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【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲

2017年放送のテレビドラマの『カルテット』で取り上げられ、クラシックファン以外からも注目を集めた弦楽四重奏。

ドラマでその魅力にハマった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弦楽四重奏は、バイオリン2本、ビオラ,チェロの編成の室内楽重奏形式で、18世紀後半にフランツ・ヨゼフ・ハイドンが確立して以降、最も洗練された室内楽形式として親しまれてきました。

この記事では、そんな弦楽四重奏曲の魅力が詰まった名曲をご紹介します。

ぜひ、弦楽器の優雅で上品な響きをお楽しみください。

もくじ

【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲(1〜20)

弦楽四重奏曲 ヘ長調 第2楽章Maurice Ravel

Enso Quartet: Ravel String Quartet: II. Assez vif. Très rythme
弦楽四重奏曲 ヘ長調 第2楽章Maurice Ravel

『ダフニスとクロエ』や『ボレロ』などで有名なフランスの作曲家であるラヴェル。

彼は20世紀初頭のフランスに興ったクラシック音楽の流派の一つ「印象主義音楽」の作曲家であり、当時のフランス美術界でモネ、ルノアール、セザンヌなどの画家たちによって盛んに使われていた新しい技法「印象主義」を、音楽に適用したことで生れました。

この曲は、4つの楽器全てが弦を弾く奏法であるピチカートから始まるのが印象的であり、曲が進むにつれてコロコロと雰囲気が変わ流ので、さまざまな情景を思い浮かんばせることができます。

SummaArvo Pärt

1977年に合唱作品、ミサ曲の中の1曲であるクレドとして書かれ、その後弦楽四重奏曲に編曲されました。

エストニア出身の作曲家であるアルヴォ・ペルトの作品で、曲名の「Summa」とはラテン語で「全集」という意味を持ちます。

この曲は、ペルトのいう「ティンティナブリの様式」で作曲されており、8・9世紀の音楽であるグレゴリオ聖歌や14~16世紀のルネサンス期における音楽のように、簡素な和声と単純なリズムで構成されているのが特徴的です。

まるで教会の中で流れているかのような厳かな雰囲気が漂っている1曲です。

弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」第4楽章Franz Schubert

String Quartet No. 14 in D Minor, D. 810 “Death and the Maiden”: IV. Presto
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」第4楽章Franz Schubert

シューベルトがこの作品を書き始めたと言われている1824年の前年は、体調不良に苦しみ、その影響からか4楽章全てが短調で書かれ、悲しげなムードが顕著に現れている1曲です。

この曲が正式に発表されたのは、シューベルトがなくなってから2年半後のことでした。

切迫したタランテラ風のフィナーレは、ドラマティックなメロディが随所に盛り込まれており、とても迫力のある曲調が印象的です。

第2楽章に自身が作曲した有名歌曲『死と乙女』の旋律を引用していることから、この曲も「死と乙女」という名で親しまれています。

弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調「わが生涯より」第4楽章Bedřich Smetana

『わが祖国』の「モルダウ」で広く知られているスメタナが作曲した弦楽四重奏曲で、「わが生涯より」という副題がついています。

全4楽章の各楽章にはテーマが存在し、作曲者の半生を回想するように展開します。

この第1楽章は「私の青年時代の強い芸術への憧れ、ロマンティックな雰囲気」というテーマで書かれており、ボヘミアに生まれたスメタナのプラハへの強い憧れを表しています。

ビオラが奏でる情熱的であると同時に、不安や焦燥感のを感じさせる旋律やそうした緊張状態を和らげるようなバイオリンの流麗なハーモニーが印象的です。

弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」1楽章Franz Schubert

シューベルト,フランツ 弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」 D.804,Op.29 1 クラシック 作業用BGM
弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」1楽章Franz Schubert

1824年に作曲された美しい室内楽作品。

優雅で叙情的な音の流れが聴き手を夢見心地の世界へと誘います。

第1楽章は、メランコリックな旋律が静かに展開され、内省的な雰囲気が漂う中で、やがて希望に満ちた第2主題が現れます。

シュパンツィヒ弦楽四重奏団による初演時には第3楽章が聴衆の熱烈な支持を受け、アンコールされるほどの人気を博しました。

豊かな和声進行と透明感のある音色が織りなす世界観は、心の奥深くまで染み渡ります。

文学的な情景描写を好む方や、繊細な感情表現に魅力を感じる方にぜひお勧めしたい珠玉の一曲です。

弦楽四重奏曲 第67番 ニ長調 作品64-5 Hob.III:63「ひばり」第2楽章Franz Joseph Haydn

String Quartet in D Major, Op. 64 No. 5, Hob. III:63 “The Lark”: II. Adagio cantabile
弦楽四重奏曲 第67番 ニ長調 作品64-5 Hob.III:63「ひばり」第2楽章Franz Joseph Haydn

古典派を代表するオーストリアの作曲家であるハイドン。

多くの交響曲や弦楽四重奏曲を作曲したため、「交響曲の父」や「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれています。

この曲は、エステルハージ侯爵家の宮廷楽団のヴァイオリニスト、兼実業家のヨハン・トストからの依頼によって作曲されました。

「ひばり」という曲名は、第1楽章の冒頭に現現れる旋律がひばりさえずりに聞こえるために付けられました。

この第2楽章は、春の陽気のような穏やかで暖かい曲調です。