広島の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ
広島県に伝わる民謡の特集です。
民謡はその土地に住む人たちの生活の営みから誕生し、今日まで受け継がれてきたものです。
特に広島県の民謡は本特集で調べてわかったことですが、他府県と比べると極めて多くの『音頭』と名の付く民謡が存在しており、盆踊りの映像などもたくさん見つけることができます。
きっと昔から広島県の人たちは地域伝承を歌や祭りで親しまれて楽しく歌い踊られてきたのかもしれません。
この記事では、広島県に昔から伝わる民謡をご紹介します。
民謡を聞きながら受け継がれている『音頭』というものに込められた意味を読み解いてもおもしろいですよね。
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広島の民謡・童謡・わらべうた。歌い継がれる故郷のこころ(1〜20)
米洗い唄

『米洗い唄』もまた労働歌のひとつで昔の酒造りがまだ機械化されていない時代に、米研ぎやもとすりといった作業時間の目安としてこの唄が使われていたそうです。
また他の作業でも同様に唄われるものもあるそうですよ。
労働歌って力強さを感じませんか?
というのもこの歌を唄うことで疲れ果てた身を奮い立たせたり、作業の正確性はもちろん効率化や眠気覚ましや危険防止に仲間意識の向上といった効果もあったそうです。
日本の受け継がれている伝統に触れると頭がさがりますよね。
アオギリのうた

広島県民であれば子供の頃に平和学習の一環で必ず歌ったであろう『アオギリのうた』。
この曲で歌われているアオギリは広島平和記念公園内に生育する、被ばくした樹木のことです。
この曲を作詞、作曲したのは広島ホームテレビのアナウンサー森光七彩さんで、なんと小学2年生の時に被ばくアオギリを勉強されたのがきっかけで作詞作曲されたそうです。
被ばくアオギリは原爆をあびてからも生き続け、2世の樹木も広島平和記念公園内に生を受け継いでいるそうです。
その被ばくアオギリにある大きくえぐられた幹を見た時の思いを書いたというだけあり、聴いていると平和な優しい歌ですが心に突き刺さり涙がでてくるほどです。
敦盛さん

広島県庄原市に伝わる民謡です。
平安時代の武将、平敦盛とその妻、玉織姫のこと歌っていて、若くして今生の別れとなった2人の悲しみが歌詞の中に投影されています。
歴史が好きな方にとっては1つ、平家物語をひも解くポイントになるかもしれませんね。
同市の無形民俗文化財であるこの曲は、敦盛と玉織姫の思いを乗せて、これからもずっと歌い継がれていくことでしょう。
ちなみに庄原市の春日という場所には、玉織姫のお墓があります。
土佐のお座敷遊び

お盆の上に乗せられたたくさんの裏がえしたさかずき。
一人ずつさかずきを表に向けるという『土佐のお座敷遊び』。
さかずきを表にかえした時に菊の花の入ったさかずきを当ててしまうと、それまでの表に向いたさかずきのぶんもお酒を飲まなくてはいけないという遊びです。
なんとこの『土佐のお座敷遊び』菊の花のメロディーが1983年に大ヒットした明石家さんまさんの『アミダばばあの唄』なんですよ。
手拍子にあわせて楽しい宴ですし、大人数になればなるほど飲むさかずきの量も増えますので盛り上がります。
ですが飲ませすぎ飲み過ぎには最善の注意を!
壬生の花田植

民謡『壬生の花田植』は、この地には古くからはやしだという行事があり、集落全体が共同で行う田植え行事に由来します。
田植えをするときに竹の打楽器ササラを持った田の神さんばいの指揮で大太鼓や小太鼓、笛やてひらがねなどではやし、早乙女は田植えの唄を歌いながら田を植えたことに始まると言います。
次第に盛大に行われるようになり、田植えをする早乙女と言われる若い女性たちが、今日を晴れと着飾った様子から花田植えと呼ばれたそうです。
比和牛供養田植

広島県の無形みんぞく文化財に指定されている比和町の『比和牛供養田植』。
比和町は古事記にも記されているくらい伝統や先人たちの知恵を多く受け継いでいる地域だそうです。
この行事も伝統行事としてはじめられたのも700年前にさかのぼるほどだそうです。
太鼓や歌のはやしに合せて共同で田植えをして、田植え祈禱を受けた数十頭の供養牛による勇そうあるしろかきや早乙女による掛け合い歌などとても華やかな行事です。
牛は農宝として大切に取り扱われているので、牛の霊に感謝する田植え儀式ともいわれています。