【鹿児島民謡の世界】郷土の心を歌い継ぐ伝統の調べ
鹿児島の大地に根付いた民謡やわらべうたには、郷土の心と暮らしが色濃く映し出されています。
埋め立て工事の労苦、島の人々の祈りと喜び、若者たちの純真な恋心……さまざまな心情を切り取った名曲たちは、世代をこえて受け継がれ、現在も地元の人々や故郷を離れて暮らす人々から愛されています。
本記事では、そんな鹿児島愛にあふれた民謡、童謡、わらべうたを集めました。
心に染み入る鹿児島の民謡の世界を、お楽しみください。
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【鹿児島民謡の世界】郷土の心を歌い継ぐ伝統の調べ(31〜40)
加世田馬方節鹿児島の唄をうたう会

明治5年に明治天皇が初めての行幸の地となったのは鹿児島県でした。
当時の薩摩藩の最高権力者島津久光は、明治維新の立役者ながら自分の考えとは違う改革に否定しており、天皇の行幸は久光をなだめるという理由の一つだったらしいです。
そんな中での久光公への三太郎坂や白銀坂などけわしい中の対応に、謝罪として作られた唄とされています。
ワイド節坪山豊

ちょっと聴いてみると、沖縄民謡にも感じるのですが、ワイド節は鹿児島県徳之島の闘牛を唄った唄です。
ワイドはかけ声なんですが、唄自体はもちろん、詞を見ても何を意味しているか方言なのでさっぱりわかりません。
一説にはワイドという牛がいて強くなるようにと、徳島県出身の男の子への成長を重ねた願いの唄だとされています。
徳之島節徳原大和

奄美に伝わる島唄の一つで、徳之島全土で唄われています。
奄美大島では徳之島節の他に犬田布節、伊良部諸島では犬田布嶺節と呼ばれ、犬田布(インタブ)は地名で、発端は農民が黒糖の横流しの罪に問われ、拷問を受けたこととされ、薩摩時代に受けた島民の恨みうたとされている。
新地節ten ten

鹿児島民謡の「新地節」は別名「出水新地節」とも言われます。
出水市の荒崎海岸を埋め立て時の完成祝いに唄われたとされています。
ちょっと聴くとお座敷の小唄風に感じますが、何とも言えない当時の苦労が唄われた労働唄です。
朝顔節初音ミク

奄美諸島では、お正月や婚礼などの祝い唄として必ずといって唄われる曲です。
原曲は「ほこらしゃ節」で、奄美大島南部で唄われており、「誇らしい、うれしい」との意味をもっています。
沖縄の祝い歌「御前風(グジンフウ)」「おこれ節」などに曲調が似ているのは、島から島へと伝わり、独自に変化していったものと考えられます。
【鹿児島民謡の世界】郷土の心を歌い継ぐ伝統の調べ(41〜50)
あはがり朝崎郁恵

島唄は歌としてでなく、言葉で伝えられてきたといわれていますが、この「あはがり」は、とても心に伝わる詞です。
「あはがり」の意味は「すべてがあかるい」を指しており、この世に誕生した事に感謝できるような深い曲です。
歌い手の朝崎郁恵さんは奄美の美空ひばりと呼ばれている方です。
鹿児島浜節松山勝志

鹿児島県の吹上浜の景色がうたわれた民謡で、鹿児島民謡の代表の一つでもあります。
うたいだしの♪かご~し~ま~は、三味線の音もないので、かなりむずかしいはじまり方で、民謡コンクールなどにも人気の曲です。
曲は大正時代あたりにできたとされていますが、おざしきうたと親しまれてきたのですが、現在は民謡を聴かせる曲のイメージになっていますね。