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有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち

「ジャズ」という音楽ジャンルは実に100年以上の歴史を持ち、時代の空気を吸収しながら、革新的な技術を取り入れて発展し、さまざまなアプローチを試みることで、他ジャンルにも大きな影響を及ぼし続けています。

ロックやヘビーメタル、クラブ・ミュージックにいたるまで、ジャズのエッセンスを取り入れて独自のサウンドを鳴らしているアーティストは多く存在していますよね。

今回の記事は、そんなジャズの歴史において貴重なレガシーを残し、その才能とジャンルへの貢献から敬意をもって「ジャズ・ジャイアンツ」と呼ばれる偉大な音楽家たちを紹介します。

これからジャズを聴こう、と考えている方もぜひチェックしてみてください!

有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち(1〜10)

My WayFrank Sinatra

世界的にもっとも有名な男性ジャズボーカルの一人として外せないのがフランク・シナトラさんでしょう。

彼の歌声はだくさんの女性をとりこにし、今でいうアイドル歌手のような存在だった時代もありました。

エンターテイナーでもある彼は、1940年代以降は映画俳優としても活躍し、第26回アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。

また、彼が歌う『Fly me to the moon』の録音テープはアポロ10号・11号に積み込まれ、人類が月に持ち込んだ最初の曲となりました。

Donna LeeJaco Pastorius

天才としか表現できない革新的なプレイの数々で、世界中のベーシストたちに衝撃を与えたのがジャコパスことジャコ・パストリアスさんです。

エレクトリック・ベースの持つ可能性を押し広げ、ベースを単なるリズム楽器として捉えるのではなく、フレットレス・ベースならではの音色を存分に生かした、アンサンブルの中で主役級の輝きを持った素晴らしいフレーズを多く生み出しました。

ウェザー・リポート時代の数々の名演はもちろん、1976年にリリースされたソロ・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』は、まさにベーシストにとっては聖典とも呼ぶべき作品ですよ。

プレイヤーとしてだけでなくコンポーザーとしても豊かな才能を持ったパストリアスさんでしたが、不幸な晩年を過ごすことになってしまったのは本当に残念でなりません。

Cleopatra’s DreamBud Powell

日本のファンに圧倒的な人気があり、最もジャズクラブでのリクエストが多い曲の一つといわれているのが、バド・パウエルさんが作り1959年に録音したこちらの曲です。

音楽一家に生まれた彼はピアノにおけるビバップスタイルの第一人者といわれ、同世代に鬼才といわれたピアニストのセロニアス・モンクさんとは深い交流がありましたが、個性の塊といったイメージのモンクさんとくらべ、パウエルさんの演奏は正統派の演奏といったイメージです。

有名なジャズミュージシャン。ジャズの歴史を飾るプレイヤーたち(11〜20)

Cry Me A RiverElla Fitzgerald

Ella Fitzgerald and Joe Pass – Cry me a river (1975)
Cry Me A RiverElla Fitzgerald

ビリー・ホリデイさん、サラ・ボーンさんと並んで三大ジャズシンガーの一人と称されるエラ・フィッツジェラルドさん。

彼女はこの3人の中でも最も明るくカラッとした歌を歌い、スキャットを得意とするシンガーといえます。

チック・ウェブズ・バンドに見いだされ、童謡をジャズにアレンジした『ア・ティスケット・ア・タスケット』がヒットしたことを皮切りに、糖尿病による闘病が始まる1970年代までたくさんのヒットアルバムを残しました。

What a Wonderful WorldLouis Armstrong

Louis Armstrong – What A Wonderful World (Official Video)
What a Wonderful WorldLouis Armstrong

トランペット奏者にして、特徴的なだみ声で知られる歌手としても著名なルイ・アームストロングさんは、ジャズ界の巨人にしてアメリカが生んだ最高のエンターテイナーの1人です。

「サッチモ」という、なんだかとてもチャーミングな響きを持った愛称でもよく知られていますよね。

トランペット奏者としては、かのマイルス・デイヴィスさんをはじめとする多くのプレイヤーからの尊敬を集め、シンガーとしては1964年の大ヒット曲『ハロー・ドーリー!』が、当時爆発的な人気を誇っていたビートルズの連続1位の記録をストップさせるなど、アームストロングさんの偉業を挙げたらきりがないほどです。

さらには文筆家としても名をはせたのですから、アームストロングさんのような破格の存在は、もう二度と現れないといっても過言ではないでしょう。

C Jam BluesOscar Peterson

ジャズ・ピアニストの最高峰にして、突出した技巧や独創的なアドリブを持つ「鍵盤の皇帝」ことオスカー・ピーターソンさん。

カナダはケベック州、モントリオール出身のピーターソンさんがジャズの歴史に残した輝かしい財産は、短い文章の中で書き切れるものではありませんが、ミスタッチがほとんどないと言われる卓越したテクニックはもちろん、歌心あふれるハッピーで軽快な演奏はリスナーをいつでも笑顔にさせますよね。

先進的なジャズメンにありがちなトラブルや悪いうわさなどはあまりなく、脳梗塞で左手が不自由になってしまってからも現役としての人生を全うしたピーターソンさんの作品は、広大なジャズの世界へ足を踏み入れる第一歩としても、最適と言えるのではないでしょうか。

On Green Dolphin StreetKeith Jarrett

Keith Jarrett Trio – On Green Dolphin Street
On Green Dolphin StreetKeith Jarrett

中腰の姿勢と独特のうめき声を発しながらプレイするスタイルでも知られ、天才的なジャズ・ピアニストとして高名なキース・ジャレットさん。

ジャズに限らず、クラシック音楽など他ジャンルにおいても幅広く活躍し、作曲家にしてマルチ・プレイヤーとしての才能の持ち主でもあります。

そんなジャレットさんと日本との関係は特別なものがあり、ソロ・アーティストとしてもバンドとしても度々日本を訪れているだけでなく、1978年には単独で日本武道館の公演を成功させているほどです。

90年代後半には難病を患いながらも奇跡的な復活を遂げたジャレットさんの魅力を、まずは1975年にリリースされ、最も売れたジャズのソロ・アルバムとも言われる2枚組のライブ盤『ザ・ケルン・コンサート』で味わってみてはいかがでしょうか?