日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。
日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。
それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。
ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。
日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。
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日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(1〜10)
管弦楽のための木挽歌小山清茂

日本の美しい自然風景を思わせる温和な作風を得意とする作曲家・小山清茂さん。
小・中学校、高等学校の校歌を数多く作曲しました。
彼が1957年に制作した『管弦楽のための木挽歌』は、民謡をモチーフに制作された管弦楽曲です。
音楽劇『破れわらじ』を素材として描かれており、変奏曲の形をとりながら展開するメロディーが印象的。
西洋を起源とする木管楽器・金管楽器を使用していますが、どこか和を感じさせるサウンドに仕上がっています。
壮大で美しいオーケストラの演奏に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
シンフォニア・タプカーラ伊福部昭

伊福部昭さんは、日本の東宝が1954年に公開した特撮怪獣映画『ゴジラ』のテーマをてがけた作曲家であり、クラシックに詳しくない人でも知っているまさに日本を代表する作曲家です。
少年期に交流したアイヌへの共感とノスタルジーが動機となって作曲されました。
3楽章構成で重厚な響きから始まり、「タプカーラ」とはアイヌ語において「立って踊る」ということもあり、全体的に民俗的なメロディとともに厚い響きで踊るような躍動感がある楽曲となっています。
伊福部昭ファンにとっても人気の楽曲の一つです。
憾瀧廉太郎

『荒城の月』や『お正月』など、日本人であれば誰もが知っている童謡や歌曲を手掛け、日本の音楽史にその名を刻んだ瀧廉太郎さん。
23歳というあまりにも若い年齢でこの世を去ってしまった瀧さんの代表的な作品と言えば、冒頭で触れた歌曲が中心ですが、明治時代という日本における西洋音楽の黎明期の中でドイツ音楽に傾倒し、日本人音楽家として3人目となるヨーロッパ留学生としてドイツに留学した経験を持つ瀧さんは、日本人で初めてピアノ独奏曲『メヌエット』も作曲しています。
今回紹介する『憾』はそんな瀧さんによる貴重なピアノ曲であり、実質的な遺作となった作品。
美しくもどこか哀愁を帯びた旋律が特徴的なこちらの『憾』は、タイトルからも察せられるように自身の死期を悟った瀧さんのやるせない思いが込められていると言われています。
瀧さんが長生きしていたら、日本や世界の音楽の歴史はどうなっていたのか……そんなことを想像しながらこの作品を聴いてみるのもよいかもしれません。
日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(11〜20)
三つのジャポニズム(オーケストラ版)真島俊夫

原曲は吹奏楽作曲家の一人である真島俊夫さんがてがけた吹奏楽作品です。
東京佼成ウインドオーケストラからの委嘱を受けて2001年に制作された本作は、「鶴が舞う」「雪の川」「祭り」の3つの楽章で構成されています。
日本の伝統的な美意識を西洋の音楽技法で表現した本作は、東洋と西洋の融合を試みた意欲作となっています。
各楽章では、優雅な鶴の舞い、静寂な冬の風景、活気があふれる祭りの様子が繊細かつ力強く描かれており、日本の四季や文化を音楽で体感できる素晴らしい作品です。
クラシック音楽や吹奏楽に興味がある方はもちろん、日本の伝統文化に関心のある方にもおすすめの一曲です。
「朱鷺に寄せる哀歌」吉松隆

交響曲だけでなく映画音楽やポップスなど幅広いジャンルで活躍する作曲家、吉松隆さんが1977年から1980年にかけて作曲した管弦楽曲です。
1971年に捕獲された本州最後のトキである「能里」の死に触発されて作曲されたものと語られています。
トキの数が減って終わりが目前に迫っている様子を表現したような物悲しい雰囲気が全体をとおして伝わってきます。
トキに対しての追悼のように感じられるとともに、トキによる悲しみや叫びのようにも思える曲です。
童声合唱とオーケストラのための《響紋》三善晃

反戦をテーマにした楽曲です。
児童合唱とオーケストラが一体となり、わらべ歌「かごめかごめ」を題材に、戦争の記憶を呼び起こす意図が込められています。
1984年に初演され、尾高賞を受賞するなど高い評価を得ました。
豊かなオーケストラ編成と多彩な打楽器を駆使し、音響の立体感や独自の音楽語法を表現しています。
子どもたちの無垢な声と複雑なオーケストレーションが対照的に使われ、聴く人に「生と死」「純粋さと恐怖」というテーマを感覚的に体験させる作品です。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、日本の現代音楽に触れてみたい方にもおすすめですね。
かちどきと平和山田耕筰

日本で最初に書かれた交響曲、と言われているのがこちらの『かちどきと平和』です。
日本における西洋音楽の開拓者であり、偉大な作品を多く世に送り出した近代日本音楽史における偉大なる作曲家、山田耕筰さんが1912年に作曲、同じく山田さんの手による日本人初の管弦楽曲『序曲』に続いて書かれた管弦楽曲としても知られています。
10代で西洋音楽に触れて作曲もしていた山田さんが、1910年にドイツのベルリン王立芸術アカデミー作曲科に留学した際に作曲した作品であり、本場ドイツで西洋音楽のエッセンスを大いに学んだ若き日の山田さんの最初の成果と言えそうです。
いわゆる後期ロマン派の流れをくんだ作風であるのですが、第1楽章の冒頭で聴くことのできる旋律は『君が代』の旋律を引用したものと言われており、西洋音楽への憧れと日本人としてのアイデンティティが見事に結実した作品というのも興味深いですね。






