心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ
悠久のときをこえて、日本の伝統楽器「尺八」が奏でる深い調べは、私たちの心に静寂と安らぎをもたらしてくれます。
古くから伝わる尺八曲には、自然の息吹や人々の思いが込められており、その音色は現代を生きる私たちの心も揺さぶります。
この記事では、心に響く尺八の名曲を集めました。
先人が紡いだ作品から、古典の響きと現代のエッセンスが調和した作品まで、幅広く選定しています。
和の心に触れたい方、日本の伝統音楽に興味をお持ちの方は、ぜひゆっくりとお楽しみください。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(31〜40)
流し鈴慕

尺八古典本曲の1つです。
根笹派錦風(ネザサハキンプウ)流の本曲。
鈴慕の一種。
托鉢行脚などで吹かれていました。
根笹派の特有の吹奏法・コミ吹きで吹かれます。
高音の部分が特徴的で、さながら普化禅師の振る鐸の音のようであり、嫋嫋と悲哀が漂う様子がとれます。
琴三虚霊

尺八古典本曲の虚鈴(キョレイ)の1つです。
琴古流(キンコ)の本曲でもあります。
もともとは三味線虚霊や勤讃虚霊、金紗と呼ばれていたが、鈴法寺の住職・勇虎と一月寺の住職・泰嚴が立会いのもと黒沢琴古が琴三虚霊の字に名を改めたようです。
目黒獅子

琴古流の本曲、獅子物の一種。
裏組十八曲の一曲です。
一月寺の末寺で武州神奈川 青木山西向寺(現在の横浜)の門弟・露秋子より伝来し、その時、初代黒沢琴古が露秋子に請われて代わりに京鈴慕を伝授したと琴古手帳に記されてます。
鈴慕流

奥州系の尺八古典本曲。
琴古(キンコ)流、明暗真法(ミョウアンシンポウ)流、明暗対山(ミョウアンタイザン)、錦風(キンプウ)流、西園(セイエン)流の本曲です。
伝説では、吉原の遊郭で虚無僧がこの曲を吹いたところ心中が続出し、それ以来、遊郭での吹奏を禁じた、といわれてます。
雲井獅子

尺八古典本曲、獅子物の一種です。
雲井之曲(クモイノキョク)とも云われ、九州地方、とくに博多の一朝軒で盛んに吹かれていました。
琴古流の雲井獅子は3種類あり、①初代琴古が目黒獅子から雲井調へ移調した曲と言い伝えられるもの。
②同流竹友社の一朝軒雲井獅子は初代川瀬順輔が博多一朝軒に伝来していた曲を琴古流へ移入したもの。
そして、③栄獅子を初代琴古が雲井調に移した雲井獅子(雲井栄獅子、双調獅子)です。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(41〜50)
厂音柱の曲

琴古流(キンコ)の本曲です。
葦の調(アシノシラベ)と同様に砧巣籠(キヌタスゴモリ)の前吹き用の曲でもあります。
三世琴古の弟子、久松風陽(ヒサマツフウヨウ)の作と伝えられています。
詳細はあまりわかっていないです。
峰の月

都山流本曲の1つです。
初代中尾都山が昭和21年夏頃に作曲したとされてます。
山のみねという漢字には「峰・峯・嶺」の3通りの字があるが、峰以外の字で月を見ると随分と意味が代わってきます。
峯は、山の中天に月が昇った様子を、嶺は、自分自身が山から月を見ている様子になります。
峰の場合は、山の端に月が昇りかけている様子といった感じになります。
楽曲は、はじめ宵の薄ぼんやりとした暗いとも明るいともつかない情景を現し、次いで月が昇ってきた安心感を現しています。
高音はそよ風になびく木々のざわめきや虫の音を時に強く、時に弱く表現しています。





