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【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲

2017年放送のテレビドラマの『カルテット』で取り上げられ、クラシックファン以外からも注目を集めた弦楽四重奏。

ドラマでその魅力にハマった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弦楽四重奏は、バイオリン2本、ビオラ,チェロの編成の室内楽重奏形式で、18世紀後半にフランツ・ヨゼフ・ハイドンが確立して以降、最も洗練された室内楽形式として親しまれてきました。

この記事では、そんな弦楽四重奏曲の魅力が詰まった名曲をご紹介します。

ぜひ、弦楽器の優雅で上品な響きをお楽しみください。

もくじ

【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲(21〜40)

4声の協奏曲 第1番 ト短調 第3楽章Baldassare Galuppi

Concerto a quattro, No. 3 in D Major: Maestoso – Allegro – Andantino
4声の協奏曲 第1番 ト短調 第3楽章Baldassare Galuppi

18世紀半ばに活躍したヴェネツィア出身の作曲家であるバルダッサーレ・ガルッピ。

彼は特に、18世紀前半にナポリで生まれた日常生活に題材をとった喜劇的なオペラであるオペラ・ブッファの作曲家として著名です。

この『4声の協奏曲集』は、手堅い書法の上に美しい旋律美が映えている1曲です。

バロック音楽のような厳かさを秘めながらも、喜歌劇であるオペラ・ブッファのように明るさや軽やかさを持って居る、まさにバロック音楽と古典派音楽の間に位置するような作品です。

フーガの技法 ニ短調 BWV1080 コントラプンクトゥス14J.S.Bach

J.S. Bach: Die Kunst der Fuge, BWV 1080: Fuga a 3 Soggetti “Contrapunctus XIV” (Incomplete)
フーガの技法 ニ短調 BWV1080 コントラプンクトゥス14J.S.Bach

「音楽の父」と呼ばれているバッハが作曲した『フーガの技法』。

彼の最晩年となる1740年代後半に作曲と並行して出版が準備されたが、作曲者自身の視力が急激に低下してしまい、この「コントラプンクトゥス14」は未完成の段階で作曲が中断されてしまいました。

それに加え、現代ではピアノや弦楽四重奏、オーケストラなどさまざまな編成で演奏されていますが、楽器指定がなされていないため多くの謎を持つ1曲です。

バッハらしい厳格な形式と重々しくも心地よい和声の響きが魅力的な作品です。

弦楽四重奏のための緩徐楽章Anton Webern

シェーンベルクやベルクと並んで新ウィーン楽派の中核メンバーであり、20世紀前半の作曲家として最も前衛的な作風を展開したアントン・ヴェーベルン。

彼は十二音技法と呼ばれる書法を用いた、抽象的でどちらかと言えば難解な音楽を書いた人です。

この曲はヴェーベルンが22歳の頃に書いており、独立した作品として構想されたものですが、彼が第二次世界大戦直後に不慮の死を遂げて17年もの年月がたって初めて演奏されたいわくつきの曲です。

まだ見知らぬ世界への希望や憧れを持ちつつ、いつも不安や恐れがどこかで鳴り響いている、そんな人間の不安定な心の揺れが感じられるような作品です。

弦楽四重奏曲ト短調 Op.10Claude Debussy

Debussy: Quartet in G major I. Animé et très décidé
弦楽四重奏曲ト短調 Op.10Claude Debussy

冒頭から力強い4人の同じリズムのメロディーで始まる『弦楽四重奏曲』第1楽章。

それまで誰も書かなかったような斬新なハーモニー、独特なリズムの組み合わせ、そして4人の奏者の誰がメロディで誰が伴奏というのは決まっておらず、それぞれの楽器が伴奏もすれば時には主要なメロディを紡ぎだし、かつ、それらが実に目まぐるしくバトンタッチされるという、以後のドビュッシーの作品スタイルの定番となった技法がちりばめられています。

随所にあふれる緊張感と独特の音の響きが印象的な1曲です。

四重奏のためのソナタ 第4番 第1楽章Alessandro Scarlatti

バロック期のイタリアの作曲家であり、特にオペラとカンタータで著名であるアレッサンドロ・スカルラッティ。

ナポリ派のオペラの開祖として後の時代のオペラ作法に影響を与えた作曲家として知られています。

生前にオペラ、オラトリオ、室内カンタータなど多数の作品を残したといわれ、現在でも未知の作品が時折発見されています。

バロック音楽らしい厳格な形式で作曲されており、華やかさと厳かさを併せもつ1曲となっています。

実際にヨーロッパの教会に居るような気分にしてくれる作品ですよね。

弦楽四重奏曲 第3番「MISHIMA」第6楽章Philip Glass

音の動きを最小限に抑えパターン化された音型を反復させる音楽であるミニマル・ミュージックの代表的な作曲家の1人であるフィリップ・グラス。

この曲はもともとは映画『MISHIMA』のための音楽で、それを弦楽四重奏曲としてまとめたものです。

映画は、三島由紀夫が自決した日の行動を「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」の3つの小説の場面とともに描かれています。

全6曲からなる『弦楽四重奏曲第3番』の最終曲で、何度も繰り返されるテーマの中に訪れる瞬間的な変化が、人間の感情の起伏や文学の崇高さを表現しています。