春の訪れを感じる珠玉のジャズ名曲と心温まるストーリー
春の優しい陽射しとともに、心に染み入るジャズの調べが聴こえてきませんか?
ニーナ・シモンの力強い歌声から、ビル・エヴァンスの繊細なピアノタッチまで、春の訪れを感じさせる珠玉のジャズナンバーをご紹介します。
桜の季節に寄り添う矢野沙織の温かな音色や、ジャンゴ・ラインハルトの陽気なメロディなど、新しい季節の始まりにぴったりな名曲の数々。
心温まるストーリーとともに、あなたの春を彩る特別な一曲を見つけてみませんか?
春の訪れを感じる珠玉のジャズ名曲と心温まるストーリー(1〜20)
Spring, Spring, SpringJohnny Mercer

春の生命力が躍動する陽気なメロディーと、ウィットに富んだ歌詞が魅力的な一曲。
アメリカを代表する作詞家ジョニー・マーサーさんが描く春の情景は、カエルやカモなどの生き物たちの姿を通して、自然界の喜びと再生を温かく表現しています。
1954年6月にM-G-Mスタジオオーケストラによってリリースされ、同年のミュージカル映画『掠奪された七人の花嫁』で主要なシーンを彩りました。
本作は、1976年にはビング・クロスビーさんとフレッド・アステアさんによるデュエットでも取り上げられ、新たな輝きを放っています。
朝の散歩や春の行楽のお供に聴いていただきたい、心温まるジャズスタンダードです。
You Must Believe In SpringTony Bennett & Bill Evans

1950年代から1960年代にかけて、活躍したポピュラー音楽の歌手、トニー・ベネットさん。
フランク・シナトラさんが「世界最高の歌手」というほど高い評価を受けており、ロック全盛期の時代も堅実なボーカルで多くのリスナーから注目を受けていました。
そんな彼が世界的なジャズピアニストであるビル・エヴァンスさんとコラボをした作品が、こちらの『You Must Believe In Spring』。
春をテーマにしたメロディーとリリックで、多くの国から愛された名曲です。
Spring Is HereBill Evans

淡い光を織りなすように、アメリカのピアニスト、ビル・エヴァンスさんがピアノで紡ぎ出す繊細な音色が心に染み入ります。
1959年12月にニューヨークで録音されたアルバム『Portrait in Jazz』に収められた本作は、春の訪れを喜ぶ気持ちと、なぜかその喜びを素直に受け入れられない繊細な感情を見事に表現しています。
スコット・ラファロさんのベースとポール・モチアンさんのドラムスが織りなす対話的な演奏は、孤独や失恋の痛みをより深く描き出しています。
春の光と影が交錯する季節の変わり目に、静かな部屋でゆっくりと耳を傾けたい一曲です。
人生の機微に触れたい方におすすめしたい珠玉の演奏となっています。
Central Park WestJohn Coltrane

穏やかな春の陽気を優雅に表現した珠玉のバラード。
ジョン・コルトレーンさんがニューヨークの街並みからインスピレーションを得て生み出した静謐な名演は、1964年にアルバム『Coltrane’s Sound』に収録され、モダンジャズの金字塔として輝き続けています。
複雑な和声進行とメロディアスなソプラノサックスが織りなす優美な世界観は、都会的な洗練さと自然の息吹が見事に調和しています。
マッコイ・タイナーさんの繊細なピアノタッチも印象的で、春の訪れを感じさせる瑞々しい感性が随所に光ります。
朝日の差し込むリビングで、お気に入りの本を片手にゆったりと浸りたい、そんな至福のひとときにおすすめの一曲です。
Blue MoonMel Tormé

深い夜空に輝く月のような、静謐で優美な旋律が心に染み入ります。
アメリカ出身のメル・トーメさんは、その甘美なバリトンボイスから「ベルベット・フォグ」の愛称で親しまれた名手。
1949年4月にキャピトル・レコードからリリースされた本作は、全米チャートで20位を記録する大ヒットとなりました。
孤独だった主人公が奇跡的な出会いを経て愛を見つけるというロマンティックなストーリーを、トーメさんは温かみのある歌声で情感豊かに描き出しています。
ジャズの要素を巧みに織り込んだアレンジと、まるで物語を語るかのような表現力は圧巻。
1948年のMGM映画『Words and Music』でも披露され、静かな夜にグラスを傾けながら聴きたい、大人のための珠玉のバラードです。