【女性向け】ミックスボイス(ミドルボイス)習得に役立つ練習曲
ミックスボイスというワード。
歌に興味のある方ならどなたでも一度くらいは耳にされたこと目にされたことがあるでしょう。
僕のボイストレーニングの受講生さんの中にも「ミックスボイスをできるようになりたい!!」と要望を持っている方がたくさんおられます。
でも、意外にそれが実際どんなものなのかを理解している人は少ないように感じます。
ではミックスボイスって一体なんなのか?
簡単に言ってしまうと「地声と裏声の間の声」なんですよね。
だから別名、ミドルボイスと呼ばれたりもします。
実際の曲中での使われ方としては、主に地声では出すのが難しいハイトーンの領域をカバーするために使いますが、地声と裏声のミックス度合いのバランスを変化させることで、さまざまな歌唱表現が可能になります。
今回の特集記事では、そんなミックスボイス(ミドルボイス)を上手く使って歌を表現されている女性シンガーを集めてみました。
きっと皆さんがご自身でミックスボイス習得を目標に歌われるときに参考にできる部分が多いかと思います。
ぜひお役立てください。
【女性向け】ミックスボイス(ミドルボイス)習得に役立つ練習曲(36〜40)
セーラー服と機関銃薬師丸ひろ子

薬師丸ひろ子さんのファーストシングルで1981年11月21日リリース。
薬師丸さんが主演した同名映画の主題歌でした。
この楽曲がリリースされた1981年といえば、まだ本稿のテーマである「ミックスボイス」というワードを聞くこともなく、そんな概念もなかった時代だったように思いますが、この楽曲で聴ける薬師丸さんのやわらかい歌声は、まさにミックスボイスの成せる技と言ったところではないでしょうか。
そんなところからもミックスボイス習得のための練習曲として最適な一曲だと思います。
声をできるだけ広く上顎に当てるようにして、高次倍音成分の多い声にしつつも柔らかさを失わないように注意して歌ってみてください。
現代の楽曲ほどはメロディも複雑ではないので、練習しやすいと思います!
Ordinary daysmilet

ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』の主題歌に起用されたmiletさんの曲で、聴いたことのある方も多いのではないでしょうか。
この楽曲で聴けるmiletさんの歌声ですが、とても効果的に高次倍音成分を響かせられるような発声で歌われていて、高音で歌うのが苦手な女性の方なら「こんなの私に歌えるの!?」と思ってしまう方も少なくないかもしれませんが、ぜひ恐れずにチャレンジしてみてください。
ご本人もそうされていますが、サビ等の高音が必要な箇所は裏声やミックスボイスを織り交ぜて歌うように表現すれば、きっと大丈夫です!
むしろこの楽曲を歌う上で重要なのは、「高音が出るかどうか?」よりも、そうした発声の使い分けなどによる歌唱表現による部分が大きいのではないかなと思います。
裏声やミックスボイスを使うときは、くれぐれも喉を締め上げないようにご注意くださいね。
STAND-ALONEAimer

Aimerさんの配信限定シングルで、2019年5月リリース。
日本テレビ系日曜ドラマ『あなたの番です』主題歌。
Aimerさんの歌唱ですが、なかなか固定的な歌唱をしていますね。
おそらく曲冒頭の低い音域部分以外のところは、ほぼミックスボイスで歌っているものと思われます。
そのミックスボイスも声帯を閉鎖気味にした息漏れの少ない地声よりのもので、とてもパワフルな高音を実現しています。
ミックスボイス…簡単に言ってしまえば、地声とファルセットをミックスさせた声ということになりますが、そのバランスのさせ方でこんな使い方もできる!という好例だと思います。
女性シンガーの場合、地声よりは柔らかめの声の響きを得るためにミックスボイスを使うことが多いですが、Amierさんのこのパワフルなミックスボイスは、ロック系のアップテンポな曲を歌いたい女性の方には大変参考になるでしょう。
もらい泣き一青窈

一青窈さんのデビューシングルで2002年10月リリース。
その歌唱力が高く評価されている一青窈さんですが、その歌唱力はこのデビュー曲から健在!
楽曲冒頭から、素晴らしい発声切り替えによるフレーズを歌いこなしています。
とくにこの冒頭部を歌うには、地声〜ミックスボイス〜ファルセット(裏声)のスムーズな発声切り替えができることが必須であり、そういう意味でも、この曲はミックスボイスを習得するための練習素材として最適な一曲と言っていいでしょう。
楽曲そのものの音域はそんなに広くないことも練習材料としてオススメです。
一青窈さんのようにに声の全域で鼻腔共鳴を使えるようになれば完璧ですよ!
紅蓮華LiSA

LiSAさんの通算15作目のシングルで、2019年3月リリース。
テレビアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマにもなっていますね。
ミックスボイスと一言で言っても、地声寄りの強めのミックスボイスから裏声(ファルセット)寄りの柔らかいミックスボイスまで、とても幅広い使い方がありますが、この曲のサビ部分はおそらく強めのミックスボイスで歌われているものと思われます。
練習する時には、声を上顎の中心部から鼻に強く速く当てるように心がけて練習してみてください。
ファルセットで歌われている部分とのコントラストをはっきりとつけることも重要ポイントになってくると思いますので、そのあたりも原曲を注意深く聴いて研究してみてください。