恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲
聴いただけでぞくっとしてしまうような、恐怖を感じてしまう作用を持つのも音楽という芸術ジャンルの側面ですよね。
今回の記事では、怖い音楽をテーマに掲げてさまざまな音楽をピックアップ。
定番のホラー映画のテーマ曲からクラシック音楽を中心として、ロックやポピュラー音楽なども含めて幅広く選曲しています!
聴いているだけではとくに怖いと感じられない楽曲も、実は楽曲の背景を知れば途端に怖くなってしまう……そんな発見があるかも?
ぜひチェックしてみてくださいね。
恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲(1〜5)
VermilionSlipknot

スリップノットの『Vermilion』は曲が始まった瞬間からザクザクと不安を煽るギター、つぶやくように歌う声、不気味にテンションをあげるリズムに圧倒される奇妙なオルタナティブメタルチューンです。
音の分厚いメタル、ハードコア的音像に、ホラー、サイコ的要素が重なり、悪趣味さとアート性を絶妙に成立させた世界観は、世界中のメタルヘッズに新鮮なトラウマを与えました。
現在進行形で病んだアメリカを表現するモンスターバンドです。
SuspiriaGoblin

まさにイタリアン・ホラー映画のアンセム的なテーマ曲であり、いつ聴いてもぞくっとするような恐ろしさを聴き手に与えてくれる名曲中の名曲です!
ホラー映画の巨匠、ダリオ・アルジェントさんが1977年に発表した傑作『サスペリア』は、日本においてもブームを巻き起こし、当時は「決してひとりでは見ないでください」という有名なキャッチフレーズが話題となりましたね。
こちらの名曲を手掛けたのは、アルジェントさん映画の常連でプログレッシブ・ロック・バンドのゴブリンです。
オルゴールの音色のような物悲しげなイントロ、わざと拍をずらしたようなパーカッションが言い知れぬ不安をあおります。
その実、メイン・フレーズのメロディは美しく、音楽単体としても圧倒的に優れた楽曲であることは論を待たないでしょう!
Careful With That Axe, EugenePink Floyd

意図して演出されたBGMとしての恐ろしさとはまるで違う種類の、言葉で説明できない恐怖を味あわせてくれる名曲です!
イギリスが生んだプログレッシブ・ロックの最高峰にして、商業的にも記録的な成功を収めたピンク・フロイドの隠れた初期名曲で、1968年にリリースされた本国版のシングル『Point Me at the Sky』のB面曲として発表されたのが初出です。
B面曲とはいえ、当時のライブのレパートリーとして頻繁に取り上げられており、重要な立ち位置の楽曲であったことが分かりますよね。
初期の彼ららしいサイケデリックな雰囲気も満載で、ベーシスト兼ボーカリストのロジャー・ウォーターズさんが突如発狂したような叫びを放つ瞬間のインパクトたるや、とんでもないものがありますね。
1970年に公開されたミケランジェロ・アントニオーニ監督の名作『砂丘』のサウンドトラックの中で、新たに『Come in Number 51 (Your Time Is Up)』というタイトルで再録音されて収録されていることにも注目してみてください。
AEnimaTool

トゥールの名曲『AEnima』。
複雑な迷宮の中に迷い込むように展開していく音像、最初こそ抑えがちながらも、徐々に高まっていく歌声、激しさと静けさを繰り返しながら、なお深い淵に沈み込んでいくように曲は続きます。
不気味に繰り返されるフレーズと、突如始まる美しいメロディー、催眠的リフレイン、呟きとシャウト、その世界はダークな芸術にして難解なパズル。
是非何度か聴いて、その深みにはまって帰れなくなって下さい。
ErlkönigFranz Schubert

重厚かつシリアスなピアノの音色を聴いているだけで、言葉にできない焦燥感や不安を味わえますよね。
世界的に最も知られているリートの1つである『魔王』は、ゲーテの詩をシューベルトが歌曲として用いたものが最も有名です。
デンマークの民間のバラードをもとにして、ゲーテが自由に再構築して1782年に発表した詩である『魔王』を、1815年に当時18歳のシューベルトが歌曲として作曲しているのですが、作品の真価はなかなか理解されず、出版までには紆余曲折あったそうですよ。
今では音楽の教材として日本でもよく知られている歌曲ですし、いろいろな場面でパロディや引用をされていますよね。
悲劇的なストーリーが持つ恐ろしさを極限まで表現したような圧巻のピアノ演奏はもちろん、基本的には1人の歌手が子どもと父、魔王、ナレーションの4役を担う技巧的な難しさも相まって、一度聴いたら忘れられない衝撃を聴き手に与えてくれます。