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日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽

クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。

日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。

それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。

ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。

日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。

もくじ

日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(1〜20)

序曲 ニ長調山田耕筰

山田耕筰「序曲 ニ長調」(1912)
序曲 ニ長調山田耕筰

日本の近代音楽を代表する作曲家の山田耕筰が手掛けた日本初の本格的なオーケストラ作品です。

1912年、ベルリン留学中に完成させたこの曲は、メンデルスゾーンやシューマンの影響を受けた古典的なソナタ形式で構成されています。

冒頭から弦楽器による明るく力強い主題が奏でられ、豊かな流れと変化をもたらす展開が特徴的です。

わずか3分半ほどの短い作品ですが、日本のクラシック音楽の発展において歴史的な意義を持ちます。

1915年5月に帝国劇場で初演されて以来、日本の音楽界に大きな影響を与え続けています。

クラシック音楽ファンはもちろん、日本の音楽史に興味がある方にもおすすめの一曲です。

日本狂詩曲伊福部昭

クラシック音楽にあまり詳しくないという方であれば、伊福部昭さんの名前は主に映画音楽で目にしているのではないでしょうか。

誰もが一度は耳にしたことのある『ゴジラ』の超有名なテーマ曲を始めとして、数え切れないほどの邦画の劇伴を手掛けた伊福部さんは、映画史においても欠かすことのできない存在ですよね。

とはいえ本稿の趣旨は「クラシック音楽の名曲」ですから、今回はほとんど独学で作曲を勉強したという伊福部さんによる管弦楽曲の名曲『日本狂詩曲』を紹介します。

1935年に書かれたこちらの作品は、伊福部さんによっても初めての管弦楽曲であり、ロシア出身の作曲家であるアレキサンドル・チェレプニンさんが主宰する賞で見事1位に輝き、世界デビューを果たすきっかけとなった記念すべき楽曲でもあるのですね。

当時21歳だった伊福部さんは、北海道庁の森林官として勤務しながら作曲したというのですから驚きです。

打楽器を全面に押し出したアンサンブルが放つ国や文化をこえた祝祭のような力強さと、日本的哀愁を帯びた旋律を聴いていると、何とも言えない郷愁にかられてしまいますね。

三つのジャポニズム(オーケストラ版)真島俊夫

真島俊夫/三つのジャポニズム(オーケストラ版) 倉敷管弦楽団
三つのジャポニズム(オーケストラ版)真島俊夫

原曲は吹奏楽作曲家の一人である真島俊夫さんがてがけた吹奏楽作品です。

東京佼成ウインドオーケストラからの委嘱を受けて2001年に制作された本作は、「鶴が舞う」「雪の川」「祭り」の3つの楽章で構成されています。

日本の伝統的な美意識を西洋の音楽技法で表現した本作は、東洋と西洋の融合を試みた意欲作となっています。

各楽章では、優雅な鶴の舞い、静寂な冬の風景、活気があふれる祭りの様子が繊細かつ力強く描かれており、日本の四季や文化を音楽で体感できる素晴らしい作品です。

クラシック音楽や吹奏楽に興味がある方はもちろん、日本の伝統文化に関心のある方にもおすすめの一曲です。

童声合唱とオーケストラのための《響紋》三善晃

Miyoshi: Kyô-mon for Childrenʼs Chorus and Orchestra(1984) / Kazuki YAMADA / TMSO
童声合唱とオーケストラのための《響紋》三善晃

反戦をテーマにした楽曲です。

児童合唱とオーケストラが一体となり、わらべ歌「かごめかごめ」を題材に、戦争の記憶を呼び起こす意図が込められています。

1984年に初演され、尾高賞を受賞するなど高い評価を得ました。

豊かなオーケストラ編成と多彩な打楽器を駆使し、音響の立体感や独自の音楽語法を表現しています。

子どもたちの無垢な声と複雑なオーケストレーションが対照的に使われ、聴く人に「生と死」「純粋さと恐怖」というテーマを感覚的に体験させる作品です。

クラシック音楽に興味のある方はもちろん、日本の現代音楽に触れてみたい方にもおすすめですね。

管弦楽のための木挽歌小山清茂

外山/読響:小山清茂:管弦楽のための木挽唄
管弦楽のための木挽歌小山清茂

日本の美しい自然風景を思わせる温和な作風を得意とする作曲家・小山清茂さん。

小・中学校、高等学校の校歌を数多く作曲しました。

彼が1957年に制作した『管弦楽のための木挽歌』は、民謡をモチーフに制作された管弦楽曲です。

音楽劇『破れわらじ』を素材として描かれており、変奏曲の形をとりながら展開するメロディーが印象的。

西洋を起源とする木管楽器・金管楽器を使用していますが、どこか和を感じさせるサウンドに仕上がっています。

壮大で美しいオーケストラの演奏に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?