【和の心】琴の名曲。日本の美しい調べ
やわらかい音色、調べが魅力的な楽器、琴。
琴の曲ってお正月など日本らしい行事ごとにぴったりですよね。
聴けば耳に馴染むというか、心が落ち着つきます。
今回この記事では琴の名曲をたくさんご紹介していこうと思っています。
さて、さきほどから「琴」という漢字を使っていますが、もしかしたら「箏」じゃないの?と思われている方もいらっしゃるかもですね。
厳密に言うと「琴」と「箏」は違う楽器なのですが、なるべく多くの曲に触れていただきたいので、ここでは総じて「琴」と表現しています。
では、最後までぜひ見ていってください。
【和の心】琴の名曲。日本の美しい調べ(21〜30)
水の変態宮城道雄

天才筝演奏家であり作曲家でもあった宮城道雄さんの作品です。
道雄さんが韓国の仁川に在住中に、弟が読んでいる小学校の教本から曲のひらめきを感じて、1909年、14歳の時に作曲したそう。
処女作であり代表作となったのが、筝の名曲として名高いこの『水の変態』です。
筝曲 六段の調八橋検校

こちらの曲は、近世箏曲の祖である八橋検校が作った曲です。
彼は、お菓子の八ッ橋の名前の由来となった人としても知られていますよね。
八橋検校は琴の奏法の見直しをしたり、雅楽の調弦法に半音を導入したりと近世の箏曲の基礎を作り上げました。
『六段』は段物と呼ばれる箏曲のひとつで、各段が52拍子で六段の構成なことから『六段』そう呼ばれています。
箏のBGMとして、テレビやホテル、日本料理店などでよく流れているので耳にした方も多いのではないでしょうか。
さくら

日本の伝統的な音楽として国際的なシーンで歌われたり演奏されることも多い曲が、日本古謡の『さくら』です。
もともと江戸時代に琴の練習曲として作られ、明治時代に歌詞が付き、歌として全国へ広がっていきました。
これから琴を始めようと思っている方はこの曲から。
瀬音宮城道雄

宮城道雄さんが29才の時に作曲した曲で、利根川から印象を得たといわれています。
宮城道雄さんは8歳で失明の宣告を受け、琴の道に入ることを決意します。
家庭の事情で今の大韓民国、仁川にわたり、そこで琴を教えながらたくさんの曲を作ります。
彼の曲は西洋音楽の要素を邦楽に取り入れたもので、今までの伝統的な琴の曲とは違ったおもむきがあります。
また、新しい琴の曲のために十七絃、八十絃、短琴、大胡弓といった新しい楽器を考案しました。
秋の曲三木稔

1980年に尺八と二十絃箏のために書かれたこちらの曲。
作曲者の三木稔さんは、琴の奏者ではなく、クラシックの作曲家です。
オーケストラやオペラの曲をかくかたわら、日本楽器のための作品もたくさん書いています。
外の世界から違う目線で書かれた日本楽器の曲というのもまたたまらない魅力があり、琴や尺八の魅力が際立ってすてきですよね。
これをきっかけに三木稔さんのほかの作品もいろいろ聴いてみると、楽しいかもしれませんよ。
五段砧光崎検校

こちらの曲は幕末期に活躍した光橋検校がつくりました。
全曲が5つの段からできている楽曲で,砧物の一つです。
砧物とは、地歌・箏曲・胡弓・尺八曲のうち、能の砧の擬音的描写を主題とする作品群のことを言います。
これまでの砧者は4段のものが普通でしたが、光橋検校はそれに『六段』の5段目を応用した第5段を加え、全体に本雲井調子の替手をつけて『五段砧』にしました。
調に日本語の名前がついているのも和楽器ならでは、といった感じがしますね。
二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ伊福部昭

『二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ』は、日本を代表する作曲家の1人であり、日本の民族主義的な音楽を追求した伊福部昭さんの作品です。
叙情あふれる筝のメロディーとオーケストラの絡み合いがとても美しい印象。
おわりに
どれも心に染みる楽曲ばかりだったかと思います。
これを見に来ている方は、もしかしたら「これから琴を弾いてみようかな」なんて思われているのかもしれないですね?
この記事がその助けになっていれば幸いです。
これからも曲を追加していきますので、またお時間あるときにぜひ立ち寄ってみてください!