春の訪れを感じる珠玉のジャズ名曲と心温まるストーリー
春の優しい陽射しとともに、心に染み入るジャズの調べが聴こえてきませんか?
ニーナ・シモンの力強い歌声から、ビル・エヴァンスの繊細なピアノタッチまで、春の訪れを感じさせる珠玉のジャズナンバーをご紹介します。
桜の季節に寄り添う矢野沙織の温かな音色や、ジャンゴ・ラインハルトの陽気なメロディなど、新しい季節の始まりにぴったりな名曲の数々。
心温まるストーリーとともに、あなたの春を彩る特別な一曲を見つけてみませんか?
春の訪れを感じる珠玉のジャズ名曲と心温まるストーリー(21〜30)
Joy SpringClifford Brown

ブラウニーの愛称で親しまれたジャズトランペッター、クリフォード・ブラウンさん。
25歳という若さで亡くなってしまったため、実質の活動期間は5年ほどと非常に短いのですが、現在にいたるまでジャズシーンに多くの影響を与えてきました。
そんな彼の名曲と言われている、こちらの『Joy Spring』は春をテーマにした作品で、1954年にリリースされました。
「ファッツ・ナバロの再来」とうたわれた彼のテクニックを味わえる1曲です。
My Funny ValentineChet Baker

作詞:ローレンツ・ハート、作曲:リチャード・ロジャースによる、1937年のブロードウェイ・ミュージカル「ベイブス・イン・アームズ」のために作られた楽曲です。
その劇中でビリーという女性がヴァレンタインという男性に向けて歌う恋の歌となっています。
Blue SkiesDiana Krall

アーヴィング・バーリンによる、1926年発表されたポピュラー音楽です。
邦題を「青い空」といい、ミュージカル「ベッツィー」のために書かれた曲です。
ショー自体ははやりませんでしたが、この曲は見に来た観客に何度もアンコールを要求されたようです。
その後、1998年にはロビン・ウィリアムズ主演映画「パッチ・アダムス」でも使われました。
My RomanceCarmen McRae

作詞:ロレンズ・ハート、作曲:リチャード・ロジャースによる、1935年のビリー・ローズ作のミュージカル「ジャンボ」の主題歌として作られた楽曲です。
舞台化当時はヒットせず、1962年にドリス・デイ主演で映画化されています。
A Night in TunisiaArt Blakey & The Jazz Messengers

北アフリカの異国情緒溢れる情景を、ジャズの革新的なリズムとハーモニーで表現した傑作。
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズによる1960年8月の演奏は、アフロキューバンのリズムとビバップの融合という斬新なアプローチで、音楽の新境地を開拓しました。
力強いドラムプレイを軸に、リー・モーガンさんのトランペットとウェイン・ショーターさんのサックスが紡ぎ出す官能的なメロディライン。
名盤『A Night in Tunisia』に収録された本作は、エキゾチックな空気感とスリリングな即興演奏の交錯が魅力です。
穏やかな春の夜、異国の風を感じながらゆったりと音楽に浸りたい方におすすめの一曲です。
Let’s Fall In LoveDiana Krall

恋に落ちることの喜びと期待感を軽やかに歌い上げる名曲を、カナダ出身のジャズピアニスト兼シンガーのダイアナ・クラールさんが優美に奏でています。
繊細なピアノタッチと官能的な歌声が、春の陽気のように心を包み込むように響き渡ります。
1999年発売のアルバム『When I Look In Your Eyes』に収録された本作は、ハロルド・アーレンとテッド・ケーラーが手掛けた1933年の映画主題歌を見事に再解釈。
スウィング感あふれるジャズアレンジと、洗練された演奏で新たな魅力を引き出しています。
グラミー賞を受賞したこのアルバムは、新しい季節の始まりに寄り添う一枚として、穏やかなひとときを過ごしたい方にぴったりの一曲です。
In a sentimental moodDuke Ellington & John Coltrane

1962年、アメリカジャズ界の重鎮デューク・エリントンさんと革新的なサックス奏者ジョン・コルトレーンさんが奏でた美しいコラボレーション。
愛する人への想いを星空に例えた詩的な世界観と、エリントンさんの優雅なピアノ、コルトレーンさんの柔らかなサックスが織りなす極上のハーモニーが、心に深く染み入ります。
1935年の誕生秘話も興味深く、友人同士のいさかいを和らげるために即興で生まれたメロディーは、今やジャズ史に輝く名曲となりました。
2005年の映画『Prime』でも印象的に使用され、穏やかな春の午後のカフェで静かに聴きたい一曲です。
心が温かくなるような、そんな癒しの時間を与えてくれることでしょう。