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【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲

2017年放送のテレビドラマの『カルテット』で取り上げられ、クラシックファン以外からも注目を集めた弦楽四重奏。

ドラマでその魅力にハマった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弦楽四重奏は、バイオリン2本、ビオラ,チェロの編成の室内楽重奏形式で、18世紀後半にフランツ・ヨゼフ・ハイドンが確立して以降、最も洗練された室内楽形式として親しまれてきました。

この記事では、そんな弦楽四重奏曲の魅力が詰まった名曲をご紹介します。

ぜひ、弦楽器の優雅で上品な響きをお楽しみください。

【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲(1〜10)

弦楽四重奏曲 第13番 変ロ長調 Op.130 第5楽章「カヴァティーナ」Ludwig van Beethoven

弦楽器の優雅な響きが魅力の弦楽四重奏。

その名曲の1つが、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの晩年の傑作です。

1825年から1826年にかけて作曲された本作は、繊細で美しい旋律が特徴的。

完全に聴力を失った状態で書かれたとは思えないほど、ベートーヴェンの音楽的想像力の豊かさが感じられます。

静寂の中でゆったりと奏でられる旋律は、作曲家の内なる葛藤や深い感情を表現しているかのよう。

クラシック音楽の初心者の方にも、ぜひ一度聴いていただきたい名曲です。

弦楽器の響きに包まれながら、ベートーヴェンの心の声に耳を傾けてみませんか?

弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」第2楽章Antonín Dvořák

String Quartet in F Major, Op. 96, “American” by Antonín Dvořák – Lento
弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」第2楽章Antonín Dvořák

チェコ出身であるドヴォルザークは、ニューヨークのナショナル音楽院の院長として渡米しました。

故郷を離れ歴史も文化も違うアメリカで、黒人霊歌やアメリカの先住民の音楽にも興味を持ち、自身の作品にも取り入れていきました。

『アメリカ』という曲も、彼が渡米生活で受けた刺激を感じられる作品の1つです。

第2楽章であるこの曲は、感動的な緩徐楽章で、高らかに黒人霊歌のような切ない旋律を歌い上げ、チェロがこれを受け継ぎボヘミア風の民謡を奏でる郷愁を誘う楽章となっています。

弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387「春」Wolfgang Amadeus Mozart

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの弦楽四重奏曲の中でも、特に魅力的な作品として知られるこの曲。

1782年に完成し、ハイドンに捧げられた6曲のセットの1曲目として知られています。

春の訪れを感じさせる明るく活気に満ちた旋律が特徴的で、4つの楽章それぞれが異なる表情を見せます。

第1楽章の躍動感あふれる旋律から、第3楽章の穏やかで歌うような旋律まで、春の様々な表情が音楽で表現されているかのよう。

モーツァルトの天才的な作曲技術が存分に発揮された本作は、クラシック音楽ファンはもちろん、初めて弦楽四重奏曲に触れる方にもおすすめの1曲です。

【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲(11〜20)

弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」第4楽章Franz Schubert

String Quartet No. 14 in D Minor, D. 810 “Death and the Maiden”: IV. Presto
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」第4楽章Franz Schubert

シューベルトがこの作品を書き始めたと言われている1824年の前年は、体調不良に苦しみ、その影響からか4楽章全てが短調で書かれ、悲しげなムードが顕著に現れている1曲です。

この曲が正式に発表されたのは、シューベルトがなくなってから2年半後のことでした。

切迫したタランテラ風のフィナーレは、ドラマティックなメロディが随所に盛り込まれており、とても迫力のある曲調が印象的です。

第2楽章に自身が作曲した有名歌曲『死と乙女』の旋律を引用していることから、この曲も「死と乙女」という名で親しまれています。

弦楽四重奏曲 ヘ長調 第2楽章Maurice Ravel

Enso Quartet: Ravel String Quartet: II. Assez vif. Très rythme
弦楽四重奏曲 ヘ長調 第2楽章Maurice Ravel

『ダフニスとクロエ』や『ボレロ』などで有名なフランスの作曲家であるラヴェル。

彼は20世紀初頭のフランスに興ったクラシック音楽の流派の一つ「印象主義音楽」の作曲家であり、当時のフランス美術界でモネ、ルノアール、セザンヌなどの画家たちによって盛んに使われていた新しい技法「印象主義」を、音楽に適用したことで生れました。

この曲は、4つの楽器全てが弦を弾く奏法であるピチカートから始まるのが印象的であり、曲が進むにつれてコロコロと雰囲気が変わ流ので、さまざまな情景を思い浮かんばせることができます。

弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K. 465「不協和音」第1楽章Wolfgang Amadeus Mozart

String Quartet No. 19 in C Major, K. 465 – “Dissonances”: I. Adagio – Allegro (Extended Version)
弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 K. 465「不協和音」第1楽章Wolfgang Amadeus Mozart

古典派の代表的な作曲家であるハイドンにささげられた「ハイドン・セット」と呼ばれる6曲の弦楽四重奏曲の中の1曲。

第1楽章冒頭に不協和音に満ちた序奏があることから、「不協和音」という名で呼ばれています。

その響きは当時としては理解し難いものであり、出版されたとき写譜の間違いとまで言われたそうです。

この曲は、モーツァルトがフリーメーソン入信の儀式に覚えた深い印象を楽譜によって代弁した作品だと言われています。

冒頭の不協和音とその後の旋律との対比が特徴的です。

G SongTerry Riley

アメリカ出身の作曲家であるテリー・ライリー。

彼は、音の動きを最小限に抑えパターン化された音型を反復させる音楽であるミニマル・ミュージックの代表的な作曲家の1人です。

この曲は、ライリーが弦楽四重奏団「クロノス・クァルテット」のために書いた初めての作品です。

ト短調の音階を含む冒頭16小節のテーマが何回も繰り返されながら音楽が進行していきますが、繰り返されるたびに音楽は少しずつ変化してゆき、いつのまにかテーマ自体が拡散しどこかへ行っています。

テーマの色や形が刻々と変化してゆく様子を感じながら聴いてみてください!