【ピアノの名曲】聴きたい&弾きたい!あこがれのクラシック作品たち
「この曲を聴くと癒やされる」「いつかこの曲を弾いてみたい」そんな印象的なピアノ曲はありますか?
お気に入りの曲は、ストレスや不安でモヤモヤした心を落ち着かせてくれます。
本記事では、そんな癒やしの1曲の候補となり得るクラシックの名曲の中から、世界的に有名なピアノ作品を厳選してご紹介します。
クラシックにあまりなじみがないという方でも、必ずどこかで耳にしたことがあるであろう有名な作品ばかりをセレクトしていますので、ぜひ最後までお楽しみください!
【ピアノの名曲】聴きたい&弾きたい!あこがれのクラシック作品たち(11〜20)
ノクターン 第19番Op.72-1 ホ短調「遺作」Frederic Chopin
1827年頃、わずか17歳で作曲されたとは思えないほど深い哀愁を湛えた夜想曲です。
左手の絶え間なく続く三連符のアルペジオが心の揺らぎを表現し、その上に乗る右手の素朴で物悲しい旋律が、胸の内に秘めた想いを静かに語りかけます。
本作はホ短調で始まりながら、最後は温かい長調で静かに終わる構成が特徴的で、涙のあとの穏やかな安らぎを感じさせます。
ドラマ『Fringe』でも使用されました。
感傷的な夜に一人でじっくり向き合いたい、そんな気分に寄り添ってくれる一曲です。
8つのユモレスク Op.101 第7曲Antonin Dvořák

ゆったりとした優しいメロディーが印象的なアントニン・ドヴォルザークの名作『8つのユモレスク』。
今回はその中でも、こちらの『8つのユモレスク Op.101 第7曲』を紹介したいと思います。
この作品のポイントは譜読みと転調パートにあります。
譜読みに関しては、初心者にとってはなかなかの難易度をほこります。
そして、転調パート。
いきなりオクターブが登場するので、しっかりと指の体操をして取り組んでみてください。
3つのノクターン第3番「愛の夢」Franz Liszt

新ドイツ楽派や交響詩を作り出した、偉大なハンガリーの作曲家、フランツ・リスト。
クラシック界のターニング・ポイントを作った作曲家で、いくつものオリジナリティにあふれる名曲を残してきました。
なかでも、こちらの『愛の夢』は特に美しい作品として、長年にわたって愛されています。
癒やしのピアノ曲として人気が高い作品ですが、実はもともとは歌曲として作られた楽曲!
リスト自身の手によって編曲されたピアノバージョンでは、ピアノの音色だからこそ生み出せる繊細な表現が見事に演出されています。
グノシエンヌ第3番Erik Satie

この楽曲は、1893年に音楽誌で初めて紹介された作品で、楽譜に小節線がないのが大きな特徴です。
左手は古代の儀式を思わせるような静かなリズムを繰り返し、その上で右手がどこか掴みどころのない旋律を奏でます。
「Avec étonnement」(驚きとともに)といったユニークな指示が奏者の解釈に委ねられ、聴くたびに異なる表情を見せてくれますよ。
映画『ユマ・フォア』でも効果的に使われました。
本作が持つ瞑想的な響きは、心の奥に沈んだ感情と静かに向き合いたい夜にぴったりです。
夜のガスパール, M. 55: II. 絞首台Maurice Ravel

モーリス・ラヴェルが1908年に作曲したピアノ組曲『Gaspard de la nuit』の一曲で、ルイ・ベルトランの詩が描く荒涼とした情景を音で表現しています。
この楽曲の大きな特徴は、遠くで鳴り響く鐘の音を表す同じ音が、冒頭から最後まで150回以上も執拗に反復される点です。
この単調な響きに不気味な和音が重なり、聴く人を死の静寂が支配する瞑想的な世界へと誘います。
演奏する側は、この厳格なテンポと響きのバランスを保たないと、作品の持つ壮絶な陰鬱さを損ないかねない難曲です。
本作はコンクールでも頻繁に取り上げられます。
悲しみの底にある静かな美しさに触れたい時に聴いてみてはいかがでしょうか。
ドゥムカ ハ短調 作品59Pyotr Tchaikovsky

ロシアの広大な田園風景が目に浮かぶような、ピョートル・チャイコフスキーによるピアノのための作品です。
1886年2月に作曲された本作は、ウクライナの「思いの中の小説」を意味する形式が用いられています。
深い哀愁を帯びた旋律で静かに始まりますが、中間部では民族舞曲のように一気に情熱的になり、感情がほとばしるようです。
しかし最後は再び静寂に包まれ、冒頭よりも諦念に満ちた響きで締めくくられます。
悲しみと祝祭的な喜びが交錯する本作は、感傷的な気分に浸りつつ、ドラマティックな展開も味わいたい方に聴いてほしい一曲です。
【ピアノの名曲】聴きたい&弾きたい!あこがれのクラシック作品たち(21〜30)
「フレースエーの花々」第3巻 Op.16:第2曲 夏の隠れ家に入居してWilhelm Peterson-Berger

ここで、暑い夏にぴったりの、涼やかなピアノ曲をご紹介しますね。
スウェーデンの作曲家ウィルヘルム・ペテルソン=ベルゲルによる、ピアノ小品集『Frösöblomster』の第3巻に収められた、とっておきの一曲なんですよ。
1914年に完成したこの楽曲は、まるで夏の静かな隠れ家へそっと足を踏み入れたような、穏やかで美しい旋律が心に響きます。
聴いていると、きらめく木漏れ日の中で、心地よいそよ風に吹かれているような気分になれるんです。
作曲者が愛したフレソー島の夏の情景が目に浮かぶようで、日常を忘れさせてくれますね。
派手さはないけれど、じんわりと心に染み入るような、そんな魅力にあふれています。
日々の喧騒から離れて、静かに音楽の世界に浸りたい方には、本当におすすめです。
心を落ち着かせたい時や、ゆったりとした午後のひとときに本作を聴けば、きっと優しい気持ちになれることでしょう。
読書のお供にも、もってこいかもしれませんね!