【ベドルジハ・スメタナ】名曲、代表曲をピックアップ!
チェコの作曲家、指揮者、ピアニストであるベドルジハ・スメタナ。
チェコの個性を現した音楽を最初に書いた作曲家として「チェコ音楽の祖」と名付けられ、多くの楽曲を生み出しました。
なかでも「わが祖国」の「モルダウ」は、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
本記事では、そんなスメタナの名曲、代表曲をご紹介します。
オペラから室内楽曲、ピアノ曲まで、さまざまなジャンルでチェコ音楽を感じられる曲が多くあるので、ぜひチェックしてみてください!
【ベドルジハ・スメタナ】名曲、代表曲をピックアップ!(1〜10)
ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15Bedřich Smetana

スメタナが最愛の長女を失った悲しみを込めて作曲した作品。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの3つの楽器が紡ぎ出す音色は、深い悲しみと情熱、そして希望を表現しています。
第1楽章では低音域のヴァイオリンが哀愁を帯びた旋律を奏で、第2楽章ではスケルツォ形式で軽快さと哀調が交錯します。
第3楽章では激しいタランテラ風の主題と慰めに満ちた副主題が交錯し、最後は明るい調子で締めくくられます。
1855年11月3日にプラハで初演され、チェコの民族的ロマン派音楽の先駆けとして高く評価されてきました。
深い感動を与える名曲として、今なお多くの人々に愛され続けています。
勝利の交響曲 ホ長調 作品6Bedřich Smetana

「チェコ音楽の祖」と称されるスメタナが、1853年から1854年にかけて作曲した唯一の交響曲。
オーストリア国歌を引用した華やかなファンファーレで始まる第1楽章、牧歌的な美しい旋律が特徴の第2楽章、軽快で舞踏的なリズムの第3楽章、そして力強く堂々とした第4楽章と、多彩な音楽世界が展開されます。
当初はフランツ・ヨーゼフ1世の成婚を祝して献呈しようとしましたが、チェコ人であることを理由に却下されたという逸話も。
民族主義的な要素は控えめですが、若きスメタナの才能が光る意欲作です。
弦楽四重奏曲第1番 ホ短調 「わが生涯より」Bedřich Smetana

チェコの魂を音楽で表現した自叙伝的作品、それが弦楽四重奏曲第1番ホ短調『わが生涯より』です。
1876年に作曲されたこの曲は、スメタナの人生を4つの楽章で描き出します。
若き日の情熱、楽しかった青春時代、初恋の思い出、そして聴覚喪失という悲劇まで、彼の半生が音の言葉で語られており、とくに印象的なのは第4楽章で表現される耳鳴りの音。
高音の持続音で、スメタナの苦悩が聴く人の心に染み入ります。
チェコの民族音楽の要素も随所に感じられ、スメタナの祖国への思いも伝わってきますね。
スメタナの人生を感じられる本作、ぜひ聴いてみてください。
【ベドルジハ・スメタナ】名曲、代表曲をピックアップ!(11〜20)
チェコ舞曲集第2集より第1曲、第8曲Bedřich Smetana

チェコ舞曲集第2集(České tance 2)より、第1曲:フリアント(Furiant)第8曲:オプクロチャーク(Obkročák)。
この作品は10曲からなり第9曲:ソウセツカー(Sousedská)第10曲:スコチナー(Skočná)などがあります。
ピアノはロマーナCholastováさん。
3つのサロン風ポルカ 作品7Bedřich Smetana

3曲からなる小品集は、チェコの民族舞踊ポルカを洗練された形で表現した魅力的な作品です。
スメタナは1848年から1854年にかけてこれらを作曲し、1855年にプラハで出版しました。
各曲は独自の個性を持ち、第1番は明るく華やかな旋律、第2番は哀愁を帯びたメロディ、第3番は軽快で生き生きとしたリズムが特徴的です。
チェコの民族性とサロン音楽の優雅さを融合させた傑作。
ピアノ愛好家はもちろん、チェコ音楽に興味がある方にもオススメの1曲です。
「わが祖国」より第3曲「シャールカ」Bedřich Smetana

チェコの伝説的な女戦士シャールカの物語を描いた本作。
復讐に燃える女性の激しい感情や、敵を酔わせて眠らせる策略、最後の襲撃シーンなど、劇的な展開が音楽で巧みに表現されています。
冒頭の激しい旋律からは、シャールカの怒りと復讐心が伝わってきます。
酒宴の場面では舞曲風のリズムで酔いの高揚感を、そして最後は激しさを増して復讐の完遂を描写。
チェコの民族性豊かな旋律と、ドラマチックな音楽展開を楽しみたい方にオススメの1曲です。
ポルカ形式によるボヘミアの思い出 作品12-1Bedřich Smetana

チェコの民族舞曲であるポルカの形式を取り入れたピアノ独奏曲。
軽快でリズミカルな特徴を持ちながら、抒情性と深みが感じられる作品です。
ボヘミアの美しい風景や人々の生活を思い起こさせる哀愁を帯びた旋律が特徴的。
1859年から1860年にかけて作曲され、1863年にプラハで出版されました。
チェコの民族音楽の要素とロマン派音楽の特徴を融合させた本作は、19世紀のサロン文化の中で親しまれ、ポルカの魅力を広める役割を果たしました。
故郷への愛情と民族音楽への敬意が込められた、チェコ音楽の豊かな伝統を感じさせる1曲です。