日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。
日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。
それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。
ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。
日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。
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もくじ
- 日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
- ノヴェンバー・ステップス武満徹
- SF交響ファンタジー第1番伊福部昭
- ピアノ協奏曲矢代秋雄
- 管弦楽のためのラプソディ外山雄三
- イーハトーブ交響曲冨田勲
- 序曲 ニ長調山田耕筰
- 日本狂詩曲伊福部昭
- 三つのジャポニズム(オーケストラ版)真島俊夫
- 童声合唱とオーケストラのための《響紋》三善晃
- 管弦楽のための木挽歌小山清茂
- シンフォニア・タプカーラ伊福部昭
- 舞楽黛敏郎
- 憾瀧廉太郎
- 風紋保科洋
- サイバーバード協奏曲吉松隆
- 大阪俗謡による幻想曲大栗裕
- かちどきと平和山田耕筰
- 「朱鷺に寄せる哀歌」吉松隆
- 交響管弦楽のための音楽芥川也寸志
- 内触覚的宇宙湯浅譲二
- 軍艦行進曲瀬戸口藤吉
- ピアノ協奏曲第3番『神風』大澤壽人
- 幻想曲さくらさくら平井康三郎
- ホルン協奏曲「開花の時」細川俊夫
- EARTH村松崇継
- 富士山多田武彦
- 左方の舞と右方の舞早坂文雄
- バレエ音楽「生命の律動」須賀田礒太郎
- 交響詩「曼荼羅の華」山田耕筰
- パロディ的な4楽章深井史郎
- 新・祝典行進曲團伊玖磨
- 「饗宴」黛敏郎
- チェロ協奏曲尾高尚忠
- ゲッセマネの夜に松村禎三
- 交響曲第1番安部幸明
- おほむたから 作品20山田一雄
- 交響曲第5番「シンプレックス」池辺晋一郎
- 交響曲第1番橋本國彦
- ピアノ協奏曲三善晃
- 交響曲第1番別宮貞雄
- 混声合唱のための「レクイエム」千原英喜
- 交響曲第3番諸井三郎
- 交響曲第5番「ヒロシマ」より「悲歌」大木正夫
- ピアノとオーケストラのための主題と変奏松平頼則
- ヴァイオリン協奏曲大栗裕
日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(21〜40)
軍艦行進曲瀬戸口藤吉

思わず背筋が伸びてしまう勇壮なメロディが特徴的な『軍艦行進曲』または行進曲『軍艦』は、一般的には『軍艦マーチ』として親しまれている名曲です!
日本国内においては、アメリカの『星条旗よ永遠なれ』やドイツの『旧友』と並んで「世界三大行進曲」と呼ばれることもあるのだとか。
海上自衛隊の儀礼曲でもあり、昭和世代にとってはパチンコ店のBGMとして記憶している方々も多いのではないでしょうか。
一般的な軍歌という枠内をこえて国民的な楽曲と言えそうな『軍艦行進曲』の作曲を手掛けたのは、明治時代に海軍軍楽師を務めた瀬戸口藤吉さん。
戦前の愛唱歌として知られる『愛国行進曲』なども手掛けた瀬戸口さんは、「日本行進曲の父」と言われるほどの存在なのですね。
もともとは1893年に鳥山啓さんによる詞が先に作られており、その後瀬戸口さんが新たに作曲して1900年に生まれたのが『軍艦行進曲』です。
実は楽曲の中間部では『海行かば』という戦前の国民歌謡が盛り込まれているのですが、皆さんはご存じでしたか?
ピアノ協奏曲第3番『神風』大澤壽人

主に1930年代から1950年代にかけて活躍した名作曲家、大澤壽人さんが1938年に作曲したピアノ協奏曲『ピアノ協奏曲第3番変イ長調』は『神風協奏曲』という副題を持つ作品ですが、1937年に東京からロンドンまでの100時間を切る記録飛行に成功したという朝日新聞社の航空機「神風号」が由来とされています。
現在では日本人作曲家による独創的な作品として評価されていますが、当時は先鋭的な作風だったせいか評価は芳しいものではなく、再演が実現したのは初演からなんと65年ぶりとなる2003年のことなのですね。
1930年代という時代を考えても非常にモダンな作風であり、ジャズの影響やルーツと言える日本音階の導入の試みなど、このような作曲家が歴史に埋もれていたという事実にクラシック音楽ファンでならずとも複雑な心境を抱いてしまいますよね。
大澤さんはボストン交響楽団で日本人として初めて指揮を担った存在でもあり、もしも彼が正当に評価されて長生きもしていたら……と残念に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
幻想曲さくらさくら平井康三郎

日本の伝統音楽を現代に蘇らせたピアノ独奏曲をご紹介します。
本作は、古くから親しまれている旋律を基に、日本の作曲家平井康三郎さんがピアノソロでも楽しめる幻想曲として生まれ変わりました。
冒頭の穏やかな序奏から始まり、中盤では太鼓のようなリズムが加わり、祭りの賑わいを感じさせます。
そして最後は、静かに幕を閉じます。
日本の春の情景が音楽で描かれているかのようですね。
日本の伝統音楽に興味がある方や、日本発のクラシック音楽を楽しみたい方におすすめです。
ぜひ一度耳を傾けてみてください。
ホルン協奏曲「開花の時」細川俊夫

クラシック音楽と言われると、ずっと古い時代に作られたものというイメージしか浮かばないという方も多いでしょう。
今回紹介する『ホルン協奏曲』は、2010年に日本の現代音楽家である細川俊夫さんが作曲した、2010年代に生まれたクラシック音楽作品です。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、バービカン・センターとコンセルトヘボウ管弦楽団の共同依属による作品であり、2011年の2月の初演では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏が行われました。
余談ですが、細川さんは1982年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団創立百周年を記念する作曲コンクールにて優勝しており、その際に優勝者に与えられるはずだった完全新作の委嘱作品作曲の仕事が諸事情によって流れてしまったというエピソードがあり、そういった経緯を踏まえて生まれた作品と考えると細川さんの本作に対する思い入れはとても強そうですよね。
EARTH村松崇継

フルートとピアノのデュオで奏でられるこの曲は、地球環境や自然の美しさをテーマにした壮大な作品です。
フルートの柔らかな旋律とピアノの豊かな響きが絶妙に絡み合い、まるで大自然の中を巡る旅をしているような感覚を与えてくれます。
曲の構成は静かな導入から始まり、次第にドラマティックな展開を迎え、最後は穏やかな終息へと向かいます。
この抑揚のある展開が、楽曲に深い感情表現をもたらし、聴く人の心を惹きつけます。
自然や地球への想いを音楽で感じたい方、フルートの魅力を堪能したい方におすすめの一曲です。