「ジャズってなんだか敷居が高いし古い音楽って気がする……」そんな先入観をお持ちの方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
音楽ジャンルとして長い歴史を持つジャズですが、世代を超えて愛され続けているスタンダードナンバーを繰り返し演奏しているだけではなく、音楽の新たな可能性を感じさせるような新世代のジャズミュージシャンが世界中で活躍しているのですよ。
こちらの記事では幅広い視点で「最新のジャズ」をお届けしています。
クラシックなジャズアルバムしか聴いていないという方も、ジャズに抵抗があるという方も、皆さんぜひ一度チェックしてみてください!
【2025】ジャズの今を知る!最新の注目曲・人気曲まとめ(1〜10)
VortexKamasi Washington

壮大なジャズ・アンサンブルと力強いサックスソロが織りなす渡辺信一郎監督の新作アニメ『LAZARUS』のオープニングテーマ。
カマシ・ワシントンさんが得意とするジャズ、ファンク、ソウルなどの要素を巧みに融合させた本作は、奇跡の新薬「ハプナ」が引き起こす人類存亡の危機を描く作品世界と見事に調和しています。
2025年3月にリリースされたこの楽曲は、混沌としたエネルギーと高揚感に満ちており、アニメ『LAZARUS』の世界観をより一層引き立てています。
アルバム『Fearless Movement』で示された革新的なサウンドをさらに進化させた本作は、現代ジャズの新境地を切り開く意欲作。
アニメーションという異なる芸術形式との出会いが生んだ珠玉の一曲を、ぜひ映像と共にお楽しみください。
Rock With You (feat. Takuya Kuroda)José James

70年代ディスコの輝きを新たな息吹で2000年代に蘇らせたジャスティン・ティンバーレイクさんとネプチューンズによるダンスクラシックが、さらなる魅力を増して皆様の元へ。
ホセ・ジェイムズさんは、ソウルフルな歌声と洗練されたアレンジで原曲の持つロマンティックな雰囲気をしっかりと継承しつつ、黒田卓也さんの艶やかなトランペットが描く情感豊かなメロディラインと見事な調和を生み出しています。
アナログテープによる一発録りで収録された本作は、アルバム『1978: Revenge of The Dragon』の中核を担う楽曲として、往年のMudd Clubを彷彿とさせるアンダーグラウンドな雰囲気も纏っています。
心地よいグルーヴに身を委ねたい夜や、大切な人とのロマンティックなひとときにぴったりの一曲です。
That Doesn’t MatterCaity Gyorgy

弦楽器の優美な音色と洗練されたジャズ・アレンジが織りなす心地よい空間の中で、ケイティ・ジョージさんのスウィング感溢れる歌声が軽やかに舞います。
ヘンリー・マンシーニを思わせる品のある編曲は、マーク・リマシェールさんによる卓越した手腕の賜物。
大学院在学中に書かれた本作は、2025年8月発売予定のストリング・オーケストラ・アルバムの先行シングルとして2025年5月にリリースされました。
これまでにJUNO賞を3度受賞している彼女が、弦楽器とジャズの融合という新境地に挑んだ意欲作となっています。
ゆったりとした週末の午後や、静かな夜のひとときに、優雅な気分で楽しみたい一曲ですね。
Body Language (En La Carretera) ft. Sasha KeableEzra Collective

ロンドンの新興ジャズシーンをけん引する5人組が、ラテンアメリカのダンスリズムと現代のソウルミュージックを見事に調和させた意欲作です。
英国とコロンビアのルーツを持つシンガーソングライターのSasha Keableさんをフィーチャーし、2025年2月に公開された本作は、多文化が交差するロンドンの街の躍動感を巧みに表現しています。
バンドは2024年9月に公開したアルバム『Dance, No One’s Watching』で高い評価を得ており、2025年7月には初のフジロックフェスティバル出演も決定しています。
ジャズ・ピュアリストにも、ダンスミュージックファンにも心から楽しんでいただける一曲になっています。
Maybe NowhereEmma-Jean Thackray

深い悲しみと再生への希望を描いた楽曲を、Emma-Jean Thackrayさんが2025年4月にリリースしています。
ジャズやPファンク、グランジなど多彩な要素を取り入れた重厚なサウンドスケープの中で、失われた愛する人への思いと向き合う姿が印象的です。
彼女は全ての楽器演奏から作詞作曲、プロデュースまでを手掛け、内面的な葛藤を見事に音楽で表現しています。
本作は彼女のセカンドアルバム『Weirdo』に収録されており、デビューアルバム『Yellow』でUKジャズアルバムチャート1位を獲得した実力派の新境地を感じさせる作品となっていますよ。
大切な人を失った経験がある方や、ジャズの新しい可能性を探りたい方にぜひ聴いていただきたい一曲です。
Rooted (ft Paix and Emilie Boyd)Rebecca Vasmant

スピリチュアル・ジャズとエレクトロニカを融合させた心温まる音世界が広がる作品。
グラスゴーを拠点とするRebecca Vasmantさんが、自身のルーツである祖父母のホロコーストでの体験からインスピレーションを受けて紡ぎ出した珠玉のナンバーです。
洗練されたハープの音色と重厚なリズムセクションの上で、Emilie Boydさんのソウルフルなボーカルとスポークンワードが優雅に舞い、自己のアイデンティティや歴史への敬意が美しく表現されています。
2025年1月にリリースされた本作は、アルバム『Who We Are, Becoming』の幕開けを飾る1曲。
BBC Radio 6 Musicなど英国の主要メディアからも高い評価を受けており、現代のジャズシーンに新たな息吹を吹き込んでいます。
静かな夜のくつろぎタイムや、心を落ち着かせたい瞬間に寄り添ってくれる大人の一曲として、心からおすすめできる作品です。
Yes! Ramen!!Hiromi’s Sonicwonder

スカのリズムとシンセサイザーのフックが融合した、異色のジャズ・フュージョン作品です。
アルバム『OUT THERE』の中でも象徴的な1曲となっており、上原ひろみさんとバンドメンバー全員のラーメン愛から生まれた愉快な作品です。
Hiromi’s Sonicwonderが奏でるグルーヴ感あふれる演奏は、ファンクやエレクトロニカなど様々な要素を取り込みながら、全体を通してエネルギッシュな世界観を描き出しています。
本作は2025年4月4日に公開された作品で、グラミー賞公式YouTubeチャンネルでは2024年夏にブルーノート東京で収録されたライブ映像も公開中です。
躍動感溢れるサウンドは、気分転換や運動のお供として最適で、ラーメン店でBGMとして流れていても違和感のない親しみやすい1曲となっています。