オーストリアのウィーンで活躍したロマン派を代表する作曲家、ヨハン・シュトラウス2世。
ウィンナーワルツやチェコの民俗舞曲であるポルカなど、舞踊のための音楽を中心に作曲した彼は、「ワルツ王」や「ウィーンの太陽」と呼ばれていました。
さらに、オペレッタ曲でも傑作を生み出したことで「オペレッタ王」とも呼ばれ、オーストリアだけでなくヨーロッパ中で絶大な人気を博しました。
この記事では、そんなシュトラウス2世の名曲や定番曲をご紹介します。
ぜひ、彼の華やかな音楽に浸ってみてはいかがでしょうか?
ヨハン・シュトラウス2世|名曲、定番曲をご紹介(1〜10)
美しく青きドナウJohann Strauss II

1867年に作曲された名曲は、ウィンナー・ワルツの代表作として知られています。
当初は男声合唱曲として作られましたが、後に管弦楽曲として編曲され、一層の人気を博しました。
この曲には、普墺戦争での敗北で落胆したウィーンの人々を元気づける意図が込められています。
歌詞はドナウ川の美しさや人々の生活、希望に満ちた未来への祈りを歌い上げ、音楽を通じて社会に影響を与えようとしたシュトラウス2世の思いが感じられますね。
優雅なメロディーと深い意味を持つ本作は、クラシック音楽に興味のある方にぜひオススメです。
常動曲Johann Strauss II

1861年に作曲された『常動曲』は、永遠に動き続けるような印象を与える曲。
『無窮動』とも称され、一定の速度で連続して音符が演奏される特徴があり、技巧を駆使して無限に繰り返せる形式を取っています。
シュトラウス2世の独創性とユーモアのセンスが光る本作は、今もなお新鮮さを保ち、多くの人々に愛され続けています。
ニューイヤーコンサートでも多く演奏されており、軽快で楽しい音楽を求める方にオススメの1曲ですよ。
こうもりJohann Strauss II

ヨハン・シュトラウス2世のウィンナ・オペレッタの中でも「オペレッタの王様」とよばれている作品です。
ウィーンをはじめ、ドイツ語圏の国々の歌劇場では大晦日恒例の出し物となっており、スター歌手などが歌い上げることが多いです。
春の声Johann Strauss II

ヨハン・シュトラウス2世が1882年に作曲した本作。
春の訪れを祝うかのような明るく希望に満ちたメロディが特徴です。
オーケストラ版とソプラノ独唱を伴うバージョンがあり、どちらも春の息吹を感じさせる華やかな旋律が印象的。
歌詞では、ヒバリの歌声や柔らかな空気、野原を吹き抜ける心地よい風が描かれ、自然の目覚めを讃えています。
シュトラウス2世の代表作の一つとして広く親しまれ、バレエやオペレッタの一部としても演じられています。
春の訪れを感じたい方や、明るく楽観的な気分になりたい方にオススメですよ。
ジプシー男爵Johann Strauss II

『こうもり』に次いで有名なオペレッタです。
ヨハン・シュトラウス2世が60歳になる誕生日の前日に、ウィーンで初演されました。
オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は、この『ジプシー男爵』を大いに気に入り、劇場の皇帝席にシュトラウス2世を呼び寄せ褒めたたえたそう。
日本では2010年9月に、宝塚歌劇団が現代版ミュージカルとしてリメイクされる作品を上演しました。
ウィーン気質Johann Strauss II

ヨハン・シュトラウス2世が1866年に作曲したワルツは、ウィーンの魅力を音楽で表現した傑作です。
軽快なリズムと華やかなメロディが特徴的で、ウィーンの社交界の雰囲気を見事に描き出しています。
導入部のクラリネットとピッツィカートの緊張感ある音から始まり、堂々とした第一ワルツテーマへと展開。
後半では陽気なセクションと穏やかなメロディが対比され、聴く人を魅了します。
ウィーンの精神と生活を称えたこの曲は、華やかな舞踏会の雰囲気を味わいたい方にオススメです。
トリッチ・トラッチ・ポルカJohann Strauss II

ヨハン・シュトラウス2世が1858年に作曲した本作。
ウィーンの人々のゴシップ好きを音楽で表現した、軽快で陽気なポルカです。
弦楽器と木管楽器の明るい序奏で始まり、楽器間の会話のような快活なメロディが展開します。
約2分半という短い曲ながら、豊かな音楽的内容が詰まっており、聴く者を楽しませてくれる作品。
ウィーンの社交界での軽妙な会話やゴシップを音楽で表現した本作は、シュトラウス2世の才能とウィーンの文化を象徴する作品として、今も多くの人々に愛され続けています。