海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ
「SKA」は1950年代から1960年代にかけてジャマイカで生まれた音楽ジャンルで、アメリカのジャズやR&B、ジャマイカのフォーク音楽と呼ばれる「メント」などの影響を受けて誕生したと言われています。
スカについてほとんど知らないという方であっても、2、4拍目が強調されたビートを一度は耳にしたことがあるはず、と言うくらいに実はスカの要素はさまざまなジャンルの中で取り入れられているのですね。
そんなSKAをこれから聴いてみたいという方に向けて、オリジナルのスカから2トーン・ネオスカにスカパンク、スカコアといったさまざまなジャンルで活躍する代表的な洋楽のバンドを一挙ご紹介します!
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海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ(1〜10)
More Today Than YesterdayGoldfinger

2000年代以降のパンクやエモといったサウンドを語る上で欠かせないプロデューサー、ジョン・フェルドマンさん。
スクリーモの旗手として現在も人気のバンドであるザ・ユーズドの大ヒットしたデビュー作をプロデュース、一躍人気プロデューサーとして注目を集めましたね。
そんなジョンさんが率いるアメリカはカリフォルニア州サンタモニカ出身、ゴールドフィンガーは1994年に結成されたポップ・パンク~スカコアの人気バンドです。
本国アメリカはもとより、ヨーロッパや日本において熱狂的なファンの多いバンドの彼らの音楽性は、メロコアやポップ・パンクといった要素とスカコアのちょうど中間に位置するようなサウンドを鳴らしており、さまざまなジャンルの要素をあくまでシンガロング必至のキャッチーな楽曲へと仕上げる手腕はまさにお見事、としか言えませんね。
純然たるスカ・バンドというわけではないのですが、人気のスカ・バンドといった海外の記事を見ると大抵選ばれていますし、1996年の記念すべきセルフタイトルのデビュー作に収録されたリード・シングルで、スカの要素とメロディックなパンクの要素が融合した最高のキラーチューン『Here in Your Bedroom』を聴いてもらえれば、その辺りの事情は理解できるのではないでしょうか。
フィッシュボーンのボーカリスト兼サックス奏者、アンジェロ・ムーアさんがホーン・セクションとして参加したセカンド・アルバム『Hang-Ups』辺りもおススメです!
SanteriaSublime

スカにレゲエ、ダブやヒップホップ、そしてパンクといったさまざまなジャンルを融合、ごった煮サウンドで90年代において人気を博したバンドのサブライム。
ノー・ダウトと並んで、1990年代においてカリフォルニアが生んだスカ・バンドの代表的な存在として知られる彼らですが、1996年に発表されたセルフタイトルのサード・アルバムがアメリカだけでも600万枚という大ヒットを記録するも、アルバム・リリース前にフロントマンのブラッドリー・ノウェルさんの急死によって遺作となってしまったことは、90年代のロック史における悲劇的な出来事として今も語り継がれていますね。
そんなサブライムは1988年にアメリカはカリフォルニア州のロング・ビーチにてトリオ編成で結成され、1996年の解散まで鉄壁の3人組として活動を続けました。
1992年にインディーズにてデビュー・アルバム『40oz. to Freedom』をリリース、2年後にはセカンド・アルバム『Robbin’ the Hood』を発表してアンダーグラウンドのシーンで熱狂的なファンを獲得した彼らは満を持してメジャーへと進出して前述したラスト・アルバム『Sublime』をリリースして大ヒットさせました。
ノウェルさんはインタビューで「すべての始まりはスカ」と述べており、同時にパンクの疾走感やレゲエ・サウンドなどから影響を受けて独自のサブライム・サウンドを作り上げたそうです。
悲劇的な結末を思うと楽しい気分にはなれないかもしれませんが、彼らの残した音楽を聴けばノウェルさんを魅了したスカの魅力がきっと伝わるはずです。
007 (Shanty Town)Desmond Dekker & The Aces

1960年代のジャマイカを代表するスカ・ミュージシャン、デスモンド・デッカー&ザ・エイシズ。
仕立て屋から音楽の道に転身し、1963年に『Honour Your Mother and Father』でデビューを飾りました。
ジャマイカの社会問題や文化を歌い、イギリスのモッズやスキンヘッズの若者たちからも絶大な支持を得ていきます。
1968年に米ビルボード・ホット100のトップ10入りを果たし、ジャマイカ音楽を世界に広めた先駆者として知られています。
スカのアップビートに乗せた印象的なヴォーカルと、バックコーラスグループ・ザ・エイシズとの見事なハーモニーが魅力です。
ルーツ・レゲエやスカの真髄に触れたい方にお勧めのアーティストです。
海外のスカ。押さえておきたい代表的なバンドまとめ(11〜20)
Mirror in the BathroomThe English Beat

1970年代末のイギリスで、2トーン・ムーブメントの立役者として音楽シーンを席巻したザ・イングリッシュ・ビート(英国ではザ・ビート)。
スカやニューウェーブをベースに、ソウル、レゲエ、パンクなど多彩なジャンルを融合させた革新的なサウンドで、ダンサブルながらも社会的メッセージを込めた楽曲を生み出しました。
1980年にアルバム『I Just Can’t Stop It』でデビューし、以降3枚のスタジオアルバムをわずか3年間で立て続けにヒットさせました。
デイヴ・ウェイクリングさんの力強いボーカルと、ランキング・ロジャーさんのトースティング、サクサさんの情感豊かなサックスが織りなす独特のアンサンブルが、今なお多くのリスナーを魅了しています。
音楽で人種差別に立ち向かい、多文化共生を訴え続けた彼らの姿勢は、ダンスミュージックの真髄を知りたい方にぴったりです。
All My Best Friends are Metalheads”Less than Jake

スカを軸としたポップなパンク・バンドはスカコアと呼ばれ、1990年代には多くの名バンドがシーンに登場して日本でも熱狂的なファンを生み出しました。
1992年に結成されたフロリダ出身のレス・ザン・ジェイクもその1つで、メンバーが親日家ということもあって定期的に来日公演を実施して日本のファンを喜ばせているバンドです。
そんな彼らの音楽性はアグレッシブなギターとホーン・セクションに彩られたゴキゲンなスカパンクを基調としながらも、メタルやジャズにヒップホップまでを飲み込んだごった煮のサウンドが特徴的で、小さな悩みなどはどうでもよくなってしまうほどのパワーを持ち合わせています。
初めてレス・ザン・ジェイクを聴くという方であれば、1998年にメジャー・レーベルよりリリースされた名盤サード・アルバム『Hello Rockview』辺りから聴いてみるといいでしょう。
余談ですが、現在は脱退していますがオリジナル・メンバーにしてドラマーのヴィニー・フィオレロさんは、あのフォール・アウト・ボーイやパニック・アット・ザ・ディスコにパラモア、といった00年代のエモ~ポップパンク・シーンを席巻した大人気バンドを輩出したレーベル「フュエルド・バイ・ラーメン」の共同設立者の1人でもあるのですよ。
One Step BeyondMadness

スペシャルズやザ・セレクターといったバンドと並んで、1970年代後半から80年代前半のイギリスの2トーン・スカ~ネオ・スカのブームを代表するバンドがマッドネスです。
1980年代に青春を過ごされた方であれば、ホンダの名車「ホンダ・シティ」のCMに出演したユーモラスなバンド・メンバーの姿を記憶しているという人は多くいらっしゃるでしょう。
そんなマッドネスは同時代に活躍した他のスカ・バンドと比べても幅広い音楽性を武器として息の長い活動を続けていることでも知られており、1986年に一度解散するも1992年に再結成を果たしてオリジナル・アルバムもリリース、2016年に発表された通算11枚目のアルバム『Can’t Touch Us Now』は全英チャート5位を記録して変わらぬ人気ぶりをアピールしています。
そんな彼らのスカ・バンドとしての魅力を堪能したい方は、やはり初期の音源をチェックしてもらうのがよいでしょう。
1979年にリリースされたデビュー・アルバム『One Step Beyond…』はイギリスが誇るパンク~ニューウェーブ系の伝説的なレーベル「Stiff Records」からリリースされ、全英チャート2位というヒットを記録しています。
実際に聴けば分かりますが、オーセンティックなスカを下敷きとしたインストゥルメンタル・ナンバーからバラードまで非常にバラエティ豊かな楽曲がずらりと並んでおり、哀愁を帯びたサックスの音色も良いアクセントとなっていますね。
スカという枠内にとどまらず、まさに英国の「粋」が詰まったブリティッシュ・ミュージックの素晴らしさを味わえるバンドです!
UnityOperation Ivy

活動期間は2年程度、EPとアルバムをそれぞれ1枚残して解散して伝説となったオペレーション・アイヴィー。
ランシドのティム・アームストロングさんとマット・フリーマンさんが在籍していたことであまりにも有名なオペレーション・アイヴィーは1987年にアグレッシブなハードコア・パンクとスカの要素を融合させた革新的なサウンドで熱狂的なファンを生み出すも、スターダムに駆け上がることを嫌ったティムさんによって冒頭で触れたように2年程度で活動を終了してしまいました。
その後のティムさんは不遇な時期を過ごしながらも、マットさんとともにランシドを結成して世界的な人気バンドとなったことはいまさら語るまでもないですよね。
ハードコアと言いましたが改めて聴くとシンガロング必至のキャッチーなメロディが満載ですし、ちょっとしたギター・ソロにホーン・セクションなどを迎えた楽曲もあり、スカ・パンクにとどまらないサウンドを提示していたことがよく分かります。
当時の彼らの作品はアメリカのパンク~ハードコア・シーンを語る上では欠かせないレーベル「Lookout Records」からリリースされていましたが、2007年にはティムさんが主宰するレーベル「Hellcat Records」より、EP作品『Hectic』とアルバム『Energy』にコンピレーションに収録されていた音源なども追加したディスコグラフィ盤がリリースされていますから、オリジナル版にこだわらない方はそちらを手に取っていただいて、彼らの残した偉大な遺産をぜひ楽しんでください!