心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ
悠久のときをこえて、日本の伝統楽器「尺八」が奏でる深い調べは、私たちの心に静寂と安らぎをもたらしてくれます。
古くから伝わる尺八曲には、自然の息吹や人々の思いが込められており、その音色は現代を生きる私たちの心も揺さぶります。
この記事では、心に響く尺八の名曲を集めました。
先人が紡いだ作品から、古典の響きと現代のエッセンスが調和した作品まで、幅広く選定しています。
和の心に触れたい方、日本の伝統音楽に興味をお持ちの方は、ぜひゆっくりとお楽しみください。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(21〜30)
葦草鈴慕

琴古流本曲の1つで、琴古(キンコ)流と呼ばれています。
伊豆鈴慕とともに鈴法寺二十六世嘯山勇虎尊師からの伝来と記されています。
曲名の由来は、天文元年(1532年)~慶長18年(1613年)までの間、鈴法寺が武蔵国川越の葦草村にあったことから葦草鈴慕と呼ばれてます。
霧海箎鈴慕

尺八古典本曲の虚鈴(キョレイ)・虚空(コクウ)と並ぶ根源曲・三虚霊の一曲です。
虚霊山明暗寺開基の虚竹禅師(寄竹)が夢の中で得た曲との伝説が2説あり、どちらがただしいとかは分かっていません。
琴古流の霧海箎鈴慕の曙調子・雲井調子は、三谷菅垣を参考に初代黒澤琴古が移曲したといわれてます。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(31〜40)
曙調

尺八古典本曲、あるいは調子としての名称で江戸中期ごろから用いられる尺八五調子のなかの曙調子にあたるということで、この名があります。
曲名としては「アケボノノシラベ」と詠み、調子としては「アケボノチョウ」と詠むのが正しいとのことです。
曙調子の旧調子名は、一越調子になります。
琴古流(キンコ)の本曲の場合は2種類あり、一つは吉田一調譜に記述されている伝承が途絶えてしまったもの(曙調。
黄鐘調)と荒木竹翁(2代目古童)が一二三鉢返から移調したもの(「竹翁入れこの手」と呼ばれる旋律の追加は曙調では省かれている)。
三浦琴童の琴古流尺八本曲楽譜によれば現在もっぱら演奏されるのは、一二三鉢返調の曲の重奏用移調曲です。
一二三鉢返調

琴古流本曲の1つで、琴古(キンコ)流と呼ばれています。
前吹き用の曲で乙音(低音)ばかりで構成されている曲で、最初に調子を合わせる・練習するという意味もあるようです。
古い琴古流や一閑流(イッカンリュウ)では、独立した曲として吹かれることもあったが今日ではほぼ忘れられています。
布袋軒三谷

尺八古典本曲の1つで、三谷の一種。
奥州(現 宮城県県)にあった虚無僧寺・布袋軒に伝わった三谷。
妊婦にこの曲を聴かせると産後が安定するということから、別名に産安乃曲(サンヤスノキョク、サンアンノキョク)、奥州産安(オウシュウサンアン、オウシュウサンヤス)とも呼ばれています。
伝承によってかなり曲のフレーズが異なり、特に東学伝のものはかなり異なるようです。
打替虚霊

尺八古典本曲、虚霊の一種です。
琴古流の本曲。
琴古手帖の当流尺八曲目によると下総国船橋(現在の千葉県船橋市)の清山寺の御本則・川原丹蔵より伝来したと書かれており、さらにもっとも尺八吹合所で吹かれていたと書かれています。
真虚霊の打ち替えの手を取り入れたものがこの打替虚霊がはじめとされています。
松巌軒鈴慕

尺八古典本曲、奥州系の鈴慕の1つです。
根笹派錦風流の別伝、鈴慕の一種です。
伝承系統によって若干の曲相と名称が異なります。
小野寺源吉(オノデラゲンキチ、1854年~1928年)は、宮城県出身の尺八の名人で金成寺の虚無僧として托鉢行脚をしている時に弘前市の根笹派錦風流・乳井月影(ニュウイゲツエイ)と交流を持ったことから、小野寺源吉は、当地で錦風流を学び、そのかわりにこの鈴慕と巣籠りを錦風流に伝えたといわれています。





