【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック
秋といえば……そう、「芸術の秋」!
音楽好きの方なら、「食欲の秋」や「スポーツの秋」より、真っ先にこの言葉を思い浮べるのではないでしょうか?
秋は、演奏会や芸術祭が全国各地で開催されるなど、音楽を楽しむのにピッタリの季節です。
今回は、そんな秋に聴きたいクラシック作品の中から、美しいピアノ曲をピックアップしてご紹介いたします。
ご自宅で静かに鑑賞するもよし、弾いて楽しむもよし!
お好みのスタイルで、芸術の秋を美しいピアノ曲とともにお楽しみください。
【芸術の秋】珠玉のピアノ曲とともに|聴いて&弾いて楽しむクラシック(21〜40)
叙情小曲集より「十月の朝」William Gillock

アメリカの音楽教育者として知られるウィリアム・ギロック。
300以上の教育的ピアノ作品を手掛け、「子供の作曲家のシューベルト」と呼ばれるほど、メロディックな魅力にあふれた曲を生み出しました。
本作は、『叙情小曲集』に収録されている1曲、『十月の朝』。
秋の朝の静けさや冷たさを感じさせる表現が凝縮された、穏やかで優雅な曲調が特徴です。
自然の美しさや季節の移ろいを繊細に表現した本作は、まさに秋の朝に聴きたい1曲ですね。
ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

21曲もの美しいノクターンを残したフレデリック・ショパン。
ロマンチックな第2番や、映画『戦場のピアニスト』で話題となった第20番が有名ですが、哀愁漂う曲調の『第15番 ヘ短調 Op.55-1』も非常に美しく、芸術の秋にふさわしい作品の一つです。
やり切れない悲しさや苦しみを感じさせる楽曲ですが、最後の明るい響きのアルペジオで、一気に救われ心が軽くなるような感覚に陥ります。
ぜひ、静かな流れのなかでゆっくり変化していく曲調を楽しみながら聴いてみてください。
秋のワルツIsaac Albeniz

スペインの作曲家兼ピアニストであり、スペイン民族音楽の影響を受けた独特な世界観の作風で知られるイサーク・アルベニス。
『秋のワルツ』は1890年頃にピアノ独奏曲として作曲されましたが、木管五重奏などでもたびたび演奏されています。
胸を締め付けられるような切なさを感じるメロディが魅力的。
演奏される機会はそれほど多くありませんが、心穏やかに過ごしたい秋に最適な作品です。
この曲を聴きながら、少しだけセンチメンタルな気分に浸ってみてはいかがでしょうか。
練習曲作品25-11「木枯らし」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが1836年に作曲した『練習曲 作品25』。
その中の第11曲『木枯らし』は、秋の嵐を思わせる激しいアルペジオと重厚なメロディが特徴的です。
本作は高度な技巧を要する曲ですが、その中に繊細な感情表現も込められています。
冒頭に出てくる少し不吉さを感じさせる主題が、左手の力強い和音に変わり、そのうえを右手の速いパッセージが奏でるコントラストが印象的。
それはまるで、木々を吹き抜ける風を感じさせます。
静かな美しい曲だけでなく、自然の力強さや冷たい風を音楽で感じたい方にもオススメの1曲です。
組曲「ドリー」Op.56 第4 番 キティー・ヴァルスGabriel Fauré

フランス音楽が紡ぎ出す優美なワルツを、ピアノの鍵盤で奏でてみませんか。
1894年から1896年にかけて、幼い少女の誕生日を祝って書かれた6曲の組曲から、愛らしい家族の一員である犬を題材にした優雅な1曲です。
変ホ長調の軽快なリズムは、まるで可愛らしい犬が跳ねまわる様子を表現しているかのよう。
洗練された和声と繊細な旋律が織りなす約2分半の小品は、温かい家庭的な雰囲気に包まれています。
本作はピアノ連弾の楽しさを味わえる親しみやすい曲調で、ロマン派から印象派への橋渡しとなる優美な和声感は、フランス音楽の魅力を存分に味わえる一曲です。