【ウェーバー】ドイツオペラの創始者による名曲たち
カール・マリア・フォン・ウェーバーは、1786年生まれのドイツ・ロマン派初期の作曲家、指揮者、ピアニストです。
オペラ『魔弾の射手』によってドイツ・ロマン派オペラの様式を確立し、「ドイツオペラの創始者」と称されました。
オーケストラの配置を現在に近い形に改めたり、初めて指揮棒を用いたりと、後世にも大きな影響を残した人物として知られています。
作品はオペラや管弦楽曲が多いですが、当時最高のピアニストとして演奏活動も行っていました。
本記事では、そんなウェーバーの名曲、代表曲をご紹介します。
ぜひ聴いてみてください!
【ウェーバー】ドイツオペラの創始者による名曲たち(1〜20)
クラリネット小協奏曲Carl Maria von Weber

これぞドイツオペラの大家の力作。
クラリネットの豊かな音色と技巧が存分に活かされた名曲です。
全3楽章から成り、それぞれに個性豊かな表現が込められています。
第1楽章はドラマチックな展開、第2楽章は繊細な旋律、第3楽章は技巧的な演奏が魅力。
1811年5月に完成し、6月13日に初演されるや否や、大成功を収めました。
クラリネット奏者はもちろん、オーケストラの豊かな響きを堪能したい方にもオススメです。
ぜひ名手の演奏でお楽しみください。
四手ピアノのための6つのやさしい小品より「ソナチネ」Carl Maria von Weber

優雅で軽快なメロディが特徴的なこの楽曲は、ピアノ四手連弾のために書かれた6曲の小品集の中でも、とくに親しみやすい1曲です。
明るく跳ねるようなテーマが展開され、後半ではそのテーマが変化を加えつつ再現される構成は、まるで小さな物語のような魅力があります。
シンプルでありながら豊かな表現力を求められるこの曲は、ピアノの連弾を楽しみたい方にぴったり。
2人の演奏者が息を合わせ、音楽的な対話を楽しむ喜びを味わえる素晴らしい作品です。
歌劇「オベロン」より「海よ、巨大な怪物よ」Carl Maria von Weber

ウェーバーの晩年の傑作として知られているオペラ『オベロン』のなかの第二幕に登場する本作『海よ、巨大な怪物よ』は、荒れ狂う海の描写と、それに立ち向かう主人公の心情が、見事に音楽で表現されています。
壮大なオーケストレーションと、ドラマティックな歌唱が印象的。
海の力強さや恐ろしさを感じさせつつも、希望の光が差し込む様子も巧みに描かれており、聴く者の心を揺さぶります。
自然の力と人間の感情の対比を楽しみたい方にオススメの1曲です。
歌劇「ペーター・シュモル」序曲Carl Maria von Weber

ウェーバーが15歳の時に作曲した初期の重要なオーケストラ作品。
静かな導入部から始まり、オーボエによる主題の提示、そしてより劇的な展開へと進んでいきます。
木管楽器の華やかな使い方や、感情的な対比が特徴的で、後のロマン派音楽の礎となる要素が垣間見えます。
オーケストラの色彩豊かな音響を追求し、ドラマティックな展開を描写する手法は、ウェーバーの革新性を感じさせますね。
家族愛と誤解の解消をテーマにした物語性豊かな作品です。
アンダンテとハンガリー風ロンド ハ短調 作品35Carl Maria von Weber

ドイツ音楽の魂を感じさせる名曲。
ファゴットとオーケストラのために書かれた本作は、哀愁を帯びたアンダンテと活気に満ちたハンガリー風ロンドの2部構成でできています。
1813年に作曲され、ミュンヘン宮廷楽団の依頼により作られました。
悲しみと躍動感が見事に融合し、ファゴットの魅力を存分に引き出しています。
ロマン派音楽の魅力を堪能したい方や、民族音楽に興味がある方にオススメ。
ファゴットの表現力豊かな演奏と、オーケストラとの見事なハーモニーをぜひお楽しみください。