京都の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ
日本でも有数の観光地であり、数多くの史跡を有する京都府の民謡・わらべうた特集です。
古くから歴史の舞台となってきた京都にはさまざまな文化があり、一口に「民謡」と言っても作られた年代が幅広く、土地や風習をなぞった色んなジャンルの曲が存在します。
地元の方ならぴんと来るもの、たくさんあるかもしれません。
また関西圏にお住まいなら、歌詞は違うけどメロディーは一緒な歌にも出会えるかも。
京都の歴史を歌からひも解いてみませんか?
京都の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ(1〜10)
下駄隠し

子供たちが集まって、それぞれ片方の靴を脱いで並べます。
その中の1人がこの歌を歌いながら、1つずつ靴を指していきます。
最後、歌が止まったときの靴の持ち主が鬼。
鬼が目をつぶって100を数える間に、みんなは自分の靴を隠します。
全員の靴を、鬼が探し当てるといった遊びの歌です。
京の大仏さん

『とおりゃんせ』や『かごめかごめ』のような遊び歌で、京都の大仏さんを歌っています。
昔、京都の方広寺というところに奈良の東大寺よりも大きな大仏があったそうです。
それが謎の火災で焼失、その後も再興されるもののまた焼失。
ミステリー要素の強い、謎が多いわらべうたです。
丹後ちりめん小唄

京都北部の丹後地方で作られている後染め織物・丹後ちりめんの宣伝のために作られた『丹後ちりめん小唄』。
宣伝ということもあり、とにかく「丹後ちりめんはすごくいいものなんだよ、だからかわいらしいステキな人やこれから嫁いでいく人にプレゼントしてあげてね」という思いが歌われています。
お座敷唄としても知られているだけでなく、お祭りではこの曲を使った踊りが踊られることもあります。
丹後に訪れた際は、丹後ちりめんの着物や浴衣を着て『丹後ちりめん小唄』で踊ってみてはいかがですか!
牛若丸

京都の鴨川にかかる橋の一つ、五条大橋で起こった有名なできごとといえば、源義経である牛若丸と弁慶との出会いですよね。
その2人の出会いの様子を描いた童謡がこの『牛若丸』です。
京阪特急の発車メロディーなどにも使用されていたことがあります。
弁慶は牛若丸に向かってなぎなたを持って襲いかかるのですが、牛若丸は見事に避け、その後もどんなに攻撃を受けても素早くかわしていく様子がつづられています。
歌詞を追っていくと2人の華麗な戦いの様子が目に浮かぶようですね。
丸竹夷

京都の道は「碁盤の目」になっていることで有名。
縦の通りと横の通りの名前と「上がる」「下がる」「西入ル」「東入ル」という言葉で場所の説明ができてしまうほどです。
その縦の通りと横の通りを歌にしたものです。
少し変わった通りの名前も多いのでこれで子供の頃覚えた人も多いのではないでしょうか?
祇園小唄

京都のさまざまな景色が登場する『祇園小唄』。
上品な三味線の音色が響くメロディーに、京都祇園のお座敷の光景が目に浮かびますね。
1〜4番まである歌詞には、それぞれ春夏秋冬の京都の光景が描かれています。
そして各景色の中には舞妓さんの姿が思い浮かぶ描写もあります。
歌詞もメロディーも曲全体で京都祇園の花街の様子が感じられ、優雅に祇園の街を歩いている気分にさせられます。
曲を聴けば四季折々の祇園の景色に今すぐ触れてみたくなりますね。
竹田の子守唄

オフコースや天童よしみさん、一青窈さんなど、さまざまなアーティストにも歌われている京都府の民謡『竹田の子守唄』。
ゆったりしたメロディーからは優しい歌のように感じられますが、歌詞には奉公に出た子供が奉公先での子守に苦労するつらく切ない様子がつづられています。
休みもなく、子守をしている子供もなかなか泣き止まず、好きな服も着られず……。
つらい、自分の家に帰りたい、そんな思いが切々とつむがれます。
タイトルにある竹田は、京都市伏見区にある竹田という場所だとされています。