有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち
「ジャズ」という音楽ジャンルは実に100年以上の歴史を持ち、時代の空気を吸収しながら、革新的な技術を取り入れて発展し、さまざまなアプローチを試みることで、他ジャンルにも大きな影響を及ぼし続けています。
ロックやヘビーメタル、クラブ・ミュージックにいたるまで、ジャズのエッセンスを取り入れて独自のサウンドを鳴らしているアーティストは多く存在していますよね。
今回の記事は、そんなジャズの歴史において貴重なレガシーを残し、その才能とジャンルへの貢献から敬意をもって「ジャズ・ジャイアンツ」と呼ばれる偉大な音楽家たちを紹介します。
これからジャズを聴こう、と考えている方もぜひチェックしてみてください!
- 【初心者向け】モダンジャズの名盤。まずは聴きたいおすすめのアルバム
- 【ジャズの王道】モダンジャズの名曲。一度は聴きたい人気曲
- 【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション
- 【ジャズの殿堂】ブルーノート・レコードの名盤。おすすめのジャズアルバム
- コンテンポラリージャズの名曲|新旧合わせて紹介!
- オススメの日本人ジャズバンド~往年の名バンドから若手まで
- 【2025】海外のジャズバンドの名曲まとめ
- 【訃報】中村紘子さん死去。国際的ピアニストの名言集
- 一度は聴きたい有名ピアニスト。おすすめのピアニスト
- 歴史に残る偉大な洋楽ブルースアーティストまとめ
- ジャズピアノの名曲。世界の名ピアニストによるオススメのピアノジャズ
- ジャズの人気曲ランキング
- 和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち(1〜10)
Donna LeeJaco Pastorius

天才としか表現できない革新的なプレイの数々で、世界中のベーシストたちに衝撃を与えたのがジャコパスことジャコ・パストリアスさんです。
エレクトリック・ベースの持つ可能性を押し広げ、ベースを単なるリズム楽器として捉えるのではなく、フレットレス・ベースならではの音色を存分に生かした、アンサンブルの中で主役級の輝きを持った素晴らしいフレーズを多く生み出しました。
ウェザー・リポート時代の数々の名演はもちろん、1976年にリリースされたソロ・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』は、まさにベーシストにとっては聖典とも呼ぶべき作品ですよ。
プレイヤーとしてだけでなくコンポーザーとしても豊かな才能を持ったパストリアスさんでしたが、不幸な晩年を過ごすことになってしまったのは本当に残念でなりません。
My WayFrank Sinatra

世界的にもっとも有名な男性ジャズボーカルの一人として外せないのがフランク・シナトラさんでしょう。
彼の歌声はだくさんの女性をとりこにし、今でいうアイドル歌手のような存在だった時代もありました。
エンターテイナーでもある彼は、1940年代以降は映画俳優としても活躍し、第26回アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
また、彼が歌う『Fly me to the moon』の録音テープはアポロ10号・11号に積み込まれ、人類が月に持ち込んだ最初の曲となりました。
Cleopatra’s DreamBud Powell

日本のファンに圧倒的な人気があり、最もジャズクラブでのリクエストが多い曲の一つといわれているのが、バド・パウエルさんが作り1959年に録音したこちらの曲です。
音楽一家に生まれた彼はピアノにおけるビバップスタイルの第一人者といわれ、同世代に鬼才といわれたピアニストのセロニアス・モンクさんとは深い交流がありましたが、個性の塊といったイメージのモンクさんとくらべ、パウエルさんの演奏は正統派の演奏といったイメージです。
有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち(11〜20)
Cry Me A RiverElla Fitzgerald

ビリー・ホリデイさん、サラ・ボーンさんと並んで三大ジャズシンガーの一人と称されるエラ・フィッツジェラルドさん。
彼女はこの3人の中でも最も明るくカラッとした歌を歌い、スキャットを得意とするシンガーといえます。
チック・ウェブズ・バンドに見いだされ、童謡をジャズにアレンジした『ア・ティスケット・ア・タスケット』がヒットしたことを皮切りに、糖尿病による闘病が始まる1970年代までたくさんのヒットアルバムを残しました。
Round MidnightWes Montgomery

ジャズの歴史のみならず、多くのギタリストに影響を与えた不出世のプレイヤーとして音楽史にその名を残すのが、インディアナ州はインディアナポリス出身のウェス・モンゴメリーさん。
モンゴメリーさんの代名詞とも言われる、2本の弦で1オクターブ違いの同じ音程をプレイする「オクターブ奏法」を駆使したプレイで、ジャズギターの可能性を広げた功績はあまりにも有名です。
また、モンゴメリーさんはギブソンのギター「L-5 CES」を愛用していたことでも知られています。
残念ながら、45歳という若さでモンゴメリーさんはこの世を去ってしまいますが、彼の残した膨大な音源を聴くことで、独学で学んだという天才的なプレイの数々を楽しめるのは本当にありがたいですよね。
C Jam BluesOscar Peterson

ジャズ・ピアニストの最高峰にして、突出した技巧や独創的なアドリブを持つ「鍵盤の皇帝」ことオスカー・ピーターソンさん。
カナダはケベック州、モントリオール出身のピーターソンさんがジャズの歴史に残した輝かしい財産は、短い文章の中で書き切れるものではありませんが、ミスタッチがほとんどないと言われる卓越したテクニックはもちろん、歌心あふれるハッピーで軽快な演奏はリスナーをいつでも笑顔にさせますよね。
先進的なジャズメンにありがちなトラブルや悪いうわさなどはあまりなく、脳梗塞で左手が不自由になってしまってからも現役としての人生を全うしたピーターソンさんの作品は、広大なジャズの世界へ足を踏み入れる第一歩としても、最適と言えるのではないでしょうか。
ChameleonHerbie Hancock

アコースティックからエレクトリックまで自在にこなし、ジャズにこだわらず、独自のフィルターを通した先鋭的なサウンドを生み出し続けるハービー・ハンコックさん。
ジャズ・ピアニストとして高名なだけでなく、作曲家としてもアレンジャーとしても高い評価を得ており、歴史に残る名盤や名曲を多く世に送り出し続けています。
ファンクやヒップホップといった他ジャンルとのクロスオーバー的なサウンドにも積極的に挑戦し、1973年に発表した問題作『ヘッド・ハンターズ』は、従来のジャズ・ファンから非難を浴びたほど。
自身の名曲のタイトル通り、まさに「カメレオン」のような変化自在の活動を続けるミュージシャンとして、他の追従を許さない独自の立ち位置にいる存在と言えましょう。