恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲
聴いただけでぞくっとしてしまうような、恐怖を感じてしまう作用を持つのも音楽という芸術ジャンルの側面ですよね。
今回の記事では、怖い音楽をテーマに掲げてさまざまな音楽をピックアップ。
定番のホラー映画のテーマ曲からクラシック音楽を中心として、ロックやポピュラー音楽なども含めて幅広く選曲しています!
聴いているだけではとくに怖いと感じられない楽曲も、実は楽曲の背景を知れば途端に怖くなってしまう……そんな発見があるかも?
ぜひチェックしてみてくださいね。
恐ろしい音楽のススメ~実は怖いあの曲(11〜20)
To Bring You My LovePJ Harvey

イギリスが世界に誇る、真の意味でオルタナティブな存在であるシンガーソングライターの「ポーリー」ことPJ ハーヴェイさん。
1990年代初頭にトリオとして衝撃的なデビューを果たして以降、1つのジャンルに留まることはなく、孤高の存在として商業的にも成功を収めている奇跡的な存在です。
とくに初期の彼女は女性の情念を赤裸々に歌って男性陣を震え上がらせた楽曲も多くありますが、今回はソロ・アーティストとして新たな1歩を踏み出した1995年リリースのサード作『To Bring You My Love』のオープニングを飾る楽曲を紹介します。
ビートを刻む楽器を排除し、リフレインするノイジーなギターのバッキングとビブラフォン、オルガンのみで構成されたナンバーで、ブルースの香りも漂わせつつ、地の底から聴こえてくるようなハーヴェイさんの歌声はあまりにも強烈です。
感情の発露とはまた違った、彼女特有の作家性を手にした歌詞にもぜひ注目してみてください。
Tubular BellsMike Oldfield

ホラー映画の歴史にその名を残す、世界的にも最も有名なホラー映画のメイン・テーマ曲の1つといっても過言ではないでしょう。
『Tubular Bells』はホラー映画の名作『エクソシスト』のテーマ曲としてアメリカのみならず日本でもヒットを記録、聴いているだけであの恐ろしい映画のシーンがまざまざと思い出されてしまいます。
実はこのメイン・テーマは、イギリスのミュージシャンであるマイク・オールドフィールドさんが1973年にリリースしたソロ・アルバム『Tubular Bells』において、パート1の冒頭で鳴らされる特徴的なメイン・フレーズをアレンジして再録音したものなのですね。
演奏やアレンジにオールドフィールドさんは一切関わっていないという裏事情もあるのですが、楽曲としての価値は変わらないでしょう。
『エクソシスト』のバージョンしか知らない方であれば、ぜひオリジナルのアルバムも聴いてみてくださいね。
We Suck Young Blood. Your Time Is Up.Radiohead

レディオヘッドの6thアルバム「ヘイル・トゥ・ザ・シーフ」に収録された「We Suck Young Blood. Your Time Is Up.」は、ロック・バンドからの離脱を試みたダーク・ポップスな曲調を際立たせた作品です。
当時、ある国の大統領の施策を反対し、中傷するタイトルのフレーズをテーマに、ボーカルのトム・ヨークさんが書き上げた一曲として世界で話題になりました!
歌詞を知ると、聴こえ方も変わってくると思うので、是非じっくり読んで聴いてみてください!
I Don’t Like MondaysThe Boomtown Rats

弾けるようなピアノのフレーズ、陽気なハンドクラップ、キャッチーでメロディアスなこちらの楽曲を聴いだけでは、恐怖を感じるような方はおそらく皆無でしょう。
ライヴエイドコンサートなどのチャリティ活動でも知られている、アイルランド出身のミュージシャンであるボブ・ゲルドフが率いるバンド、ブームタウン・ラッツが1979年にリリースして全英1位を獲得したヒット・ナンバーです。
日本では『哀愁のマンデイ』という邦題でも知られているこの楽曲の背景には、アメリカで起こった少女による悲惨な銃撃事件があり、歌詞もそういった経緯を踏まえた内容となっているのですね。
どうして少女がそのような事件を起こしたのか、動機として少女が言ったとされる「月曜が嫌い」という言葉の意味を考えながらこの曲を聴いていると、爽やかな雰囲気と全く違い印象を感じ取れるのではないでしょうか。
Halloween ThemeJohn Carpenter

ホラー映画の歴史において重要な作品である『ハロウィン』シリーズのテーマ曲は、どのシリーズでもアレンジを施した形で使われている、まさにシリーズを通してのメイン・テーマです。
低予算ながら大ヒットを記録、スプラッター映画にしてその芸術性を高く評価されている1978年公開の映画『ハロウィン』の監督を務めたジョン・カーペンターさん自らが作曲を手掛け、作品を象徴する名曲として愛され、恐怖を生み出し続けている永遠の名曲ですよね。
得体のしれない焦燥感をあおるように展開していく5拍子のリズム、ミニマルなピアノのフレーズ、アナログ・シンセの不穏な響き……簡素な作りながらもカーペンターさんの作曲家としての才能を如実の物語る楽曲となっております。
映画監督としても作曲家としてもこれだけの才能を発揮できるカーペンターさんの存在自体が、何だか恐ろしくなってしまいますね!