【クラシック】恋愛にまつわる名曲をご紹介
歌詞のない曲が大半を占めるクラシック。
実はそんなクラシック音楽にも、恋愛をテーマにした曲が多くあります。
すでに知っている曲でも、作曲家の意図や背景を知ることで聴こえ方が大きく変わるので、ぜひこの機会にクラシックの恋愛ソングを聴いてみてください。
さまざまな愛の形を表現している作品たちは、時代をこえても今を生きる私たちになにか伝わるものがあるかもしれません。
歌詞がある恋愛ソングもよいですが、メロディや響きだけで表現しているクラシック音楽のよさも伝わりましたら幸いです。
【クラシック】恋愛にまつわる名曲をご紹介(1〜10)
弦楽六重奏曲 第2番ト長調Johannes Brahms

ヨハネス・ブラームスが1865年に作曲した弦楽六重奏曲は、彼の代表作の一つです。
かつての恋人アガーテ・フォン・ジーボルトへの思いを込めたとされる「アガーテ音型」が取り入れられているのが特徴的。
純粋に楽器のための作品ですが、その音色の中にブラームスの内面的な葛藤や恋愛経験が表現されています。
1866年10月にボストンで初演され、翌月にはチューリッヒでも演奏されました。
映画『冷たい食卓』の最後のシーンでも使用されるなど、現代でも親しまれています。
深い情感と豊かな調和を感じられる本作は、温かな気持ちにさせてくれることでしょう。
バレエ音楽「ロミオとジュリエット」Sergei Prokofiev

あの有名な恋愛物語のバレエ曲です。
ソ連国内で芸術のチェックが厳しくなり、バレエの初演はなかなか実現することができませんでした。
そこで「せめて音楽だけでも発表したい」と作られたのがこの曲です。
音楽を聴いているだけでも、ロミオとジュリエットの恋愛の情景が浮かんでくるようですね。
愛の喜びFritz Kreisler

軽快なピアノと爽やかなメロディが印象的な本作。
フリッツ・クライスラーが妻のハリエットとの出会いと結婚後に作曲したと言われており、愛の喜びを表現しています。
ウィーンの雰囲気漂うワルツのリズムにのせて、ヴァイオリンが美しく奏でる6度と3度の音程が特徴的。
1910年5月にニューヨークで初録音され、その後も何度か録音されています。
クライスラーの演奏スタイルである広範なテンポやビブラートの使用が、曲の魅力をさらに引き立てています。
ロマンチックな気分を味わいたい人にオススメの1曲ですよ。
【クラシック】恋愛にまつわる名曲をご紹介(11〜20)
歌曲集「詩人の恋」作品48より「美しい五月に」Robert Schumann

ロベルト・シューマンが1840年に作曲した歌曲集『詩人の恋』の冒頭を飾る名曲。
ハイネの詩に基づくこの曲は、美しい五月の情景と恋心の芽生えを絶妙に表現しています。
ピアノの分散和音が、恋の喜びと不安が混ざり合った繊細な感情を見事に描き出しています。
シューマンの歌曲はクララとの結婚を控えた年に多く書かれており、クララとの恋愛が大きく反映されていることでしょう。
彼の感情豊かな音楽性が存分に発揮された本作。
恋愛を始めたばかりの方や、春の訪れを感じたい方にオススメです。
クラシックの世界に触れてみたい方にも、ぜひ聴いていただきたい珠玉の1曲です。
ピアノソナタ 第24番 嬰ヘ長調 作品78「テレーゼ」Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが思いを寄せていた女性に捧げた『ピアノソナタ第24番』。
2楽章からなるこの作品は、彼の恋心を音楽で表現したかのような、繊細で優美な響きが特徴です。
ピアノの弟子であった伯爵令嬢テレーゼ・フォン・ブルンスヴィックに献呈されたことから、別名「テレーゼ」とも呼ばれています。
第1楽章は温かな序奏とゆったりとした主題が特徴的。
第2楽章は軽快で生き生きとした雰囲気です。
1809年に作曲され、ベートーヴェン自身も気に入っていたそう。
ピアノの音色にのせて、ロマンチックな気分に浸ってみてはいかがでしょうか。
舞踏への勧誘Carl Maria von Weber

華やかなワルツのリズムが印象的なこの楽曲は、カール・マリア・フォン・ウェーバーが結婚記念日に妻に捧げたピアノ独奏曲です。
舞踏会での男女の出会いから別れまでを音楽で表現した物語性豊かな作品で、ロマン派音楽の代表作として知られています。
ピアノソロ版だけでなく、ベルリオーズによる管弦楽編曲版も有名で、1841年にパリ・オペラ座での『魔弾の射手』上演時に使用されました。
軽快なリズムと繊細な感情表現が魅力的な本作は、クラシック音楽に馴染みのない方にもオススメです。
愛の悲しみFritz Kreisler

感動的な旋律が聴く人の心を揺さぶる名曲。
優雅でありながら哀愁を帯びたメロディが印象的で、「愛の喪失」や「未練」といったテーマが込められています。
1905年に作曲され、ウィーン風のレントラーを基調にした3拍子の曲調が特徴的。
クライスラーの繊細な感性が光る本作は、後にラフマニノフによってピアノ独奏版にも編曲されました。
シンプルな構成でありながら、演奏者の感情表現次第で深い共感を呼び起こす魅力があります。
恋に悩む人はもちろん、人生の喜びや悲しみに共感したい方にもオススメです。