ジャンルで、アメリカのジャズやR&B、ジャマイカのフォーク音楽と呼ばれる「メント」などの影響を受けて誕生したと言われています。
スカについてほとんど知らないという方であっても、2、4拍目が強調されたビートを一度は耳にしたことがあるはず、と言うくらいに実はスカの要素はさまざまなジャンルの中で取り入れられているのですね。
そんなSKAをこれから聴いてみたいという方に向けて、オリジナルのスカから2トーン・ネオスカにスカパンク、スカコアといったさまざまなジャンルで活躍する代表的な洋楽のバンドを一挙ご紹介します!
海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ(6〜10)
Mis ColegasSka-P

スペイン発のスカパンクバンド、スカ・Pをご存知ですか?
1994年にマドリードで結成された彼らは、反体制的な歌詞とキャッチーな曲調で知られています。
デビュー以来、資本主義批判や社会的不平等への訴えを込めた楽曲で注目を集め、特にマリファナ解禁を訴えた楽曲は大ヒットを記録しました。
彼らの音楽は、ラテンアメリカを中心に多くのファンを魅了し、2002年5月にはアルゼンチンで10万人を動員する大規模なコンサートを成功させています。
スカのリズムに乗せて社会問題を歌う彼らの音楽は、世界中のアンチグローバリゼーション運動でも重要な役割を果たしてきました。
熱いメッセージと踊れるビートが魅力の彼らの音楽は、社会に目を向けたい方にぴったりですよ。
007 (Shanty Town)Desmond Dekker & The Aces

1960年代のジャマイカを代表するスカ・ミュージシャン、デスモンド・デッカー&ザ・エイシズ。
仕立て屋から音楽の道に転身し、1963年に『Honour Your Mother and Father』でデビューを飾りました。
ジャマイカの社会問題や文化を歌い、イギリスのモッズやスキンヘッズの若者たちからも絶大な支持を得ていきます。
1968年に米ビルボード・ホット100のトップ10入りを果たし、ジャマイカ音楽を世界に広めた先駆者として知られています。
スカのアップビートに乗せた印象的なヴォーカルと、バックコーラスグループ・ザ・エイシズとの見事なハーモニーが魅力です。
ルーツ・レゲエやスカの真髄に触れたい方にお勧めのアーティストです。
Ghost TownThe Specials

イギリスにパンク・ムーブメントが吹き荒れた1977年に結成され、古き良きスカ・サウンドをパンクのエネルギーとともに復活させたのがザ・スペシャルズ。
多民族で構成された彼らは伝説的なレーベル「2トーン」を立ち上げて、自らの作品はもちろんマッドネスやバッド・マナーズなどの人気スカ・バンドと契約、世に送り出しています。
1979年にリリースされた記念すべきデビュー・シングル『Gangsters』はいきなり全英チャート6位をマークしていますから、当時の彼らに対する人気や期待がうかがえますよね。
モノクロで統一されたクールなアルバム・ジャケットに目を奪われる、同じく1979年にリリースされたセルフタイトルのデビュー・アルバムはエルヴィス・コステロさんがプロデュースを務め、全英チャート4位のヒット記録。
前述した「2トーン」にちなんで「2トーンスカ」と呼ばれた彼らの音楽は、イギリスのみならず世界中にブームを巻き起こして後続のバンドたちにも多大なる影響を与えたのです。
スカの軽快なリズムとパンキッシュな疾走感を兼ね備えたスペシャルズの音楽は、クラブでダンスするという意味でも最高のサウンドではあるのですが、歌詞に目を向けるとシリアスなテーマも多く見受けられるのが特徴で、権力に対する反抗や社会への皮肉といった姿勢が当時の若者に熱狂的に受け入れられたのは必然なのですよね。
余談ですが、彼らのスカ・サウンドはロック的なギター・ソロも随所に盛り込まれていますから、スカに苦手意識のあるロック・ファンも聴きやすいと言えるのではないでしょうか。
Mirror in the BathroomThe English Beat

1970年代末のイギリスで、2トーン・ムーブメントの立役者として音楽シーンを席巻したザ・イングリッシュ・ビート(英国ではザ・ビート)。
スカやニューウェーブをベースに、ソウル、レゲエ、パンクなど多彩なジャンルを融合させた革新的なサウンドで、ダンサブルながらも社会的メッセージを込めた楽曲を生み出しました。
1980年にアルバム『I Just Can’t Stop It』でデビューし、以降3枚のスタジオアルバムをわずか3年間で立て続けにヒットさせました。
デイヴ・ウェイクリングさんの力強いボーカルと、ランキング・ロジャーさんのトースティング、サクサさんの情感豊かなサックスが織りなす独特のアンサンブルが、今なお多くのリスナーを魅了しています。
音楽で人種差別に立ち向かい、多文化共生を訴え続けた彼らの姿勢は、ダンスミュージックの真髄を知りたい方にぴったりです。
More Today Than YesterdayGoldfinger

2000年代以降のパンクやエモといったサウンドを語る上で欠かせないプロデューサー、ジョン・フェルドマンさん。
スクリーモの旗手として現在も人気のバンドであるザ・ユーズドの大ヒットしたデビュー作をプロデュース、一躍人気プロデューサーとして注目を集めましたね。
そんなジョンさんが率いるアメリカはカリフォルニア州サンタモニカ出身、ゴールドフィンガーは1994年に結成されたポップ・パンク~スカコアの人気バンドです。
本国アメリカはもとより、ヨーロッパや日本において熱狂的なファンの多いバンドの彼らの音楽性は、メロコアやポップ・パンクといった要素とスカコアのちょうど中間に位置するようなサウンドを鳴らしており、さまざまなジャンルの要素をあくまでシンガロング必至のキャッチーな楽曲へと仕上げる手腕はまさにお見事、としか言えませんね。
純然たるスカ・バンドというわけではないのですが、人気のスカ・バンドといった海外の記事を見ると大抵選ばれていますし、1996年の記念すべきセルフタイトルのデビュー作に収録されたリード・シングルで、スカの要素とメロディックなパンクの要素が融合した最高のキラーチューン『Here in Your Bedroom』を聴いてもらえれば、その辺りの事情は理解できるのではないでしょうか。
フィッシュボーンのボーカリスト兼サックス奏者、アンジェロ・ムーアさんがホーン・セクションとして参加したセカンド・アルバム『Hang-Ups』辺りもおススメです!