昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ
あなたは昭和初期というと、いつくらいの時代をご想像されるでしょうか?
本特集では、戦前から戦後直後の昭和初期に絞って、その頃の流行歌や唱歌、童謡を中心に楽曲をセレクトしてみました。
できるだけ「昭和のレトロ感」的なものをお楽しみいただきたいと考え、リンクの音源動画資料もなるべく原曲のオリジナル音源を選ぶように心がけています。
レトロなモノラルの音質とともに昭和初期の春の空気をお伝えできれば幸いです。
あの時代を思い出しつつ、ぜひ、みなさん一緒に口ずさみながらお楽しみください!
昭和初期の春の歌。春を感じる歌謡曲や唱歌まとめ(41〜50)
うれしいひなまつり河村順子

春の訪れとともに色とりどりのぼんぼりや桃の花を飾るひな祭り。
そんな風物詩を歌い上げたのが、河村順子さんによる『うれしいひなまつり』です。
1936年に発表されて以来、日本中の家庭で親しまれてきたこの曲は、子供から大人まで誰もが口ずさむ名曲。
この歌を聴けば、にわかに春の気配を感じ、ほっと温かな気持ちになるでしょう。
サトウハチローさんによる歌詞は、家族の絆と優しい時間が交錯するひな祭りの風景を描いており、聴く人の心に沁み入ります。
アルバム『河村順子・童謡の歩みI』や『河村順子・童謡の歩みII』に収録されており、今聴いてもその郷愁を感じさせるメロディーは色褪せることがありません。
春が訪れるたびに耳にしたくなる、そんな1曲ですね。
梅と兵隊田端義夫

バタヤンという愛称で知られる、歌手でありギタリストの田端義夫さんが1941年に発表し、ヒットした昭和歌謡。
戦場で頑張る兵士が、家で自分の帰りを待っているであろう母親への思いを歌っています。
戦争時代のつらく強い思いが、梅の美しさとともに胸に迫り涙を誘うんですよね。
そして散りゆく花のように覚悟を決めている力強さに胸が熱くなります。
日本人が今ももつ、家族への深い愛情はもちろん、はかなさの美を追求する感性がふくよかにただよう1曲です。
赤い椿の港町霧島昇

戦前から戦後にかけて歌手、俳優として活躍した霧島昇さんの楽曲です。
本曲で昭和27年の『第2回NHK紅白歌合戦』に初出場してから、5度に渡り各年のヒット曲で出場を果たしています。
霧島昇さんの歌う初盤が制作されたのは昭和25年、それ以降さまざまな有名歌手によって歌い継がれてきました。
学生時代にテノール歌手を目指し声楽を本格的に学んだ霧島昇さんの発生のよい伸びやかな声と、哀愁漂う歌詞が印象的な一曲です。
さくら音頭小唄勝太郎、三島一聲、徳山環

盆踊りの定番曲でもあるこちらの『さくら音頭』は、老若男女を問わず多くの日本人が一度は耳にしたことのある有名な曲ですよね。
昭和9年に誕生したいわゆる流行歌であり、同名の映画の主題歌でもある『さくら音頭』ですが、実は映画も含めて複数のバージョンが存在しているのです。
4つの映画会社による競作として公開された『さくら音頭』は、それぞれの主題歌である『さくら音頭』をやはり4つのレコード会社が競作として発売したという経緯があり、作詞と作曲に歌唱もそれぞれ違う人が担当していますから、同じ『さくら音頭』でも実質的に別の楽曲となっているのですね。
最も有名なのが、前年の昭和8年に発表された『東京音頭』の手掛けた中山晋平さんによる作曲、作詞を佐伯孝夫さんが担当して小唄勝太郎さん、三島一声さん、徳山璉さん、小林千代子さんの4人が歌唱を務めたバージョンです。
景気の良い歌い出しを聞けば、思わず踊り出したくなってしまうはず!
東京ラプソディー藤山一郎

戦前の昭和歌謡を象徴する代表曲のひとつで、藤山一郎さんの艶やかな歌声によって1936年に発売されました。
タイトルにカタカナが含まれているところからも華々しく、モダンなイメージを感じますよね。
歌詞には「パラダイス」や「ジャズ」といった言葉も並び、銀座や神田、浅草、新宿といった東京を代表する繁華街も登場。
銀座のティールーム、ジャズの浅草など、ときめく都会を感じさせるふくよかな歌詞が楽しいので、当時の東京に思いをはせながら聴いてみてください!