サイケデリック音楽は、1960年代のカウンターカルチャーから生まれた革新的な音楽ジャンルです。
電子音響やエフェクト、幻想的なサウンドスケープを特徴とし、時代を超えて音楽シーンに大きな影響を与え続けています。
本記事では、さまざまなジャンルに派生している「サイケ」の中でも特にサイケデリックロックを中心とする名盤の中から、特に音楽史に大きな影響を与えた作品をご紹介します。
これらのアルバムは、現代のオルタナティブロックやプログレッシブロックにも大きな影響を与えた、まさに音楽の革新的な転換点と言えるでしょう。
2010年代以降にリリースされた重要盤もいくつか紹介していますから、近年のサイケに興味がある方もぜひ!
サイケデリックの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム【2025】(1〜10)
Tomorrow Never KnowsThe Beatles

20世紀を代表するイギリスのロックバンド、ビートルズが1966年に放った革命的な7枚目のアルバムです。
ライブ活動を休止し、スタジオを創造の実験室へと変えた彼らのサウンドはまさに圧巻!
テープの逆再生やインド音楽、斬新なエフェクトを大胆に取り入れ、後のサイケデリックロックの扉をこじ開けた金字塔として知られています。
グラミー賞に輝いたクラウス・フォアマンさん作のジャケットも、その独創性を物語っていますよね。
音楽の常識が覆る瞬間に立ち会いたい、そんな探求心あふれる方にこそ聴いてほしい歴史的名盤。
この衝撃はきっと忘れられない体験になることでしょう。
Astronomy DominéPink Floyd

イギリスのロックバンド、ピンク・フロイドの原点にして、サイケデリック・ロック史に燦然と輝く金字塔が、1967年リリースのデビュー作『The Piper at the Gates of Dawn』です。
創設者シド・バレットさんの天才性が爆発した唯一のスタジオ作品として知られています。
当時、アビー・ロードの隣のスタジオではビートルズが録音していたという逸話も有名ですよね。
テープループやエコーを駆使した実験的なサウンドは、聴く者を幻想的な音の迷宮へと誘います。
この唯一無二の世界観が、後のプログレッシブ・ロックの扉を開いたのだとか。
ロックの歴史が大きく動いた瞬間を追体験できる、まさに魔法のような一枚です。
The EndThe Doors

サイケデリック・ロックの扉をこじ開けた衝撃作!
アメリカのバンド、ザ・ドアーズが1967年に放ったセルフタイトルのデビューアルバムです。
ボーカルのジム・モリソンさんが紡ぐ詩的な世界観と、レイ・マンザレクさんの幻惑的なオルガンサウンドは、当時の音楽シーンに大きなインパクトを与えました。
ブルースやジャズを飲み込んだその実験的な音楽性は、今聴いても全く色褪せることがありません。
実はこの歴史的名盤、わずか6日間で録音されたのだそうです。
ロックの殿堂入りも果たした本作に身を委ねれば、60年代カウンターカルチャーの熱気と、音楽が新たな次元へ向かう瞬間の興奮に包まれることでしょう。
Sunshine of Your LoveCream

「最初のスーパーバンド」クリームの名を世に知らしめることとなった『Disraeli Gears』は、1967年にリリースされた2枚目のアルバムです。
ブルースロックからサイケデリックへと大胆に舵を切った本作は、専門家たちから「驚異的な一撃」と絶賛されたのだそうです。
グラミー・ホール・オブ・フェイムにも選出されたこの名盤は、歪んだギターと幻想的なベースラインが渦を巻く、まさに圧巻のサウンド。
60年代カウンターカルチャーの熱気が詰まった音の万華鏡に身を任せれば、ロックが新たな扉を開いた瞬間の興奮が鮮やかによみがえってくることでしょう。
You Set The SceneLove

アメリカのロックバンド、ラヴが1967年に発表した3枚目のアルバムです。
サイケデリック全盛の時代に、あえてフォークロックやバロック・ポップへ回帰した作風ということもあり、発売当初は評価が控えめだったのをご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、アコースティックギターの響きに、弦楽器やホーンが幻想的に重なるサウンドは唯一無二。
その美しいメロディとは裏腹に、社会への幻滅や死生観といった内省的なテーマが描かれ、その深いコントラストが聴く者を魅了します。
時代を経て再評価が進み、今では音楽史に輝く傑作として、多くのアーティストに影響を与え続けている大名盤です。
You’re Gonna Miss MeThe 13th Floor Elevators

1966年にリリースされたアメリカのバンド、13フロア・エレベーターズのデビューアルバムです。
「サイケデリック」という言葉を世界で初めてタイトルに冠し、ジャンルの扉を開いた歴史的な一枚として知られています。
ボーカルのロッキー・エリクソンさんの狂気的なシャウトと、電気ジャグが作り出す独特の浮遊感が一体となり、聴く者を異次元へと誘うかのよう。
LSDの影響下で録音したという逸話も、この作品の伝説性を物語っているのかもしれませんね。
後のオルタナティブ・ロックシーンに多大な影響を与え、今なおカルト的な支持を集めるこのアルバムを聴けば、音楽史が動いた瞬間の熱気を感じられることでしょう。
Colours To LifeTemples

イギリス出身のバンド、テンプルズのデビュー作で、Rough Trade Shopsの「アルバム・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた記念碑的な一枚です。
60年代サイケデリアへの深い愛情を、驚くほど細やかに再現したサウンドは、あのノエル・ギャラガーさんが「英国最高の新人バンド」と絶賛したことでも大きな話題となりました。
自宅スタジオで作り上げたとは思えない、万華鏡のようにきらびやかな音の世界が広がっていますね。
収録曲は映画や人気ゲームにも採用されたので、どこかで聴いたメロディーが記憶に残っている方も多いのでは?
古き良きサイケの香りと現代的なセンスが融合した、まさにセンスの塊と呼べる中毒性のある名盤です。