2000年代の偉大な演歌の名曲・ヒット曲
演歌の世界には、時代を超えて輝き続ける珠玉の名曲たちがあります。
中でも2000年代は、新しい息吹と伝統が融合した黄金期と言えるでしょう。
「ふたり傘」のような心温まるストーリー性のある楽曲や、氷川きよしさんなどの新人による新しい風が、オリコンチャートをにぎわせた話題作など、さまざまな名曲が生まれました。
懐かしさと新鮮さが同居する2000年代の演歌の世界へ、一緒に心をはせてみませんか?
2000年代の偉大な演歌の名曲・ヒット曲(21〜30)
冬恋花NEW!花咲ゆき美

凍てつく冬の北国を舞台に、会えない恋人への切ない思いを情感豊かに歌い上げた、花咲ゆき美さんの4枚目のシングルです。
闇を走る列車や霧笛が響く港といった情景が目に浮かぶようで、悲恋のドラマ性をより一層際立たせています。
この楽曲は2009年12月に発売された作品で、オリコンチャートで19週にわたりランクインするロングヒットを記録しました。
のちに名盤『全曲集 冬恋花・冬の蛍』にも収録されています。
どんな過酷な状況でも咲こうとする花に自身を重ねる、主人公のひたむきな覚悟が花咲さんの力強い歌声を通して伝わってきますね。
やるせない恋心を抱え、物思いにふけりたい夜に聴くと、その世界に深く浸れるかもしれません。
片道切符NEW!北山たけし

二度と帰れない覚悟を胸に、ただ一人で向かう旅立ちを描いた、胸に迫る1曲です。
原譲ニさんが作詞・作曲を手がけ、その力強くも優しい歌声が、厳しい旅路への決意と内に秘めた郷愁を情感豊かに歌い上げます。
この楽曲は2004年4月にデビューシングルとして世に出て、オリコン総合20位を獲得するという快挙を成し遂げました。
これは当時の演歌歌手のソロデビュー曲としては最高位の記録でした。
本作で確かな一歩を記したことが、名盤『一歩』やテレビドラマ『素浪人 月影兵庫』の主題歌に起用された『夢一途』といった後の活躍へとつながっていきます。
人生の岐路に立ち、新たな道へ進もうとする人の心に深く響くのではないでしょうか。
男鹿半島NEW!北山たけし

秋田県の壮大な自然を舞台に、男の浪漫を力強く歌い上げる北山たけしさんの代表曲です。
黙して語らずとも内に秘めた熱い思いを燃やし、厳しい自然と対峙(たいじ)しながら未来を見据える主人公の姿が描かれています。
まるで情景が目に浮かぶような歌詞と、スケールの大きなメロディが聴く者の胸を打つ、まさに王道演歌と呼ぶにふさわしい1曲。
本作は2007年8月に発売されたシングルで、北山さんは同年の『NHK紅白歌合戦』で本作を熱唱しました。
カップリング曲の『夢一途』がテレビ朝日系の時代劇『素浪人 月影兵庫』の主題歌に起用されたことでも知られています。
何かに挑戦しようとしている方や、孤独の中で静かに闘志を燃やす方の心に寄り添う作品ではないでしょうか。
うりずんの頃NEW!坂本冬美

沖縄の初夏を意味する言葉が心に響く、坂本冬美さんの名曲です。
恋や夢に破れ、都会の暮らしに疲れた主人公が、故郷の温かい南風や美しい海を思い出す切ない心情が歌われています。
本作は、三線の音色に乗せて届けられる坂本冬美さんの艶やかな歌声が、聴く人の心に優しく染み渡るようです。
もともとは2001年発売のアルバム『冬美ルネッサンス』収録曲で、ファン投票1位を受けて沖縄復帰30年を意識した2002年9月にシングルカットされました。
沖縄テレビで天気予報の主題歌にも起用され、広く親しまれたことがうかがえますね。
故郷を離れて頑張る人の心に寄り添ってくれる、そんな温かさを持った1曲です。
紀ノ川NEW!坂本冬美

坂本冬美さんの故郷・和歌山を流れる川を舞台に、母から娘、そして孫へと受け継がれる三世代の絆を描いた壮大な物語性のある1曲です。
2008年3月に発売されたこの楽曲は、有吉佐和子の小説を題材にした「名作シリーズ」の完結編にあたり、TBS系『開運音楽堂』のエンディングテーマにも採用されました。
我が子の幸せをひたすらに祈る母親の深い愛情が、悠久の川の流れと重なり合う普遍的なテーマは、聴く人の心を強く打ちます。
同年11月に和歌山県の「ふるさと大使」へ任命されたエピソードからも、本作に込められた故郷への思いが伝わってくるようです。
家族の絆を改めて感じたい時や、故郷に思いをはせたい時に聴くと、その温かい歌声が心に染み渡るのでしょう。