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【女性向け】ミックスボイス(ミドルボイス)習得に役立つ練習曲

ミックスボイスというワード。

歌に興味のある方ならどなたでも一度くらいは耳にされたこと目にされたことがあるでしょう。

僕のボイストレーニングの受講生さんの中にも「ミックスボイスをできるようになりたい!!」と要望を持っている方がたくさんおられます。

でも、意外にそれが実際どんなものなのかを理解している人は少ないように感じます。

ではミックスボイスって一体なんなのか?

簡単に言ってしまうと「地声と裏声の間の声」なんですよね。

だから別名、ミドルボイスと呼ばれたりもします。

実際の曲中での使われ方としては、主に地声では出すのが難しいハイトーンの領域をカバーするために使いますが、地声と裏声のミックス度合いのバランスを変化させることで、さまざまな歌唱表現が可能になります。

今回の特集記事では、そんなミックスボイス(ミドルボイス)を上手く使って歌を表現されている女性シンガーを集めてみました。

きっと皆さんがご自身でミックスボイス習得を目標に歌われるときに参考にできる部分が多いかと思います。

ぜひお役立てください。

【女性向け】ミックスボイス(ミドルボイス)習得に役立つ練習曲(61〜70)

みんな空の下絢香

絢香さんの10枚目のシングルで2009年7月リリース。

女性シンガーの中では比較的太い声を持っている絢香さん。

彼女の使うミックスボイスはとてもわかりやすいものだと思います。

とくにサビ前、Bメロでのフレーズ表現などは、とてもうまくミックスボイスを使って表現している好例と言っていいでしょう。

使い方としては裏声寄りのミックスボイスを使って広域の表現を補っているような感じですが、Bメロでこれが効果的に使われていることで、地声の高音から入ってくるサビのハイトーンとのコントラストが出て、楽曲イメージを強調することに成功していますね。

もしご自身で歌われるときは発声のつながりがスムーズにできるように練習してみてくださいね。

君に夢中宇多田ヒカル

宇多田ヒカルさんの配信限定シングルで2021年11月26日リリース。

TBS系ドラマ『最愛』の主題歌に起用されています。

筆者には、この楽曲を歌う宇多田ヒカルさんがデビューした頃から、盛んに「ミックスボイス」というワードを各種のメディアで目や耳にするようになったような印象があるのですが、この楽曲でも宇多田さんは、そんな「元祖ミックスボイス」と言うのにふさわしい歌唱を聞かせてくれています。

少しセリフ的(?)に歌われているパートとの歌声の違いに着目して聴くと、ミックスボイスの効果的な使い方がご理解いただけるのではないでしょうか。

やさしさで溢れるようにJUJU

JUJU 『やさしさで溢れるように』
やさしさで溢れるようにJUJU

JUJUさん、9枚目のシングルで2009年2月リリース。

おそらく元々の地声自体は少々低めなのであろうと感じるJUJUさんなので、曲中で多用される中高域の音域の歌唱は、ミックスボイス主体で歌っているものと思われます。

地声の低さをカバーする感じのミックスボイスの使い方…と言えばいいでしょうか。

声帯をしっかりと締めて息漏れを抑えた、高音の倍音成分の少ないミックスボイスですね。

普段から「歌える音域を広げたい!」とお考えの方は、彼女の発声方法、声の使い方を研究してみるといいでしょう。

サビの最高音付近の音がファルセットで歌っていますが、Bメロからサビ、サビ頭の発声などは女性のミックスボイスのいいお手本になると思います。

ラストシーンいきものがかり

いきものがかり 『ラストシーン』Music Video
ラストシーンいきものがかり

いきものがかり、32作目のシングルで2016年8月リリース。

とてもブライトな声を持っているVoの吉岡聖恵さん、別にミックスボイスを使わなくても地声のハイトーンでカバーできる音域がとても広く、ミックスボイスが使われていると思われる曲はそんなに多くありません。

でも、この優しいバラードでは、やわらかい響きの声で歌うために美しいミックスボイスを聴けます。

音域をカバーするためではなく、歌唱表現のために発声を使い分けている好例と言っていいでしょう。

いきものがかりの場合、吉岡の声が先述のように明るく高い声であることと、曲調も明るく元気な曲が多いため、ミックスボイスやファルセットの使用頻度は非常に少ないですが、発声法だけでこんなに表現が豊かになることをご理解いただけると思います。

あなたがいることでUru

【Official】Uru 『あなたがいることで』TBS系 日曜劇場「テセウスの船」主題歌
あなたがいることでUru

シンガーソングライター、Uruさんのファーストデジタル配信シングルで2020年2月リリース。

シングル曲としては通算で9作目のシングルになります。

綺麗な澄んだ声が特徴のUruさんですが、中高域の歌唱では主にミックスボイスを使って歌っているものと思われます。

ファルセットも純粋なファルセットよりも高音倍音成分が少ない、少し柔らかい印象のファルセットに聞こえるので、声の要素としては、もしかするとファルセット寄りのミックスボイスを多用しているのかもしれないです。

そうすることで、曲の最高音などで使うファルセットボイスがより生きている感じがしますね。

摩天楼iri

iri – 摩天楼 (Music Video)
摩天楼iri

Iriさんの配信シングルで、2022年1月19日リリース。

ある意味で男性的とも言ってもいい独特の歌声を持つiriさんですが、とくにAメロパートを中心にとても効果的にミックスボイスを使った歌唱表現をされていて、そこが「女性らしさ」を感じさせてくれる結果につながっているような気がします。

そういう意味で、ミックスボイスの効果的な使い方の習得に最適な一曲と言えるのではないでしょうか。

ミックスボイスを使う箇所では、声を広く上顎に当てるようにして歌ってみてくださいね。

traveling宇多田ヒカル

宇多田ヒカルさんの9作目のシングルで2001年11月リリース。

宇多田さんの声質自体はハイトーンというよりは、どちらかと言えば低めの野太い声だと思いますが、その存在感のある声を生かした上で広い音域を駆使した歌唱はさすがですね。

また、現代のR&Bを歌う上でとても重要なミックスボイスの使い手としても一流だと思います。

宇多田さんのブレイクによって「ミックスボイス」というワードが一般にも浸透してきたのではないでしょうか。

思い起こせば、彼女がブレイクした頃から、僕のボイトレの生徒にも「ミックスボイスを習得したい」という方が急増した印象です。

現代の日本のR&Bの歌唱のベーシックを確立した元祖的な存在かもしれないですね。

もちろん、ミックスボイスは彼女が開発したものではないですけどね。