心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ
悠久のときをこえて、日本の伝統楽器「尺八」が奏でる深い調べは、私たちの心に静寂と安らぎをもたらしてくれます。
古くから伝わる尺八曲には、自然の息吹や人々の思いが込められており、その音色は現代を生きる私たちの心も揺さぶります。
この記事では、心に響く尺八の名曲を集めました。
先人が紡いだ作品から、古典の響きと現代のエッセンスが調和した作品まで、幅広く選定しています。
和の心に触れたい方、日本の伝統音楽に興味をお持ちの方は、ぜひゆっくりとお楽しみください。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(1〜10)
手向尺八古典本曲

静寂のなかから立ち上る一息に、心が洗われるような感覚を覚える尺八古典本曲。
亡き人を慰める慈愛と神仏への祈りが、音色そのものに宿っているといわれています。
この楽曲は、横山勝也さんの名盤『竹韻~横山勝也・尺八の世界』に収録されており、アルバムは2021年3月に配信という形で触れることができるようになりました。
慌ただしい日常から離れ、心を鎮めて深く自分と向き合いたいときに最適な1曲。
音と音との間に広がる「間」の美しさに、静かに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
箏・尺八二重奏曲「壱越」山本邦山

人間国宝にも認定された尺八奏者の山本邦山さん。
彼が作曲したこの箏と尺八のための二重奏曲は、日本の伝統音階「壱越調」を基盤に、急—緩—急から成る3楽章で構成されたています。
尺八が紡ぐりんとした旋律を箏が優しく支え、ときに緊張感を伴って対話するさまは、まるで静かな水面に広がる波紋のよう。
日本の伝統美と現代的な感性が織りなす音の世界に深くひたりたい方は、この美しい調べに耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
都山流本曲「木枯」初代中尾都山

都山流本曲の一つです。
初代中尾都山さんが大正12年11月に作曲した本作は、関東大震災後の灰と化した東京のもの悲しさ、厳しさを木枯しに例えたとされています。
もみ手や回しユリを利用し、一陣の風が通り抜けていくかのような荒々しさと高音の緊張感、虚無感をあらわしている点は、見事としかいいようのないもの。
西洋的な音楽表現と東洋の本曲的要素が組み合わさった名曲です。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(11〜20)
都山流本曲「八千代」初代中尾都山

2本の尺八が対話するように旋律を奏で、荘厳で華やかな世界を創り出す祝賀の調べ。
1896年の創立から10周年を迎えた都山流を祝し、創始者の初代中尾都山さんが手掛けた作品です。
伝統的な「和」の音色に、西洋音楽の対位法的な掛け合いを取り入れた構成は、聴く人の心をひきつけます。
この楽曲は1916年頃に作られたもので、尺八音楽に合奏という新風を吹き込んだ初代中尾都山さんの革新性を感じられます。
お祝いの席はもちろん、気持ちを新たにしたい特別な日に聴いてみてはいかがでしょうか?
千鳥の曲吉沢検校

冬の海辺に響く千鳥の鳴き声と打ち寄せる波の情景をテーマに、幕末期に箏と胡弓のために作られた作品です。
古今和歌集の和歌を基にした歌詞が、友を呼ぶ千鳥の姿と重なり、聴く者の心に深い旅情や郷愁を呼び起こします。
本作は和歌を基にした楽曲群『古今組』の1曲で、もとは胡弓と箏の合奏曲でしたが、現在では尺八を加えた編成も広く親しまれています。
日露戦争の前夜、海戦に向かう艦上で提督が尺八で奏でたという逸話もある本作。
歴史の情景に思いをはせながら、その美しい調べに心をゆだねてみてはいかがでしょうか。
尺八二重奏曲 竹山本邦山

人間国宝としても知られる尺八奏者、山本邦山さん。
彼が若き日に作曲し、作曲家としての才能を世に知らしめたのが、2本の尺八で奏でられる3楽章構成の本作です。
『孟宗竹』『若竹』『布袋竹』と名付けられた各章では、2つの音色が対話しながら重なり合い、風にそよぐ竹林の情景や、天へ伸びる生命の力強さが見事に描かれています。
本作は1962年7月の邦楽コンクールで第1位を受賞した作品で、のちにアルバム『山本邦山作品集成(八)』や、愛弟子による名盤『山本邦山作品集 讃 -SAN-』にも収録されました。
詩曲二番松村禎三

幼少期から邦楽器に親しんできた日本人作曲家、松村禎三さん。
彼が尺八独奏のために作曲したこの楽曲は、深い精神性を感じさせる作品です。
息をのむような静寂と、内から湧き上がる激しいエネルギーが交錯し、聴く者の心を揺さぶります。
1972年11月に初演された本作は、1996年発売の名盤『詩曲/松村禎三 作品選集 II』にも収録されています。
日常の喧騒を忘れ、静かに自分と向き合いたい夜にピッタリの1曲。
邦楽の伝統と現代的な感性が融合した唯一無二の調べに、じっくりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。


