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【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック

秋といえば……そう、「芸術の秋」!

音楽好きの方なら、「食欲の秋」や「スポーツの秋」より、真っ先にこの言葉を思い浮べるのではないでしょうか?

秋は、演奏会や芸術祭が全国各地で開催されるなど、音楽を楽しむのにピッタリの季節です。

今回は、そんな秋に聴きたいクラシック作品の中から、美しいピアノ曲をピックアップしてご紹介いたします。

ご自宅で静かに鑑賞するもよし、弾いて楽しむもよし!

お好みのスタイルで、芸術の秋を美しいピアノ曲とともにお楽しみください。

【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(1〜10)

愛の夢 第3番Franz Liszt

リスト:愛の夢第3番 / 反田恭平
愛の夢 第3番Franz Liszt

旋律な美しさが際立つフランツ・リストの『愛の夢 第3番』は、演奏会や発表会だけでなく映画やドラマなどでも起用され、多くの方に親しまれている作品です。

もともとは歌曲『おお、愛しうる限り愛せ』として作曲されたこの曲。

のちにリスト自身によってピアノ独奏版に編曲され、現在ではピアノ曲として演奏される機会の方が多く見受けられます。

ロマンチックな曲調は、秋の心地よい夜にゆったりとくつろぎながら鑑賞したり、美しいメロディを味わいながら演奏するのにピッタリ!

ぜひ、その深みを芸術の秋に堪能してみてください。

叙情小曲集より「秋のスケッチ」William Gillock

ギロック :秋のスケッチ(叙情小曲集より) ピアニスト 近藤由貴/Gillock: Autumn Sketch Piano, Yuki Kondo
叙情小曲集より「秋のスケッチ」William Gillock

アメリカの音楽教育者、ウィリアム・ギロックが1958年に発表したピアノ曲集『叙情小曲集』。

その中の1曲である『秋のスケッチ』は、秋の情景を描いた美しい旋律が特徴です。

ゆったりとしたテンポで奏でられる穏やかな音の流れは、まるで秋の落ち葉が舞い散る様子を思わせます。

ギロックは「子供向け作曲家のシューベルト」と称され、初心者でも演奏しやすいよう工夫されながら、豊かな感情表現を可能にした作曲家。

色彩豊かでありながらシンプルな音使いによって、深い叙情性とハーモニーを生み出しています。

秋の夜長にゆったりと聴いてみてはいかがでしょうか。

ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

夜空にぼんやりと浮かぶ月を表すような穏やかで美しいメロディが印象的な、クロード・ドビュッシーの名曲『月の光』。

ドビュッシーの初期の作品である『ベルガマスク組曲』のなかでももっとも有名であり、クラシックの演奏会のみならず、映画やCMなどにもたびたび起用されています。

神秘的な雰囲気の曲調は、静かな秋の夜長に聴くのにピッタリ!

演奏することで、独特の世界観を楽しみながら、芸術の秋を満喫するのもオススメですよ。

【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(11〜20)

ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2「月光」第1楽章Ludwig van Beethoven

『月光ソナタ』として広く知られている、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2』。

特に、深い悲しみを表すかのようにゆったりと進行していく第1楽章は、「美しいピアノ作品」として必ずといってよいほど名前が挙がる名曲です。

『月光ソナタ』の愛称は、ベートーヴェンの死後、音楽評論家がこの曲に対して述べた言葉からとられたもの。

作曲者本人が何をイメージしていたかは定かではありませんが、『月光』以上にこの曲にふさわしい言葉はないのではないでしょうか?

秋の夜に聴く曲としてもピッタリです。

赤とんぼ変奏曲三宅榛名

三宅 榛名:赤とんぼ変奏曲  pf. 杉浦 菜々子:Sugiura, Nanako
赤とんぼ変奏曲三宅榛名

秋の童謡唱歌として真っ先に思い浮べる方も多い、山田耕筰さんの『赤とんぼ』。

とんぼが舞う秋の空を連想させるメロディをテーマとして、作曲家兼ピアニストの三宅榛名さんが5つの変奏曲に仕上げたものが、この『赤とんぼ変奏曲』です。

素朴で懐かしいメロディに、原曲を重んじながらも大胆なアレンジが加えられているため、原曲に慣れ親しんでいる方も抵抗感なく新鮮な気持ちで聴けるでしょう。

『赤とんぼ』のメロディを目と耳で追いながら、実際に演奏してみるのもオススメです!

「四季」より 第3曲「秋」第1楽章Antonio Vivaldi

ピアノソロ版 ヴィヴァルディ『四季』より「秋」第1楽章
「四季」より 第3曲「秋」第1楽章Antonio Vivaldi

アントニオ・ヴィヴァルディが1725年に発表したヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み 作品8』。

全12曲からなり、そのうちの第1曲から第4曲が、有名な『四季』と名付けられています。

本作はその中の『秋』より第1楽章。

バロック音楽の特徴である活気に満ちたリズムと豊かな装飾が印象的です。

収穫祭の喜びや、農民たちの陽気なダンス、ワインによる酔いが音楽的に表現されており、ヴァイオリン協奏曲として聴くのもよいですが、ピアノ独奏で聴いても楽しめます。

ヴィヴァルディ自身が書いたとされるソネットに対応した「プログラム音楽」としても知られる本作。

秋の情景を色鮮やかに描写した音楽は、心地よい季節の移ろいを感じたい方にオススメです。

叙情小曲集より「十月の朝」William Gillock

アメリカの音楽教育者として知られるウィリアム・ギロック。

300以上の教育的ピアノ作品を手掛け、「子供の作曲家のシューベルト」と呼ばれるほど、メロディックな魅力にあふれた曲を生み出しました。

本作は、『叙情小曲集』に収録されている1曲、『十月の朝』。

秋の朝の静けさや冷たさを感じさせる表現が凝縮された、穏やかで優雅な曲調が特徴です。

自然の美しさや季節の移ろいを繊細に表現した本作は、まさに秋の朝に聴きたい1曲ですね。