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【和の心】琴の名曲。日本の美しい調べ

やわらかい音色、調べが魅力的な楽器、琴。

琴の曲ってお正月など日本らしい行事ごとにぴったりですよね。

聴けば耳に馴染むというか、心が落ち着つきます。

今回この記事では琴の名曲をたくさんご紹介していこうと思っています。

さて、さきほどから「琴」という漢字を使っていますが、もしかしたら「箏」じゃないの?と思われている方もいらっしゃるかもですね。

厳密に言うと「琴」と「箏」は違う楽器なのですが、なるべく多くの曲に触れていただきたいので、ここでは総じて「琴」と表現しています。

では、最後までぜひ見ていってください。

【和の心】琴の名曲。日本の美しい調べ(1〜20)

八千代獅子藤永検校

八千代獅子 Japanese Koto music “Yachiyozishi”
八千代獅子藤永検校

もともと尺八の曲として親しまれていた八千代獅子。

その曲を政島検校が胡弓の曲として編曲し、そののちに藤島検校が三味線曲に編曲しました。

歌がつき、三曲といわれる三味線、琴、胡弓の3つの楽器での合奏もよくおこなわれる曲です。

獅子ものの中には秘曲とされ、初心者が演奏することを禁じられている曲もありますが、こちらの八千代獅子は初心者が演奏することも許されているそう。

歌舞伎の下座音楽といって、舞台下手の黒御簾の中で演奏される効果音楽としても使われる曲です。

思い出衛藤公雄

『思い出』は、美しく切ない旋律が心の中に入り込んで来て、懐かしい人や場所を思い出さずにはいられなくなる、情緒豊かな作品です。

日本を代表する箏曲家の衛藤公雄さんが作曲されました。

衛藤さんは、カーネギー・ホールでバイオリニストの江藤俊哉さんに続き、日本人としては2人目となる演奏会を開きました。

国際的な筝演奏家として活躍された人物です。

箏曲 ひぐらし宮城道雄

箏曲 ひぐらし (KOTO MUSIC[Higurashi])
箏曲 ひぐらし宮城道雄

大正時代に宮城道雄さんによる作品がこちら。

誰でも知っているお正月の定番曲『春の海』を作曲したことで知られる彼は、親の仕事の都合で少年時代に家族とともに今の大韓民国の仁川に渡りました。

日本で習った曲がそこまで多くなかった彼は、自分で琴の曲を作ってレパートリーを増やし、13歳から教室を持って琴を教え始めたそうです。

バイタリティがすごいですよね。

こちらの曲は晩夏の夕暮れにヒグラシが鳴く様子をイメージして作られました。

秋風の曲光崎検校

江戸時代の天保年間に光崎検校によってつくられた曲がこちらです。

唐の玄宗皇帝と楊貴妃の恋愛を描いた作品で、蒔田雁門が白楽天の『長恨歌』をもとにして作った歌詞に、光崎検校が曲をつけました。

秋風調子といわれるこの曲独自の調弦法を用いて調弦。

楽器だけを演奏する前弾と、歌の部分から出来上がっています。

披露するとなると歌う必要が出てくるので、今から琴を始めようと思っている方にとっては難しいかも。

しかし、だからこそ挑戦しがいがあるってもんですよ!

春の海宮城道雄

Japanese Koto 春の海/Haru no Umi (Spring Sea) Composer/作曲者 Michio Miyagi/宮城道雄
春の海宮城道雄

日本の歴史を感じる琴のメロディーは季節を感じるのにぴったりですね!

文筆家としても名高い宮城道雄さんが作曲した『春の海』は、お正月に流れるBGMとして知られる国民的な楽曲です。

琴のイントロが流れると新年が明け、晴れやかなスタートを切れそうな気がします。

尺八との掛けあいによる美しい音色が、和の心を感じさせますね。

日本のわびさびや優しさが詰まっていて、新年だけでなくお祝いごとがある時に聴きたくなる楽曲です。

越天楽

雅楽の曲目の一つであるこちらの『越天楽』は雅楽の中ではもっとも有名な曲の一つです。

この曲には舞もついていたそうですが、今は曲だけが伝わっています。

素晴らしい財産が失われていくのは悲しいことですね。

雅楽では音階の種類や主要音の音高によって6種類の調がありますが、こちらの曲はその中の平調という調で演奏されることが多いです。

西洋音楽と違い、音に漢字があてられているのも興味深いですね。

『越天楽』に歌詞をつけて歌う、越天楽今様』もあるので聴き比べるとおもしろいですよ。