日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。
日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。
それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。
ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。
日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。
日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(1〜10)
序曲 ニ長調山田耕筰

日本の近代音楽を代表する作曲家の山田耕筰が手掛けた日本初の本格的なオーケストラ作品です。
1912年、ベルリン留学中に完成させたこの曲は、メンデルスゾーンやシューマンの影響を受けた古典的なソナタ形式で構成されています。
冒頭から弦楽器による明るく力強い主題が奏でられ、豊かな流れと変化をもたらす展開が特徴的です。
わずか3分半ほどの短い作品ですが、日本のクラシック音楽の発展において歴史的な意義を持ちます。
1915年5月に帝国劇場で初演されて以来、日本の音楽界に大きな影響を与え続けています。
クラシック音楽ファンはもちろん、日本の音楽史に興味がある方にもおすすめの一曲です。
イーハトーブ交響曲冨田勲

日本を代表する作曲家、冨田勲さんによる壮大な交響曲です。
宮沢賢治の幻想的な文学世界を音楽で表現した本作は、2012年11月に東京オペラシティで初演されました。
オーケストラや合唱団とともに、バーチャルシンガーの初音ミクをソリストに迎えた斬新なアプローチが話題を呼びました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興を願う象徴としても制作され、賢治が生涯をささげた東北の自然があふれる原風景と、人々への愛が込められています。
シンセサイザーと伝統的なオーケストラサウンドが融合した幻想的で壮大な音世界は、クラシック音楽と現代テクノロジーの融合に興味がある方におすすめです。
管弦楽のための木挽歌小山清茂

日本の美しい自然風景を思わせる温和な作風を得意とする作曲家・小山清茂さん。
小・中学校、高等学校の校歌を数多く作曲しました。
彼が1957年に制作した『管弦楽のための木挽歌』は、民謡をモチーフに制作された管弦楽曲です。
音楽劇『破れわらじ』を素材として描かれており、変奏曲の形をとりながら展開するメロディーが印象的。
西洋を起源とする木管楽器・金管楽器を使用していますが、どこか和を感じさせるサウンドに仕上がっています。
壮大で美しいオーケストラの演奏に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
シンフォニア・タプカーラ伊福部昭

伊福部昭さんは、日本の東宝が1954年に公開した特撮怪獣映画『ゴジラ』のテーマをてがけた作曲家であり、クラシックに詳しくない人でも知っているまさに日本を代表する作曲家です。
少年期に交流したアイヌへの共感とノスタルジーが動機となって作曲されました。
3楽章構成で重厚な響きから始まり、「タプカーラ」とはアイヌ語において「立って踊る」ということもあり、全体的に民俗的なメロディとともに厚い響きで踊るような躍動感がある楽曲となっています。
伊福部昭ファンにとっても人気の楽曲の一つです。
三つのジャポニズム(オーケストラ版)真島俊夫

原曲は吹奏楽作曲家の一人である真島俊夫さんがてがけた吹奏楽作品です。
東京佼成ウインドオーケストラからの委嘱を受けて2001年に制作された本作は、「鶴が舞う」「雪の川」「祭り」の3つの楽章で構成されています。
日本の伝統的な美意識を西洋の音楽技法で表現した本作は、東洋と西洋の融合を試みた意欲作となっています。
各楽章では、優雅な鶴の舞い、静寂な冬の風景、活気があふれる祭りの様子が繊細かつ力強く描かれており、日本の四季や文化を音楽で体感できる素晴らしい作品です。
クラシック音楽や吹奏楽に興味がある方はもちろん、日本の伝統文化に関心のある方にもおすすめの一曲です。