フランクの名曲。人気のクラシック音楽
ドイツの前身であるプロイセン王国の時代に生まれた作曲家、エドゥアルト・フランクの楽曲の特集です。
自分の作品にストイックであったため作品の完成が遅く、一般的知名度が同年代に活躍した作曲家達より劣る面もありますが、それだけ深く練り上げられた楽曲は確かな評価を受け今に伝わっています。
フランクの名曲。人気のクラシック音楽(1〜10)
弦楽四重奏曲 ニ長調César Franck

最晩年に作られた唯一の弦楽四重奏曲。
4つの楽章から成るこの曲は、フランクの独特な「循環形式」を駆使しています。
冒頭の「アイデア・メール」が全楽章を通じて変奏され、統一感のある作品に仕上がっています。
第1楽章の繊細な動機、第2楽章の軽快さ、第3楽章の心に響くメロディ、そして第4楽章での前楽章のテーマの引用と新たな旋律の展開。
1890年4月19日、パリのサル・プレイエルで初演された際には、聴衆から喝采を浴びました。
フランクの音楽的探求と情熱が凝縮された本作は、深い内面性と複雑な構造を持つ名作として、今なお多くの人々に愛されています。
ピアノ三重奏曲第1番César Franck

フランクが初期に手掛けたピアノ三重奏曲。
1841年に作曲された本作は、全3楽章からなる室内楽曲です。
第1楽章は情熱的な主題で始まり、後の楽章でも再現される循環形式の萌芽が見られます。
第2楽章は軽快なスケルツォ風、第3楽章は壮大で力強い楽章。
フランクの若き才能と創造性が光る作品で、美しい旋律と巧みな構成が融合しています。
後の大作へのきっかけともいえる本作は、室内楽ファンにぜひ聴いていただきたい1曲です。
前奏曲、フーガと変奏曲César Franck

『前奏曲、フーガと変奏曲作品18』。
フランクは1860年にサント・クロチルド聖堂のオルガニストに就任、この作品は聖堂のオルガンを念頭に置いて書かれたとあります。
演奏はオルガニストのヴィンセント・デュボアさん。
フランクの名曲。人気のクラシック音楽(11〜20)
コラール第1番 ホ長調César Franck

フランクが最晩年に作曲したオルガン曲集『3つのコラール』の第1曲。
深い宗教的感情と内面的な表現が凝縮された本作は、自由な変奏曲形式で構成されています。
荘厳な主題から始まり、16分音符主体の第1変奏、堂々とした間奏、対位法的な第2変奏を経て、壮大なクライマックスへと至ります。
フランクの弟子であるヴァンサン・ダンディは「大バッハの傑作以外に比肩し得るものはない」と高く評価。
1890年に完成したこの曲は、フランクの音楽的遺産の中でもとくに重要な位置を占めており、多くのオルガニストに愛され続けています。
前奏曲、コラールとフーガCésar Franck

1884年に完成したこちらのピアノ独奏曲は、3つの部分が切れ目なく演奏される構成が特徴的。
前奏曲は幻想的で内省的な雰囲気を醸し出し、コラールは穏やかな旋律が複数の調で繰り返されます。
フーガでは半音階的に下降する主題から始まり、自由な変奏が行われます。
宗教的な内面性とロマン派音楽の情熱が見事に融合した本作。
ルキーノ・ヴィスコンティ監督の映画『熊座の淡き星影』でも使用され、さらに広く知られるようになりました。
深遠な内容と構成の妙から、多くのピアニストや聴衆に愛され続けています。
ピアノ三重奏曲第2番César Franck

フランクが19歳の頃に完成したピアノ三重奏曲。
伝統的な4楽章構成に基づきながら、フランクの独自性が垣間見える作品です。
穏やかで優雅なメロディが多く、感傷的な雰囲気も漂う一方で、劇的な要素は控えめ。
ピアノ部分が目立ちますが、弦楽器とのバランスも美しく、全体として洗練された印象を与えます。
1841年の作曲当時、パリ音楽院に通っていた若きフランクの情熱が溢れる本作。
クラシック音楽ファンに深い愛情をもって受け継がれる、隠れた名曲といえるでしょう。
ピアノ三重奏曲第4番César Franck

フランクの若き日の才能が垣間見える作品。
軽快なリズムと明るい旋律が特徴的な第3楽章は、舞曲的な要素が含まれ、聴く人を魅了します。
一方で第2楽章は抒情的なメロディが中心となり、内省的な雰囲気を醸し出しています。
19歳で作曲されたこの曲は、フランクの初期の創作活動を代表するものの一つ。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3つの楽器が織りなす豊かな音色と、若々しい情熱が感じられる本作は、クラシック音楽ファンの方にぜひ聴いていただきたい1曲です。