奥深いDUBの魅力~オススメの名盤・人気の1枚
ダブという音楽ジャンルを知っている方は、レコードショップに足しげく通っているような、かなりの音楽好きではないかと思われます。
レゲエから派生したジャンルではありますが、音楽制作の手法でもあり、その世界はあまりにもディープで奥深いものがあるのですね。
本稿は、初心者にもオススメの定番の名盤を中心としながらも、本場ジャマイカのルーツ・ダブからUKダブ、ポスト・パンクやニューウェーブといったダブの影響を感じさせる作品にも目を向けたラインアップでお届けする記事となっております。
日ごろはロックを中心に聴いているという方でも楽しめる内容となっておりますから、ぜひご覧ください!
奥深いDUBの魅力~オススメの名盤・人気の1枚(11〜20)
Electrochargedennis bovell

バルバトス・セントピーター出身でギターやベースなどマルチなプレーヤーであり、ブラックベアードという名義でも活躍している天才、デニス・ボーヴェルさん。
1980年に発表された『I Wah Dub』はブラックベアード名義でリリースされたアルバムであり、プレーヤーとしてだけではなく、プロデューサー、レコーディング・エンジニアとしても有名でダブ、英国ラヴァーズ・ロック、ポストパンクとトラディショナルなものから実験的な音源まで、その多彩な音楽的素養を遺憾なく発揮した英国ダブ・ミュージックの傑作!
実はリリース当時に日本盤のアナログ・レコードが出ていた事実もあり、コレクターであれば入手しておきたいところですよね。
The Boys From BrazilThe Pop Group

1979年に発表された『Y (最後の警告)』は純粋なダブ・アルバムとは言えませんが、ダブやレゲエ、実験音楽などに多大な影響を受けているポストパンクというジャンルを知る上で最も重要な作品の1つです。
後に「トリップホップ」などを生み出すブリストル・サウンドのゴッドファーザーにして、英国ダブの立役者であるエリドリアン・シャーウッドさんのレーベル「On-Uサウンド」との関係性も深いマーク・スチュワートさんが率いたポップ・グループのデビュー・アルバムであり、ダブの歴史を語る上では欠かせない存在のデニス・ボーヴェルさんがプロデュースを手掛けたという面だけ見ても、ダブ・ミュージックを深く掘り下げていく中で避けては通れないアルバムといっても過言ではないでしょう。
アルバムの発売当時、10代だったというメンバーたちが放つ怖いものしらずの過激なサウンドは2020年代の今聴いても刺激的な一言!
リリースから40年以上が過ぎた2021年の10月には、前述したデニス・ボーヴェルさんによるダブ・リミックスを施した『Y in Dub』がリリースされましたら、そちらも要チェックです。
Tout ce qu’ils veulentDUB INC

Dub Incはフランスで1997年に結成された、レゲエ・バンドです。
ダンスホールとダブ、スカ、ラップを融合させたサウンドを特徴としています。
このトラックは2010年にリリースされ、フランスのチャートでNo.27を記録したアルバム「Hors controle」に収録されています。
Take 5 DubKing Tubby

King Tubby(キングタビー)は、1941年生まれ、ジャマイカ出身のサウンドエンジニア、音楽プロデューサーで、ダブの発明者として知られている1人です。
1960年代~1970年代までのダブの発展にほとんど寄与しています。
Take 5 Dubは、Jazzの曲で有名なTake FiveをDubスタイルでMIX UPした曲です。
Jamaican RecordingsというUKレーベルより2004年にリリースされたLP コンピレーション、King Tubby -Dub Mix Up- Rare Dubs 1975-1979からの収録曲です。
Perfect DubJah Shaka

ジャー・シャカさんは、1960年代後半からレゲエのサウンド・システムを始め、ラスタファリニズムに根差した活動を軸としてミュージシャンとしても活躍、ここ日本でも定期的な来日公演を行っているUKレゲエ~ダブ・シーンの重要人物です。
ルーツ・レゲエの伝統を守り、ニュー・ルーツと呼ばれるスタイルへの橋渡し役としても知られるジャー・シャカさんが1992年にリリースした『Far I Ship Dub』は、レゲエ・シンガーのマックス・ロメオさんを起用したアルバム『Fari Captain Of My Ship』のダブ・アルバム。
ジャー・シャカさんによる英国ダブならではのニュー・ルーツ・サウンドがこれでもかと楽しめる珠玉の逸品となっているのですが、残念ながらCDとレコードどちらも現時点では廃盤、入手困難の状態のようです。
レコード・ショップなどで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
Dub To AfricaPrince Far I & The Arabs

特徴的なだみ声で朗読するようなボーカル・スタイルを持ち、自らを「Chanter」と称してプロデューサーとしても活躍したプリンス・ファー・アイさん。
残念ながら1983年に悲劇的な事件に巻き込まれ、30代の若さで亡くなってしまいましたが、On U Soundsの創始者としても知られている英国ダブの重要人物エイドリアン・シャーウッドさんとも交流関係にあり、ダブの歴史において重要な存在として多くのアーティストに影響を与えています。
『Dub To Africa』は、プリンス・ファー・アイさんが自らのバンド「The Arabs」を率いて、On U Soundの前身となったエイドリアンさんのレーベル「Hitrun」から1979年にリリースしたダブ・アルバム。
重めのベースを軸としたダブ・サウンドの中にバイオリンやホーンを導入、オルガンにギター、メロディカなど多彩なアレンジで聴かせてくれる作品となっており、ニューウェーブ系のサウンドとリンクする一面もうかがえるのが興味深いですね。
奥深いDUBの魅力~オススメの名盤・人気の1枚(21〜30)
Kunte Kinte – Agrican WarriorMad Professor

レゲエ~ダブ界隈の著名なミュージシャンたちのみならず、ロックやパンクなど他ジャンルのアーティストのプロデュースも積極的に行い、革新的かつ先進的な手法で音楽的な実験にも果敢に挑戦し続ける偉大な音楽プロデューサー、マッド・プロフェッサーさん。
「泣く子も黙るダブ・サイエンティスト」と評される壮絶なライブ・パフォーマンスも有名なマッド・プロフェッサーさんの代表的な作品の1つに「Dub Me Crazy」と名付けられたシリーズがあります。
本稿で取り上げているのは、その2作目にあたる『Dub Me Crazy 2: Beyond The Realms Of Dub』。
ガイアナ出身でイギリスにてレーベルとスタジオを主宰、もともとはスタジオ・エンジニアでキング・タビーさんやリー・ペリーさんといった初期のダブを聴いてアーティストとして活動を始めたという異色の経歴を持つマッド・プロフェッサーさんならではの、純粋なジャマイカン・ダブとはまた違った魅力を持った作品となっており、クールな視点と実験精神とが同居した一筋縄ではいかないダブ・アルバムです。