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広島の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ

広島県に伝わる民謡の特集です。

民謡はその土地に住む人たちの生活の営みから誕生し、今日まで受け継がれてきたものです。

特に広島県の民謡は本特集で調べてわかったことですが、他府県と比べると極めて多くの『音頭』と名の付く民謡が存在しており、盆踊りの映像などもたくさん見つけることができます。

きっと昔から広島県の人たちは地域伝承を歌や祭りで親しまれて楽しく歌い踊られてきたのかもしれません。

この記事では、広島県に昔から伝わる民謡をご紹介します。

民謡を聞きながら受け継がれている『音頭』というものに込められた意味を読み解いてもおもしろいですよね。

広島の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ(1〜10)

ヒロシマの有る国で

ヒロシマのあるくにで 合唱
ヒロシマの有る国で

世界平和、反戦を訴える楽曲です。

福島県喜多方市出身のシンガーソングライター山本さとしさんによる作品で、1983年に発表されました。

もしかしたら小学校、中学校の授業で歌った経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね。

「戦争による被害の大きかった広島県だからこそ、今世界で起こっている戦争の火種を消すのも我々だ」という強い意志が感じられる歌詞が印象的。

地球と人類の行く末を案じる、心をうがつメッセージソングです。

亥の子の歌

広島 「亥の子」の歌 わらべ歌
亥の子の歌

東日本ではあまりなじみがないですが、西日本ではいの子の日にイノシシにみたてたお餅を作って食べる風習があります。

12カ月を干支で表すと旧暦10月がいの月といわれ、現代では11月をさします。

同じようにひと月の日も干支で表し最初のいの日をいの子といい、無病息災を祈ったり、イノシシのように子宝に恵まれるよう子孫繁栄を願う行事がおこなわれます。

そもそもは古代中国の無病息災を祈るいのこ祝からきているそうですよ。

なんと平安時代に日本に伝わったとても古い習わしなんですね。

また子供たちが家の前で地面をついて回る遊びの時に歌う歌としても歌い継がれてきました。

比和牛供養田植

比和牛供養田植(作業田植)
比和牛供養田植

広島県の無形みんぞく文化財に指定されている比和町の『比和牛供養田植』。

比和町は古事記にも記されているくらい伝統や先人たちの知恵を多く受け継いでいる地域だそうです。

この行事も伝統行事としてはじめられたのも700年前にさかのぼるほどだそうです。

太鼓や歌のはやしに合せて共同で田植えをして、田植え祈禱を受けた数十頭の供養牛による勇そうあるしろかきや早乙女による掛け合い歌などとても華やかな行事です。

牛は農宝として大切に取り扱われているので、牛の霊に感謝する田植え儀式ともいわれています。

広島の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ(11〜20)

壬生の花田植

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壬生の花田植

民謡『壬生の花田植』は、この地には古くからはやしだという行事があり、集落全体が共同で行う田植え行事に由来します。

田植えをするときに竹の打楽器ササラを持った田の神さんばいの指揮で大太鼓や小太鼓、笛やてひらがねなどではやし、早乙女は田植えの唄を歌いながら田を植えたことに始まると言います。

次第に盛大に行われるようになり、田植えをする早乙女と言われる若い女性たちが、今日を晴れと着飾った様子から花田植えと呼ばれたそうです。

土佐のお座敷遊び

‘Bekuhai’, a unique play at a party in Kochi 高知のお座敷遊び『可杯(べくはい)』
土佐のお座敷遊び

お盆の上に乗せられたたくさんの裏がえしたさかずき。

一人ずつさかずきを表に向けるという『土佐のお座敷遊び』。

さかずきを表にかえした時に菊の花の入ったさかずきを当ててしまうと、それまでの表に向いたさかずきのぶんもお酒を飲まなくてはいけないという遊びです。

なんとこの『土佐のお座敷遊び』菊の花のメロディーが1983年に大ヒットした明石家さんまさんの『アミダばばあの唄』なんですよ。

手拍子にあわせて楽しい宴ですし、大人数になればなるほど飲むさかずきの量も増えますので盛り上がります。

ですが飲ませすぎ飲み過ぎには最善の注意を!

三原やっさ踊り

広島県三原市で毎年8月第2日曜日を含む金曜日・土曜日・日曜日の3日間、JR三原駅前を中心に行われる祭、三原やっさ祭り。

そこで踊られるのがやっさ踊りです。

足の踊りといわれ、動きのある踊りですが、きまった踊りの型はなく、事由におどってよい部分もあるそうです。

ユーモラスで明るい気持ちになれる踊りですね。

踊りの歴史は戦国武将の小早川隆景が三原城を築城したときに始まるそうで、ずいぶん古いです。

曲もにぎやかで、聴いているだけで楽しくなりますよね。

敦盛さん

「敦盛さん」 広島県民謡 cover 清紅
敦盛さん

広島県庄原市に伝わる民謡です。

平安時代の武将、平敦盛とその妻、玉織姫のこと歌っていて、若くして今生の別れとなった2人の悲しみが歌詞の中に投影されています。

歴史が好きな方にとっては1つ、平家物語をひも解くポイントになるかもしれませんね。

同市の無形民俗文化財であるこの曲は、敦盛と玉織姫の思いを乗せて、これからもずっと歌い継がれていくことでしょう。

ちなみに庄原市の春日という場所には、玉織姫のお墓があります。