【クラシック】恋愛にまつわる名曲をご紹介
歌詞のない曲が大半を占めるクラシック。
実はそんなクラシック音楽にも、恋愛をテーマにした曲が多くあります。
すでに知っている曲でも、作曲家の意図や背景を知ることで聴こえ方が大きく変わるので、ぜひこの機会にクラシックの恋愛ソングを聴いてみてください。
さまざまな愛の形を表現している作品たちは、時代をこえても今を生きる私たちになにか伝わるものがあるかもしれません。
歌詞がある恋愛ソングもよいですが、メロディや響きだけで表現しているクラシック音楽のよさも伝わりましたら幸いです。
【クラシック】恋愛にまつわる名曲をご紹介(1〜10)
ジュ・トゥ・ヴーErik Satie

エリック・サティの代表作の一つであるこの曲は、元々声楽とピアノのために作曲されました。
「ジュ・トゥ・ヴー」とは、日本語で「あなたが欲しい」という意味です。
1903年にパリのカバレー、ラ・スカラで初演され、歌手ポーレット・ダルティさんに捧げられた本作。
3/4拍子のワルツで、そのメロディは懐かしさや感傷を感じさせます。
歌詞は官能的であり、この対照がこの作品の魅力の一つとなっています。
サティの他の作品と比較して、本作はより明るく、前向きな曲調が特徴的。
ピアノソロのバージョンでは、テキストの各節の間に追加のセクションを加え、懐かしいメロディをさらに発展させました。
恋愛をテーマにしたクラシック音楽に興味のある方にオススメです。
愛の挨拶Edward Elgar

エドワード・エルガーが婚約者への贈り物として作曲した本作。
甘美なメロディと感動的なハーモニーで満たされた、愛に満ちた短い作品です。
バイオリンの優しい旋律とピアノの軽やかな伴奏が特徴的で、聴く者の心を惹きつけます。
1888年に作曲され、翌年11月11日にクリスタル・パレスで小オーケストラ版が初演されました。
今日では、ピアノソロとして演奏される機会も多いですね。
結婚を控えた恋人同士や、大切な人への思いを込めたい方にオススメの1曲です。
ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」Ludwig van Beethoven

ベートーヴェンはピアノの教え子に恋をしました。
身分の違いなどで2人は結ばれることはありませんでしたが、彼女に対する熱い恋心、自分ではどうしようもならない悲しい現実、それぞれ複雑な心情が見事に表現されている楽曲です。
献呈Robert Schumann=Liszt

ロベルト・シューマンが愛するクララへの思いを込めて作曲した名曲。
フランツ・リストによるピアノアレンジで、さらに華やかで技巧的な魅力が加わりました。
シューマンがクララとの結婚の年に書いたそうで、原曲の深い愛情と感謝を表現した歌詞は、愛する人への献身的な気持ちにあふれています。
結婚式やコンサートのアンコールピースとしても人気があり、多くの人々に愛され続けています。
愛する人への感謝の気持ちを込めたい時や、心を落ち着かせたい時にオススメですよ。
交響曲 第5番より第4楽章「アダージェット」Gustav Mahler

若者の切ない心情を繊細に描いた1曲。
グスタフ・マーラーが婚約者アルマへの愛を込めて作曲した本作は、弦楽器とハープだけで演奏される静謐な楽章です。
別名『愛の楽章』と呼ばれており、ゆったりとした美しい旋律が、愛や喪失、孤独といった複雑な感情を表現しています。
1971年の映画『ベニスに死す』で使用されたことで一躍有名になり、その後も様々な場面で演奏されています。
深い愛や失望を感じたときに、心に響く音楽となるでしょう。
マーラーの繊細な感性が伝わる名曲、ぜひ一度聴いてみてください。
ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 Op.21より第2楽章Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが19歳のときに作曲したピアノ協奏曲の第2楽章。
彼の初恋の相手、コンスタンチア・グワトコフスカを思い作られました。
彼は彼女に思いを伝えることはありませんでしたが、その代わりにこの2楽章で切なく甘い恋心を表現しました。
彼は友人に手紙で「コンスタンチアを想いこのアダージョ(2楽章)を書いた」と残しています。
中間部では雰囲気が大きく変わり、思いを伝えられなかったショパンの葛藤を感じさせます。
恋する人への思いを抱きながら聴くのにぴったりな1曲。
切なく美しい旋律にぜひ浸ってみてください。
管弦楽組曲第3番より「アリア」J.S.Bach

G線上のアリアとして広く知られています。
結婚式でも使われており、ヴァイオリンが奏でる旋律がとにかく美しいです。
弦楽器がしっとりと歌い上げています。
情熱的に熱く燃え上がる恋愛というよりは、おだやかで落ち着いた大人の恋愛という印象を持ちます。