大阪の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ
今回この記事では大阪にまつわる民謡、童謡を特集しました!
大阪は古くから交通量のおおい海路と河川の合流地点として物流の要でした。
そのため大阪の民謡には淀川の舟歌など古くからの歴史を感じせてくれる民謡があります。
一方であべのハルカスをモチーフにして作られたハルカス音頭など近年の大阪を象徴するような曲も。
「天下の台所」とも呼ばれた大阪の民謡、童謡を聴いて、その長い長い歴史にじっくりひたっていってください!
大阪の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ(1〜10)
大阪うまいもんのうた

童謡や、わらべうたとしては新作の部類に入るかもしれません。
それが『大阪うまいもんの歌』。
「たこ焼き」「お好み焼き」など、コナモンを中心に大阪名物となっている食べ物が軽快なメロディにのって歌い上げられます。
また、2番はなぜかおもしろいもの自慢で通天閣や吉本新喜劇などが歌い込まれています。
交野節

江戸時代中期に生まれたとされる、河内地方の伝統的な盆踊り歌です。
「河内音頭」のルーツとしても知られています。
地域ごとに節や踊りが少しずつ違う形で受け継がれてきた歴史があり、その素朴な響きに故郷の原風景を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2018年10月に、オーケストラ伴奏で構成された音源『交野節~石川五右衛門~』が発売。
さらに2025年には「大阪・関西万博」関連の企画で、若者にも届くようアップテンポに編曲された本作が紹介されました。
伝統の音色と現代的なアレンジの両方に触れられる、興味深い1曲と言えるでしょう。
大阪市街電車唱歌

七五調の心地よいリズムが、春の大阪を巡る旅へと誘ってくれる1曲。
梅田から始まり、堂島や心斎橋、天保山へと至る当時の名所が次々と歌い込まれ、活気あふれる街の様子が目に浮かぶようです。
路面電車に揺られる人々のわくわくした気持ちが伝わってくるような気がしませんか?
この楽曲は、 1908年に大阪市営路面電車のPRソングとして作られたとされています。
懐かしいメロディーに耳を傾けていると、古き良き「水の都」の賑わいが感じられるはずです。
槙尾山幟上げ音頭

明治初期に大阪府和泉市で生まれた民謡の一つ。
槙尾山のお寺で御開帳がある際に、人々が幟を掲げながら歌い歩いた道中歌が始まりなのだそうです。
伊勢音頭系統の陽気なリズムに威勢のいい掛け声が重なり、巡礼の一行の賑やかな様子が目に浮かびます。
歌詞には名産のみかんや当時の景色、情景が織り込まれており、楽しさの中に地域への思いが息づいている内容。
大阪の長い歴史と、そこに生きた人々の祈りの声に耳を澄ませたい時にぴったりの1曲かもしれません。
堀江の盆唄

大阪市西区堀江にあった遊郭の盆踊り唄で、かつては芸者たちがあでやかに歌い踊ったようです。
「かんてき割った/すり鉢割った/叱られた/それスイカ…」という歌詞が陽気な曲で盛り上げられ、現代にも伝承されています。
五社踊り

大阪府泉佐野市の日根神社で歌い継がれる、地域に根差した祝いの音頭。
その起源は江戸時代にはやった伊勢詣での道中唄にあり、昭和40年に氏子からの公募で名前が決まり、振り付けと共に奉納されました。
太鼓のリズムと、威勢の良いかけ声が一体となった活気あふれる曲調が特徴です。
地域の人々の手で大切に守られてきた、まさに故郷の心が宿る1曲。
大阪の祭りの熱気と人々の温かい祈りに触れてみてはいかがでしょうか。
佐野くどき

大阪府泉佐野市で江戸時代から受け継がれる、物語性豊かな盆踊り歌です。
三味線と太鼓が刻むリズムに乗せた、語りかけるような七五調の節回しが心に響きます。
まるで歴史絵巻を見ているような気分にさせてくれるんですよね。
文化的価値が高く評価されており、日本遺産の構成文化財にも認定されました。
大阪の歴史や人々の暮らしに思いを馳せたいときに聴いてみてはいかがでしょうか。





