女性におすすめのクラシックの名曲
女性におすすめなクラシックの名曲をまとめてご紹介します。
思い返せば昔のクラシック音楽家は作曲家も演奏家も男性ばかりでした。
近年では女性指揮者や演奏家も大幅に増えて、テレビや動画サイトで演奏動画を見ると今は女性も多く活躍しているのがわかります。
クラシックでは珍しい女性作曲家テクラ・バダジェフスカが作曲した『乙女の祈り』や愛する妻に送ったエルガーの『愛の挨拶』など女性のための曲も多く存在します。
今回はクラシック音楽の入門編、と思っていただければ幸いです。
聴きなじみのある曲もたくさん用意しましたので、これを機会にあなたもクラシック音楽を趣味にするのはいかがでしょうか。
女性におすすめのクラシックの名曲(1〜10)
カルメン幻想曲Pablo de Sarasate

スペインが誇るバイオリンの名手が作った名曲です。
パブロ・デ・サラサーテはロマン派時代に活躍したバイオリニスト兼作曲家で、その純粋な音色と軽やかな演奏スタイルで知られています。
本作はビゼーのオペラ『カルメン』のメロディを基に作られた幻想曲で、ヴァイオリンの魅力を存分に引き出しています。
序奏から始まり、『カルメン』の有名なメロディが次々と登場し、聴く人を魅了します。
トリルやグリッサンドなど、さまざまな技巧が駆使された華麗な演奏は、まるで情熱的なスペインの風景が目の前に広がるようです。
クラシック音楽に興味のある女性の方にぜひおすすめしたい一曲ですね。
ラ・カンパネラFranz Liszt

ロマン派の巨匠フランツ・リストが作曲した、ピアノの名曲です。
パガニーニのヴァイオリン協奏曲を基に、リストが「ピアニストのパガニーニになる」という思いを込めて編曲しました。
鐘の音を表現した高音の連続が特徴的で、ピアノの技巧を極限まで引き出した超絶技巧の曲として知られています。
本作は、リストが21歳の1832年に作曲したもので、パガニーニの演奏に触れた後に生み出されました。
曲を聴くと、鐘の音が響き渡るような美しさと、ピアノの可能性を追求した迫力がある演奏に魅了されることでしょう。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、ピアノの魅力を存分に味わいたい方にもおすすめの一曲です。
仔犬のワルツFrederic Chopin

ピアノ曲の”神”的存在のショパン。
数々の名曲のなかから、女性におすすめするのは、「仔犬のワルツ」です。
かわいらしい仔犬と一緒に散歩している情景が目に映るような感じで、歩幅のせまい仔犬がチョコチョコと飛び回っている感がとても伝わってきますね。
ラプソディ・イン・ブルーGeorge Gershwin

テレビドラマ『のだめカンタービレ』のエンディングテーマと言えば思い出す人も多いかもしれません。
近代音楽の巨匠といわれる、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンが生み出した、クラシックとモダンな音楽が入り混じったとてもオシャレな曲です。
冒頭のクラリネットのグリッサンドはとても印象的で、出だしから『ラプソディ・イン・ブルー』だと分かる人も多いはず。
この曲の特徴は何よりゴージャズです。
ピアノソロもオーケストラで出るところも派手かつ豪華な雰囲気で、ジャズとオーケストラの良さが混じっています。
後半のオーケストラとピアノで歌い上げるところはドラマのエンディングのような感じで、ジャズ風味の国家といってもいいようないかにもアメリカらしい曲になっています。
ピアノも美しくて泣けます。
ErlkönigFranz Schubert

オーストリアが生んだ天才作曲家フランツ・シューベルトの代表作です。
18歳の時に書いた本作は、ゲーテの詩に基づいた物語性豊かな歌曲で、父と息子が夜の森を馬で駆け抜ける様子を描いています。
ピアノ伴奏が馬の疾走感を表現し、父親や息子、魔王の声を一人の歌手が歌い分ける高度な技巧が特徴です。
緊迫感があふれる曲調と劇的な展開は、聴く人の心を掴んで離しません。
クラシック音楽に興味のある女性の方にぜひおすすめしたい一曲です。
管弦楽組曲第3番BWV1068(G線上のアリア)J.S.Bach

バロック音楽の巨匠として知られるヨハン・セバスティアン・バッハが作曲した、女性にもおすすめの名曲です。
優美な旋律が特徴的な本作は、2つのヴァイオリンやヴィオラなどの弦楽器による合奏で構成されています。
1730年代に作曲されたと推定されるこの曲は、穏やかで流麗な旋律が心を癒してくれます。
バッハは10歳で両親を亡くし、兄のもとで音楽教育を受け続けました。
そんなバッハの人生経験が、この曲の深い情感につながっているのかもしれません。
静謐な雰囲気から、結婚式や葬儀など厳かな場面でも使用される本作。
心を落ち着かせたい時や、ゆったりとした時間を過ごしたい方におすすめです。
乙女の祈りTekla Bądarzewska

19世紀の女性作曲家として注目を集めるテクラ・バダジェフスカの代表作です。
ポーランド出身のバダジェフスカは、専門的な音楽教育を受けずに35曲ほどのピアノ作品を残しました。
1856年に発表された本作は、親しみやすいメロディーで世界中の人々に愛されています。
日本では明治時代に伝わり、ピアノ練習曲やオルゴール曲として広く親しまれました。
駅のホームドアの開閉音など、日常生活の中でも耳にする機会が多いですね。
穏やかで清潔感のある旋律は、聴く人の心に平和と慰めを与えてくれます。
クラシック音楽に興味のある方や、心が安らぐメロディーを求めている方におすすめの1曲です。
亜麻色の髪の乙女Claude Debussy

フランスの作曲家クロード・ドビュッシーによる印象派音楽の代表作です。
ドビュッシーは1862年に生まれ、10歳でパリ音楽院に入学するなど幼少期から才能を発揮しました。
本作は1910年に発表された『前奏曲集第1巻』の第8曲目で、詩的な雰囲気が特徴です。
変ト長調で書かれた3/4拍子の穏やかなリズムが、朝の爽やかな時間に歌う美しい乙女の姿を描き出しています。
静かで優雅な旋律は、ムラサキウマゴヤシの花畑に座る乙女の情景を想像させ、聴く人の心を癒してくれます。
クラシック音楽に興味のある方や、心を落ち着かせたい方におすすめの一曲です。
ノクターンOp.9-2Frederic Chopin

ポーランドが生んだ天才作曲家フレデリック・ショパンの楽曲。
1810年生まれのショパンは、わずか7歳で初めての作品を作曲するほどの才能の持ち主でした。
ロマン派を代表するショパンの音楽は、繊細さと独特の詩情に満ちています。
本作は1831年に作曲された夜想曲で、穏やかな雰囲気の中に深い感情が込められています。
美しい旋律は多くの人々の心を捉え、さまざまなメディアでも使用されています。
例えば、アニメ『クラシカロイド』の挿入曲として採用されたり、ゲーム『トラスティベル 〜ショパンの夢〜』のBGMとして使われたりしています。
クラシック音楽に興味のある方や、心を落ち着かせたい方におすすめの一曲です。
アルルの女:メヌエットGeorges Bizet

フランスを代表する作曲家ジョルジュ・ビゼーの傑作です。
優雅で洗練された旋律が特徴的で、フルートとハープの美しい調和が際立つ本作は、クラシック音楽の中でも特に親しまれています。
1872年に作曲された本作は、バレエのレッスン曲としても使用されており、3拍子の軽快なテンポが魅力的です。
ビゼーは1875年に36歳で早逝しましたが、その後も多くの人々に愛され続けています。
クラシック音楽に興味がある方はもちろん、優雅な雰囲気を楽しみたい方にもおすすめの一曲です。
癒しの時間を過ごしたい時にぴったりですよ。
女性におすすめのクラシックの名曲(11〜20)
あなたが欲しい(ジュ・トゥ・ヴー)Eric Satie

フランスの作曲家エリック・サティによる楽曲です。
サティは1866年に生まれ、「音楽界の異端児」と呼ばれた革新的な作曲家でした。
本作は1900年に作られたシャンソンで、優雅なワルツの旋律が特徴です。
歌詞は情熱的な愛の告白を描いており、聴く人の心に染み入る魅力があります。
サティ本人によるピアノ独奏版も広く知られています。
女性のための曲として作られた本作は、クラシック音楽に興味のある方や、温かみのある旋律を好む方におすすめです。
日本では、1991年からのACジャパンのCMで使用され、多くの人に親しまれました。
愛の喜びFritz Kreisler

ウィーン出身のヴァイオリニスト、フリッツ・クライスラーが作曲した本作は、女性にぴったりの優雅なクラシック曲です。
1910年5月13日にニューヨークで初録音された本作は、愛する妻ハリエットとの出会いを彷彿とさせる、喜びに満ちた美しいメロディが特徴です。
ハ長調で始まり、中間部ではヘ長調へと移行する曲調の変化も魅力的です。
クライスラーの演奏スタイルを反映した、表現が豊かなフレージングとビブラートが心に響きます。
クラシック音楽に興味のある方や、癒しの音楽を求めている方におすすめの一曲です。
ピアノ協奏曲2番ハ長調op.18Sergei Rachmaninov

ロシアが誇る作曲家ラフマニノフが作曲したこの曲は、1901年に初演された有名な作品です。
ラフマニノフは4歳でピアノを始め、モスクワ音楽院で学びました。
この曲は、作曲家が長い創作の停滞から抜け出すきっかけとなった記念碑的な作品なんです。
情熱的で豊かな旋律が特徴で、ピアノとオーケストラの対話が印象的です。
映画『ひとりの夜』でも使用されるなど、多くの人に愛されています。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、映画音楽が好きな方にもおすすめですよ。
「ゴッド・ファーザー」 愛のテーマNino Rota

映画音楽の巨匠ニーノ・ロータさんが手掛けた楽曲です。
イタリア出身のロータさんは1911年12月生まれで、映画『ゴッドファーザー』シリーズなど150本以上の映画音楽を担当しました。
本作は優雅な弦楽器のメロディーが印象的で、愛の深さや絆の強さを表現しています。
静かに愛を語りかけるような旋律は、聴く人の心に染み入るでしょう。
ロータさんならではの繊細な感情表現と、普遍的な愛のメッセージが込められた一曲です。
大切な人と一緒に聴きたい、心温まる楽曲として多くの人に愛され続けています。
クラシック音楽入門にもおすすめの一曲ですよ。
愛の挨拶Edward Elgar

イギリスを代表する作曲家エドワード・エルガーが1888年に婚約者のキャロライン・アリス・ロバーツに贈った曲です。
エルガーとアリスの間には年齢差や身分の差など多くの障壁がありましたが、2人は愛を貫き結婚しました。
本作は2人の愛の証として作られ、甘美なメロディが特徴的です。
ピアノの優しい伴奏にのせてヴァイオリンが奏でる美しい旋律は、まるで2人の愛を音楽で表現したかのよう。
エルガーの妻への深い愛情が感じられる曲で、恋する人へ贈る気持ちを込めた楽曲としてもぴったりですね。
クラシック音楽に興味のある方にもおすすめの1曲です。
トゥーランドット:誰も寝てはならぬGiacomo Puccini

イタリアオペラの巨匠プッチーニが遺した最後の傑作からのアリアです。
ルッカに生まれたプッチーニは、音楽一家で育ち、ミラノ音楽院で学びました。
この曲は、姫への愛と勝利への確信を力強く表現しています。
夜明けまでに自分の名前を当てるよう姫に挑戦された王子が、誰も眠らぬ夜に歌う歌です。
1990年のFIFAワールドカップでパヴァロッティが歌い、世界中で注目を集めました。
プッチーニの美しいメロディーと壮大なオーケストラが特徴的で、愛と希望に溢れた本作は、クラシック音楽に興味がある女性にぴったりです。
水の戯れMaurice Ravel

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによる印象派音楽の代表作です。
1901年に作曲されたこの曲は、水の動きや光の反射を音楽で表現しており、ピアノ曲における新たな可能性を追求しています。
複雑な和声や七の和音、九の和音の使用など、当時としては革新的な要素が含まれていますが、これらの技術は水の流れや滴る様子、波の動きなどを巧みに表現するために用いられています。
本作は、水の音や飛沫、滝、小川の音をイメージして作曲されており、聴いているとまるで水辺に佇んでいるような気分になれます。
自然の中でリラックスしたい方や、ピアノ音楽の新しい表現に興味がある方におすすめの一曲です。
歌劇《魔笛》より「夜の女王のアリア」Wolfgang Amadeus Mozart

クラシック音楽の巨匠ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したオペラの中で特に人気の高い楽曲です。
1791年9月にウィーンで初演されたこのオペラは、モーツァルトの最後の傑作として知られています。
本作は、ソプラノ歌手に高度な技術を要求するコロラトゥーラの典型であり、特に高音域での技巧的な歌唱が特徴です。
そのため、若手ソプラノ歌手の登竜門とされ、多くの歌手がこの曲を通じて名声を得ています。
劇中で夜の女王が娘のパミーナに対し、宿敵ザラストロを殺すよう命じる場面で歌われます。
その内容は、母親としての愛情と復讐心が交錯する複雑な感情を表現しており、劇的な効果を高めています。
クラシック音楽に興味のある女性の方におすすめです。
リベルタンゴÁstor Pantaleón Piazzolla

アルゼンチンが生んだ革新的な音楽家アストル・ピアソラの代表作です。
ピアソラは1921年3月11日に生まれ、タンゴに新風を吹き込んだ「タンゴ・ヌエボ」の創始者として知られています。
本作は1974年にリリースされ、「自由」と「タンゴ」を組み合わせた造語がタイトルになっています。
躍動感があふれるリズムと哀愁を帯びたメロディが特徴で、ピアソラの音楽的自由への渇望が表現されています。
サントリーのCMでも使用され、日本でも広く親しまれました。
クラシックやジャズの要素を取り入れた革新的なスタイルは、タンゴの新たな可能性を示しており、音楽の枠を超えて自由を求める人におすすめの一曲です。
「ロメオとジュリエット」組曲第1番 第2番Sergei Prokofiev

20世紀を代表するロシアの作曲家セルゲイ・プロコフィエフが手掛けたバレエ音楽です。
シェイクスピアの『ロメオとジュリエット』を題材に、1935年に作曲されました。
プロコフィエフが自ら編纂した管弦楽組曲は、バレエ全曲から印象的な場面を選び出し、コンサート用にアレンジされています。
各楽章は物語の場面や登場人物を描写し、音楽を通じて情景や感情を表現しているのが特徴です。
ロマンティックなメロディとリズミカルな要素が融合した本作は、ドラマティックな展開と多彩なオーケストレーションで聴く人を魅了します。
クラシック音楽に興味のある方や、音楽で物語を楽しみたい方におすすめの一曲です。