恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲
聴いただけでぞくっとしてしまうような、恐怖を感じてしまう作用を持つのも音楽という芸術ジャンルの側面ですよね。
今回の記事では、怖い音楽をテーマに掲げてさまざまな音楽をピックアップ。
定番のホラー映画のテーマ曲からクラシック音楽を中心として、ロックやポピュラー音楽なども含めて幅広く選曲しています!
聴いているだけではとくに怖いと感じられない楽曲も、実は楽曲の背景を知れば途端に怖くなってしまう……そんな発見があるかも?
ぜひチェックしてみてくださいね。
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恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲(1〜10)
交響曲第9番Ludwig van Beethoven

おそらく、日本で最も有名なクラシック音楽の定番でしょう。
「第九」という名前でもおなじみ、ベートーヴェンによる『交響曲第9番』は、日本の年末に行われるコンサートにおいて欠かせない楽曲としても知られていますよね。
とくに第4楽章における『歓喜の歌』を聴いたことがない、という人はおそらくほとんどいないのではないでしょうか。
作曲したベートーヴェン自身はタイトルを付けなかったそうなのですが、9という数字は単純にベートーヴェンが9番目に作曲した交響曲ということを表しています。
ではこの有名なクラシック音楽のどこが恐ろしいのかというと、この楽曲を作った後でベートーヴェンが亡くなってしまい、後世の作曲家にとっては「交響曲九番の呪い」などといった風説が流布して、9番目の交響曲を作曲したら命を落とすなどと恐れられていたのですね。
ほとんど都市伝説ではありますが、実際のエピソードとしてマーラーが10番目の交響曲に『大地の歌』というタイトルを名付けたといったものもあり、そういった背景を踏まえて聴くと少しぞくっとしてしまう……かも?
I’m Afraid Of AmericansDavid Bowie

重苦しくゆっくりと不安を煽るように進んでいくイントロから、ブツブツと呟くような歌声…デビッドボウイさんの『I’m Afraid Of Americans』は退廃的な雰囲気と、重厚な音に圧倒される一曲です。
インダストリアルのような硬質なフレーズが反復し、催眠的に続きます。
タイトル通りアメリカに対するフラストレーションを痛烈な皮肉で表現し、怒りを音楽として美しく怪しく昇華してみせた、早過ぎたデジタルロックチューンです。
Theme from JawsJohn Williams

1975年に公開された人気映画「ジョーズ」のサウンド・トラックに収録された一曲で、コンポーザーは映画「スター・ウォーズ」などのテーマ曲を作曲したジョン・ウイリアムズさん。
「ジョーズ」のテーマとして、有名な本作は、緊張と緩和をうまくミックスさせたシンプルなトラックながらも、一度聴いたら忘れない印象的なフレーズが、ホラー要素たっぷりな不安と恐怖心をあおり、思わず背筋が凍るような音楽を表現していますね!
恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲(11〜20)
Cannibal HolocaustRiz Ortolani

この曲については、背景を知らない方にこそまずは聴かせてみたい楽曲の筆頭ですね!
温かみのあるアコースティック・ギターのフレーズ、ゆったりとした落ち着いたリズム、流麗なストリングスで奏でられるメロディはあまりにも美しく、何も知らないリスナーの心を癒してくれることは間違いないでしょう。
とはいえ、あくまでそれは「何も知らない方」に限りますよ。
イタリアが生んだ著名な作曲家、リズ・オルトラーニさんが手掛けたこちらの『Cannibal Holocaust』は、日本でも当時話題を集めた1980年公開の怪作『食人族』のテーマ曲です。
これを知ったら、そんなタイトルの映画になぜこの美しいテーマ曲が使われたのだと疑問に思う方も多くいらっしゃるはず。
ホラー映画やショッキングな作品にあえてこのような美しいテーマ曲を使う手法があり、まさにその代表的なパターンがこちらの楽曲なのですね。
この曲、劇中のとんでもないシーンで繰り返し何度も流れますから、美麗な旋律と恐ろしいシーンが重なり合って強烈な演出となっています。
映画自体は一般にはすすめられない作品ではありますが……興味のある方はぜひ!
Careful With That Axe, EugenePink Floyd

意図して演出されたBGMとしての恐ろしさとはまるで違う種類の、言葉で説明できない恐怖を味あわせてくれる名曲です!
イギリスが生んだプログレッシブ・ロックの最高峰にして、商業的にも記録的な成功を収めたピンク・フロイドの隠れた初期名曲で、1968年にリリースされた本国版のシングル『Point Me at the Sky』のB面曲として発表されたのが初出です。
B面曲とはいえ、当時のライブのレパートリーとして頻繁に取り上げられており、重要な立ち位置の楽曲であったことが分かりますよね。
初期の彼ららしいサイケデリックな雰囲気も満載で、ベーシスト兼ボーカリストのロジャー・ウォーターズさんが突如発狂したような叫びを放つ瞬間のインパクトたるや、とんでもないものがありますね。
1970年に公開されたミケランジェロ・アントニオーニ監督の名作『砂丘』のサウンドトラックの中で、新たに『Come in Number 51 (Your Time Is Up)』というタイトルで再録音されて収録されていることにも注目してみてください。
Goldberg Variations, BWV 988J.S.Bach

映画などのサウンドトラックとして起用されたがゆえに、恐怖と結びついてしまったクラシック音楽、実は結構ありますよね。
「音楽の父」と称される、バッハが1741年に発表したチェンバロのための変奏曲、俗称『ゴルトベルク変奏曲』として知られるこちらの楽曲もその1つでしょう。
楽曲としては高度な演奏技術が求められる作品であり、世に衝撃を与えた天才ピアニストのグレン・グールドさんによる名演をはじめとして、世界中の演奏家が挑戦し続けるクラシック音楽の傑作です。
同時に、ある映画を見た方であればこの楽曲はあまりにも不吉なものとして感じられるのではないでしょうか。
1990年に公開された大傑作映画『羊たちの沈黙』において、衝撃的なシーンでこの曲が使われており、恐怖を最大限にまで高める演出が成されているのです。
曲のイメージすら変わってしまうかもしれませんから、まだ映画をご覧になっていない方は要注意です。
AEnimaTool

トゥールの名曲『AEnima』。
複雑な迷宮の中に迷い込むように展開していく音像、最初こそ抑えがちながらも、徐々に高まっていく歌声、激しさと静けさを繰り返しながら、なお深い淵に沈み込んでいくように曲は続きます。
不気味に繰り返されるフレーズと、突如始まる美しいメロディー、催眠的リフレイン、呟きとシャウト、その世界はダークな芸術にして難解なパズル。
是非何度か聴いて、その深みにはまって帰れなくなって下さい。