心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ
悠久のときをこえて、日本の伝統楽器「尺八」が奏でる深い調べは、私たちの心に静寂と安らぎをもたらしてくれます。
古くから伝わる尺八曲には、自然の息吹や人々の思いが込められており、その音色は現代を生きる私たちの心も揺さぶります。
この記事では、心に響く尺八の名曲を集めました。
先人が紡いだ作品から、古典の響きと現代のエッセンスが調和した作品まで、幅広く選定しています。
和の心に触れたい方、日本の伝統音楽に興味をお持ちの方は、ぜひゆっくりとお楽しみください。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(11〜20)
ノヴェンバー・ステップス 第十段武満徹

日本の現代音楽を世界に知らしめた、武満徹さんによる画期的な作品です。
西洋のオーケストラと日本の伝統楽器を融合させるのではなく、あえて対峙させることで、それぞれの音の持つ異質な美しさが際立ちます。
武満さんが「垂直に樹のように起る」と表現した尺八の音色は、まるで静寂のなかにすっくと立つ1本の竹のような、孤高の精神性を感じさせます。
この楽曲は1967年11月、ニューヨーク・フィルハーモニックの委嘱作品として初演され、1970年の万国博覧会でも演奏されました。
旅人の唄福田蘭童

どこかもの悲しく、郷愁を誘う尺八の音色が心に深く響く名曲です。
この曲を手掛けたのは、伝統的な邦楽に洋楽のエッセンスを取り入れた作曲家、福田蘭童さんです。
民謡を思わせる親しみやすい旋律のなかに、故郷を離れて旅を続ける人の心に宿る哀愁や、望郷の念が切々と描き出されています。
この楽曲は名盤『福田蘭童尺八名曲選』に収録されているほか、2016年8月には新たな解釈で演奏されたミニアルバム『尺八独奏曲集』にも収められました。
一人静かに物思いにふけりたいときや、故郷に思いをはせたいときに聴くと、心にじんわりと染み渡るのではないでしょうか。
篝火野村正峰

揺らめく炎を思わせる幻想的な調べが、未来への希望を感じさせる邦楽の名曲です。
古典を重んじながら、現代的な感性で新作を次々と生み出した箏曲家、野村正峰さんが手がけた作品の一つ。
1970年の大阪万国博覧会を祝して作られたこの楽曲は、当初は横笛のために書かれ、のちに尺八と箏が加わる編成へと発展しました。
尺八と箏が織りなす緻密なアンサンブルが、静寂の中に燃え立つ炎の揺らめきと、未来への祈りをドラマティックに展開させていく本作。
和楽器が紡ぐ幻想的な世界にひたりたい夜に、じっくり味わってみてはいかがでしょうか?
胡笳の歌野村正峰

野村正峰さんによって作られた本作は、主人公のやるせない気持ちや望郷の念が、尺八のむせび泣くような音色と二面の箏が対話するように織りなす調べによって、壮大な情景画のように展開されていきます。
この楽曲は1975年に作られ、1985年に公開されたLP『野村正峰の世界 第9集』をへて、2002年3月には名盤『胡笳の歌/野村正峰作品集 第三集』に新録音で収められました。
悠久のときに思いをはせ、心を静かに満たしたい方にピッタリな1曲。
日本の伝統が紡ぐ物語に、じっくりと耳を澄ませてみてはいかがでしょうか?
鶴之巣籠尺八古典本曲

尺八古典本曲を代表する1曲です。
また、尺八を始め地歌、筝や胡弓などの器楽、歌舞伎や浄瑠璃といった舞台芸術にまで広く取り入られている曲目です。
雛鶴の誕生から巣立ち、親鶴の死を描いた標題音楽で段構成をとるものが多く、玉音などの擬音的効果音や特殊奏法が多用されています。
吟龍虚空尺八古典本曲

琴古流、明暗真法流の本曲です。
『虚空』の一種で、琴古手帖の当流尺八曲目によれば、一月寺の門弟、吟竜子よりの伝来とされています。
もともとは『虚空』を吟竜子が編曲し、黒沢琴古に伝えたため、その名をとって『吟龍虚空』と呼ばれるようになったようです。
心に響く尺八の名曲集|心を揺さぶる日本の美しい調べ(21〜30)
盤渉調・真虚霊

琴古流本曲の1つで、琴古(キンコ)流の本元となります。
表十八曲「古伝本手(コデンノホンテ)」の一曲です。
8寸管で名称の通り盤渉律にした場合、レの大メリ(F音、ツと同じ)が出てくるなど非常に吹くことが難しいようです。


