【2025】ブラジルの国民的音楽!~サンバの名曲・人気曲まとめ
サンバといえばブラジルにおける代表的な音楽ジャンルですが、ダンスやカーニバルの総称のようなイメージを持たれている方も実は多いのではないでしょうか。
本稿では、知っているようであまり知られていない音楽ジャンルとしてのサンバの名曲を一挙ご紹介!
クラシックな名曲はもちろん、2010年代以降のサンバやパゴージをモダンに昇華した近年活躍しているアーティストによる楽曲まで、バリエーション豊かなラインアップでお届けします。
ここで取り上げられた楽曲を聴くことで、あなたのサンバに対するイメージが変わるかもしれません。
ぜひお楽しみください!
【2025】ブラジルの国民的音楽!~サンバの名曲・人気曲まとめ(1〜10)
O show tem que continuarFundo de Quintal

1970年代後半にブラジルはリオデジャネイロにて結成されたバンド、フンド・ヂ・キンタルはパゴーヂ・サンバのムーブメントにおいて最も重要なグループです。
サンバのリズムを基調としながら、パレードではなく日常においてカジュアルな形で歌われる彼らのスタイルは「パゴーヂ」と呼ばれ、今ではブラジルにおける最もポピュラーな音楽ジャンルとなっているのですね。
メンバーにはサンバ史に残る名曲を多く生み出したメンバーも多く、彼らの歩みがパゴーヂの歴史そのもの、といっても過言ではないでしょう。
1988年にリリースされたアルバム『O show tem que continuar』の表題曲は、そんな彼らの数多いレパートリーの中でも人気の高い1曲です。
バンジョーなどの軽快なバッキング、打ち鳴らされる打楽器のビートは力強くもしなやかでハッピーな雰囲気を演出しておりますね。
シンガロング必至のメロディは、日ごろは英語圏の洋楽しか聴かないという方にも親しみやすく、理屈抜きに楽しめますよ!
Seleção de Partido AltoCandeia

15歳にして作曲したパレードのテーマ曲が、自身が所属する名門エスコーラ・ジ・サンバ、ポルテーラの代表曲になるなど、早くから音楽家としての才能を発揮したカンデイアさん。
本稿で取り上げている『Seleção de Partido Alto』は、ルーツ・サンバの伝道師として活躍、本職は警察官という異色のキャリアを持ち、1978年に48歳の若さで惜しくもこの世を去ったカンデイアさんが1975年にリリースした3枚目のアルバム『AMBA DE RODA』の収録曲です。
『サンバの王様』という邦題が物語るように、伝統的なサンバのスタイルを軸としつつ、サンバの源流とも言われるアフリカ音楽への傾倒を示す音楽性が色濃く出た作風となっており、メドレー形式となっているこの楽曲を聴けば、サンバの何たるかがほんの少しでも理解できるかもしれません。
いけそうだと感じたなら、ぜひアルバムもチェックしましょう!
DisritmiaMartinho da Vila

ブラジルを代表するサンバミュージシャン、マルティーニョ・ダ・ヴィラさんの代表作の1つが、1974年3月にリリースされた本作です。
ロマンチックで情熱的なサンバのスタイルで、愛する人の腕の中に逃げ込みたい、その存在に溶け込みたいという強い願望を歌っています。
乱れたリズムを愛で整えてほしいという歌詞には、サンバの伝統的なテーマであるボヘミアンな生活のロマンティシズムが反映されています。
マルティーニョさんの豊かな表現力と深い感情が込められた本作は、ブラジル音楽の伝統を守りつつ新しい世代にも魅力を伝える、まさにサンバの名曲と呼ぶにふさわしい1曲です。
MalandroElza Soares

ブラジルが誇る女性サンバ・シンガーの最高峰にして女王、エルザ・ソアレスさん。
1930年代生まれで1950年の活動開始からサンバ歌手として人気を集め、その後も時代の変化とともに音楽性も変化させ、常に挑戦的な作品をリリースし続けている偉大な存在です。
2019年には御年82歳という年齢で充実の新作をリリースしたエルザさんの、サンバをベースとしたポップ色の強い「パゴーヂ」と呼ばれるジャンルの名曲である『Malandro』を紹介します。
次々とヒットを飛ばしていた充実の70年代、1976年にリリースした名盤『Lição De Vida』のオープニングを飾るナンバーで、エルザさんのサンバ曲の中で最大のヒット曲とも言われているのですね。
サンバ界のスター、ジョルジ・アラガォンさんが若き日に提供した楽曲でもあり、圧倒的な個性を放つエルザさんのドスの効いた声は、ここではピースフルで包み込むような優しさを感じさせます。
愛あふれるコーラス、軽快で上品なアンサンブル……サンバ初心者であっても心地良く聴けるはず!
Lapada DelaGrupo Menos é Mais, Matheus Fernandes

ブラジルのリオデジャネイロ州出身のグルーポ・メノス・エ・マイスさんとマテウス・フェルナンデスさんによる、パゴージと呼ばれるジャンルの楽曲です。
恋に落ちた直後の感情の高まりを捉えた歌詞と、エネルギッシュでダンスに適したテンポが特徴的。
2023年1月にリリースされたアルバム『Confia (Ao Vivo)』に収録されており、ライブでのパフォーマンスが収められています。
プロデューサーにはドゥドゥ・ボルジェスさんが名を連ねており、ブラジルの音楽シーンで広く愛されている1曲。
パーティーやダンスイベントで盛り上がりたい時におすすめの、感染力のあるリズムと魅力的な歌詞で聴衆を魅了する作品です。
Dança Da CordinhaÉ o Tchan!

ブラジルの人気パゴージェバンド、エ・オ・チャンによる1996年1月リリースの楽曲は、アクサンバの要素を取り入れた踊りやすいリズムが特徴です。
軽快なアクセントのアシェ音楽に分類されるこの曲は、ダンスイベントをテーマにしており、参加者が紐の下をくぐりながら踊る様子を描いています。
エ・オ・チャンは1992年にサルヴァドールで結成され、1995年にリリースした初のアルバムがトリプルプラチナを達成するなど、ブラジル国内外で大きな成功を収めました。
本作は、カーニバルやパーティーで人気があり、エネルギッシュでダンサブルな性質から、多くの人々に親しまれています。
ブラジルの文化的なイベントや社交場で楽しみたい方にぴったりの一曲です。
Samba De JaneiroBellini

サンバという音楽ジャンルに詳しくない方で、サンバに対する何となくのイメージとしてこの楽曲を思い浮かべるという人も多いかもしれませんね。
『Samba De Janeiro』は、1997年にリリースされて世界的な大ヒットを記録した楽曲です。
一度聴いただけで覚えてしまう印象的すぎるメイン・フレーズは、プロ野球や高校野球、サッカーの応援歌などで一度は耳にしたことがあるでしょう。
まさにリオのカーニバル、といった雰囲気のMVも含めて祝祭的な雰囲気満載の楽曲ではありますが、実はこの曲はドイツ出身のプロデューサー、ラモン・ツェンカーさんが率いるテクノ・ユニットによるものなのです。
サンバの音楽的要素を拝借しつつ、4つ打ちのダンス・ミュージックとなっており、聴く人の本能的な高揚感を引き出してひたすら踊らせるための音楽、といった趣です。
サンバというには変化球ではありますが、サンバからこういう楽曲も生まれたということ自体がおもしろいですよね。