【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック
秋といえば……そう、「芸術の秋」!
音楽好きの方なら、「食欲の秋」や「スポーツの秋」より、真っ先にこの言葉を思い浮べるのではないでしょうか?
秋は、演奏会や芸術祭が全国各地で開催されるなど、音楽を楽しむのにピッタリの季節です。
今回は、そんな秋に聴きたいクラシック作品の中から、美しいピアノ曲をピックアップしてご紹介いたします。
ご自宅で静かに鑑賞するもよし、弾いて楽しむもよし!
お好みのスタイルで、芸術の秋を美しいピアノ曲とともにお楽しみください。
【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(1〜20)
叙情小曲集より「秋のスケッチ」William Gillock

アメリカの音楽教育者、ウィリアム・ギロックが1958年に発表したピアノ曲集『叙情小曲集』。
その中の1曲である『秋のスケッチ』は、秋の情景を描いた美しい旋律が特徴です。
ゆったりとしたテンポで奏でられる穏やかな音の流れは、まるで秋の落ち葉が舞い散る様子を思わせます。
ギロックは「子供向け作曲家のシューベルト」と称され、初心者でも演奏しやすいよう工夫されながら、豊かな感情表現を可能にした作曲家。
色彩豊かでありながらシンプルな音使いによって、深い叙情性とハーモニーを生み出しています。
秋の夜長にゆったりと聴いてみてはいかがでしょうか。
前奏曲集 第2集 第2曲「枯葉」Claude Debussy

絵画のような繊細で美しい作品を数多く残したフランスの作曲家クロード・ドビュッシーは、前奏曲として24の作品を残しています。
12曲ずつで構成された2つの前奏曲集のうち、第2集に収録されている『第2曲「枯葉」』は、秋のもの悲しさを感じさせる曲調が特徴的な1曲です。
不安定な印象の和音の連続に、なんとも不思議な気持ちにさせられるこの曲は、フランス印象派のドビュッシーらしい世界観を感じながら、まさに秋らしさも味わえる作品といえるでしょう。
6つの演奏会用練習曲 作品35-2「秋」Cécile Chaminade

フランスの女性作曲家セシル・シャミナードが1886年に発表したピアノ独奏曲。
彼女の代表作の一つで、豊かなロマンティシズムと情感が特徴です。
こちらの『秋』は、全6曲からなる練習曲集の第2曲にあり、秋の季節感を表現しています。
静けさと寂しさ、時折激しい感情が交差する構成が魅力的。
ゆったりとしたリズムと哀愁漂うメロディで、秋の移り変わりや物寂しい雰囲気を見事に描き出しています。
ピアノ愛好家の方はもちろん、秋の雰囲気を音楽で味わいたい方にもオススメの1曲です。
秋のささやきRichard Clayderman

フランスが生んだピアニスト、リチャード・クレイダーマンによる名曲。
1977年に作曲され、1978年のアルバム『A Comme Amour』に収録されました。
1981年にはTBS系列のドラマ『愛の滑走路’81』のテーマ曲にも起用され、日本でも大ヒット。
ゆったりとしたテンポと繊細なアルペジオのピアノラインが特徴です。
秋の静寂や感傷的な雰囲気を見事に表現しており、愛の儚さや美しさを秋の風景に重ねたかのような旋律は、聴く人の心に深い感動を与えます。
静かな秋の夜長に、しみじみと聴きたい1曲ですね。
赤とんぼ変奏曲三宅榛名

秋の童謡唱歌として真っ先に思い浮べる方も多い、山田耕筰さんの『赤とんぼ』。
とんぼが舞う秋の空を連想させるメロディをテーマとして、作曲家兼ピアニストの三宅榛名さんが5つの変奏曲に仕上げたものが、この『赤とんぼ変奏曲』です。
素朴で懐かしいメロディに、原曲を重んじながらも大胆なアレンジが加えられているため、原曲に慣れ親しんでいる方も抵抗感なく新鮮な気持ちで聴けるでしょう。
『赤とんぼ』のメロディを目と耳で追いながら、実際に演奏してみるのもオススメです!