尺八の名曲。おすすめの人気曲
厳かな竹の響きが心を震わせる尺八の世界。
虚無僧たちが守り継いだ古典本曲から、琴古流や明暗真法流といった各流派が生み出した多彩な曲まで、それぞれに深い歴史と魅力が刻まれています。
遊郭での演奏が禁じられたという伝説を持つ曲や、夢の中で得られたとされる神秘的な曲など、一つ一つの尺八曲には心揺さぶる物語が息づいています。
もくじ
尺八の名曲。おすすめの人気曲(1〜20)
紫鈴法

尺八古典本曲、別名に紫鈴法(ムラサキレイホウ)や紫野鈴慕(ムラサキノレイボ)、紫乃曲(ムラサキノキョク)など、道曲では紫所伝(ムラサキショデン)ともあります。
鈴慕の一種で頓知で有名な京都紫野大徳寺の一休宗純禅師が作曲したとの逸話があります。
曲相は、古典本曲の中にあってもかなりシンプルなもので、朴訥とした中に朗らかな風情を感じさせる。
一節切の曲風を感じさせる曲です。
打替虚霊

尺八古典本曲、虚霊の一種です。
琴古流の本曲。
琴古手帖の当流尺八曲目によると下総国船橋(現在の千葉県船橋市)の清山寺の御本則・川原丹蔵より伝来したと書かれており、さらにもっとも尺八吹合所で吹かれていたと書かれています。
真虚霊の打ち替えの手を取り入れたものがこの打替虚霊がはじめとされています。
目黒獅子

琴古流の本曲、獅子物の一種。
裏組十八曲の一曲です。
一月寺の末寺で武州神奈川 青木山西向寺(現在の横浜)の門弟・露秋子より伝来し、その時、初代黒沢琴古が露秋子に請われて代わりに京鈴慕を伝授したと琴古手帳に記されてます。
鶴之巣籠

尺八古典本曲を代表する一曲です。
また、尺八を始め地歌・筝曲・胡弓などの器楽から歌舞伎や浄瑠璃といった舞台芸術にまで広く取り入られている曲目です。
雛鶴の誕生から巣立ち、親鶴の死を描いた標題音楽で段構成をとるものが多く、玉音などの擬音的効果音や特殊奏法が多用されています。
厂音柱の曲

琴古流(キンコ)の本曲です。
葦の調(アシノシラベ)と同様に砧巣籠(キヌタスゴモリ)の前吹き用の曲でもあります。
三世琴古の弟子、久松風陽(ヒサマツフウヨウ)の作と伝えられています。
詳細はあまりわかっていないです。
曙調

尺八古典本曲、あるいは調子としての名称で江戸中期ごろから用いられる尺八五調子のなかの曙調子にあたるということで、この名があります。
曲名としては「アケボノノシラベ」と詠み、調子としては「アケボノチョウ」と詠むのが正しいとのことです。
曙調子の旧調子名は、一越調子になります。
琴古流(キンコ)の本曲の場合は2種類あり、一つは吉田一調譜に記述されている伝承が途絶えてしまったもの(曙調。
黄鐘調)と荒木竹翁(2代目古童)が一二三鉢返から移調したもの(「竹翁入れこの手」と呼ばれる旋律の追加は曙調では省かれている)。
三浦琴童の琴古流尺八本曲楽譜によれば現在もっぱら演奏されるのは、一二三鉢返調の曲の重奏用移調曲です。