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【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック

秋といえば……そう、「芸術の秋」!

音楽好きの方なら、「食欲の秋」や「スポーツの秋」より、真っ先にこの言葉を思い浮べるのではないでしょうか?

秋は、演奏会や芸術祭が全国各地で開催されるなど、音楽を楽しむのにピッタリの季節です。

今回は、そんな秋に聴きたいクラシック作品の中から、美しいピアノ曲をピックアップしてご紹介いたします。

ご自宅で静かに鑑賞するもよし、弾いて楽しむもよし!

お好みのスタイルで、芸術の秋を美しいピアノ曲とともにお楽しみください。

【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(1〜10)

「四季」-12の性格的描写 Op.37bis 10月「秋の歌」Pyotr Tchaikovsky

チャイコフスキー:「四季」-12の性格的描写 10月 「秋の歌」  pf. 小塩 真愛:Mai Koshio
「四季」-12の性格的描写 Op.37bis 10月「秋の歌」Pyotr Tchaikovsky

ロシアの風物詩を描写した全12曲からなるピアノ曲集『四季』。

第10曲目、10月の作品として作曲された『秋の歌』は、切なさに満ちた哀愁ただよう楽曲です。

音楽雑誌の連載企画として、それぞれの月を連想させるロシアの詩人の詩に合わせて、ピョートル・チャイコフスキーが制作しました。

『秋の歌』には、色づいた葉が風に乗ってはらはらと散っていくもの悲しい情景を描いた詩が添えられています。

鮮やかな紅葉が広がる日本とは異なる、切ない「秋」を感じられますね。

叙情小曲集より「秋のスケッチ」William Gillock

ギロック :秋のスケッチ(叙情小曲集より) ピアニスト 近藤由貴/Gillock: Autumn Sketch Piano, Yuki Kondo
叙情小曲集より「秋のスケッチ」William Gillock

アメリカの音楽教育者、ウィリアム・ギロックが1958年に発表したピアノ曲集『叙情小曲集』。

その中の1曲である『秋のスケッチ』は、秋の情景を描いた美しい旋律が特徴です。

ゆったりとしたテンポで奏でられる穏やかな音の流れは、まるで秋の落ち葉が舞い散る様子を思わせます。

ギロックは「子供向け作曲家のシューベルト」と称され、初心者でも演奏しやすいよう工夫されながら、豊かな感情表現を可能にした作曲家。

色彩豊かでありながらシンプルな音使いによって、深い叙情性とハーモニーを生み出しています。

秋の夜長にゆったりと聴いてみてはいかがでしょうか。

赤とんぼ変奏曲三宅榛名

三宅 榛名:赤とんぼ変奏曲  pf. 杉浦 菜々子:Sugiura, Nanako
赤とんぼ変奏曲三宅榛名

秋の童謡唱歌として真っ先に思い浮べる方も多い、山田耕筰さんの『赤とんぼ』。

とんぼが舞う秋の空を連想させるメロディをテーマとして、作曲家兼ピアニストの三宅榛名さんが5つの変奏曲に仕上げたものが、この『赤とんぼ変奏曲』です。

素朴で懐かしいメロディに、原曲を重んじながらも大胆なアレンジが加えられているため、原曲に慣れ親しんでいる方も抵抗感なく新鮮な気持ちで聴けるでしょう。

『赤とんぼ』のメロディを目と耳で追いながら、実際に演奏してみるのもオススメです!

【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(11〜20)

秋のワルツIsaac Albeniz

アルベニス 秋のワルツ より ピアノスペース
秋のワルツIsaac Albeniz

スペインの作曲家兼ピアニストであり、スペイン民族音楽の影響を受けた独特な世界観の作風で知られるイサーク・アルベニス。

『秋のワルツ』は1890年頃にピアノ独奏曲として作曲されましたが、木管五重奏などでもたびたび演奏されています。

胸を締め付けられるような切なさを感じるメロディが魅力的。

演奏される機会はそれほど多くありませんが、心穏やかに過ごしたい秋に最適な作品です。

この曲を聴きながら、少しだけセンチメンタルな気分に浸ってみてはいかがでしょうか。

ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2「月光」第1楽章Ludwig van Beethoven

『月光ソナタ』として広く知られている、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2』。

特に、深い悲しみを表すかのようにゆったりと進行していく第1楽章は、「美しいピアノ作品」として必ずといってよいほど名前が挙がる名曲です。

『月光ソナタ』の愛称は、ベートーヴェンの死後、音楽評論家がこの曲に対して述べた言葉からとられたもの。

作曲者本人が何をイメージしていたかは定かではありませんが、『月光』以上にこの曲にふさわしい言葉はないのではないでしょうか?

秋の夜に聴く曲としてもピッタリです。

「四季」-12の性格的描写 Op.37bis 11月「トロイカ」Pyotr Tchaikovsky

ロシアの1年の移り変わりを音楽に表した、ピョートル・チャイコフスキーの『「四季」-12の性格的描写 Op.37bis』。

第11曲目の『11月「トロイカ」』は、この曲集のなかでも特に有名な作品として知られています。

秋を連想させる曲は、しっとしりとした作品やもの悲しい雰囲気の楽曲が多い印象ですが、こちらの『トロイカ』は明るく快活な曲。

クリスマスなどの楽しいイベントがある冬を待ち構えているようで、ワクワクした様子も感じられます。

叙情小曲集より「十月の朝」William Gillock

アメリカの音楽教育者として知られるウィリアム・ギロック。

300以上の教育的ピアノ作品を手掛け、「子供の作曲家のシューベルト」と呼ばれるほど、メロディックな魅力にあふれた曲を生み出しました。

本作は、『叙情小曲集』に収録されている1曲、『十月の朝』。

秋の朝の静けさや冷たさを感じさせる表現が凝縮された、穏やかで優雅な曲調が特徴です。

自然の美しさや季節の移ろいを繊細に表現した本作は、まさに秋の朝に聴きたい1曲ですね。