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【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲

2017年放送のテレビドラマの『カルテット』で取り上げられ、クラシックファン以外からも注目を集めた弦楽四重奏。

ドラマでその魅力にハマった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弦楽四重奏は、バイオリン2本、ビオラ,チェロの編成の室内楽重奏形式で、18世紀後半にフランツ・ヨゼフ・ハイドンが確立して以降、最も洗練された室内楽形式として親しまれてきました。

この記事では、そんな弦楽四重奏曲の魅力が詰まった名曲をご紹介します。

ぜひ、弦楽器の優雅で上品な響きをお楽しみください。

【カルテット】弦楽四重奏の名曲と人気曲(21〜30)

4声の協奏曲 第1番 ト短調 第3楽章Baldassare Galuppi

Concerto a quattro, No. 3 in D Major: Maestoso – Allegro – Andantino
4声の協奏曲 第1番 ト短調 第3楽章Baldassare Galuppi

18世紀半ばに活躍したヴェネツィア出身の作曲家であるバルダッサーレ・ガルッピ。

彼は特に、18世紀前半にナポリで生まれた日常生活に題材をとった喜劇的なオペラであるオペラ・ブッファの作曲家として著名です。

この『4声の協奏曲集』は、手堅い書法の上に美しい旋律美が映えている1曲です。

バロック音楽のような厳かさを秘めながらも、喜歌劇であるオペラ・ブッファのように明るさや軽やかさを持って居る、まさにバロック音楽と古典派音楽の間に位置するような作品です。

弦楽四重奏のための緩徐楽章Anton Webern

シェーンベルクやベルクと並んで新ウィーン楽派の中核メンバーであり、20世紀前半の作曲家として最も前衛的な作風を展開したアントン・ヴェーベルン。

彼は十二音技法と呼ばれる書法を用いた、抽象的でどちらかと言えば難解な音楽を書いた人です。

この曲はヴェーベルンが22歳の頃に書いており、独立した作品として構想されたものですが、彼が第二次世界大戦直後に不慮の死を遂げて17年もの年月がたって初めて演奏されたいわくつきの曲です。

まだ見知らぬ世界への希望や憧れを持ちつつ、いつも不安や恐れがどこかで鳴り響いている、そんな人間の不安定な心の揺れが感じられるような作品です。

弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」1楽章Franz Schubert

シューベルト,フランツ 弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」 D.804,Op.29 1 クラシック 作業用BGM
弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」1楽章Franz Schubert

1824年に作曲された美しい室内楽作品。

優雅で叙情的な音の流れが聴き手を夢見心地の世界へと誘います。

第1楽章は、メランコリックな旋律が静かに展開され、内省的な雰囲気が漂う中で、やがて希望に満ちた第2主題が現れます。

シュパンツィヒ弦楽四重奏団による初演時には第3楽章が聴衆の熱烈な支持を受け、アンコールされるほどの人気を博しました。

豊かな和声進行と透明感のある音色が織りなす世界観は、心の奥深くまで染み渡ります。

文学的な情景描写を好む方や、繊細な感情表現に魅力を感じる方にぜひお勧めしたい珠玉の一曲です。

弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」4楽章Franz Schubert

シューベルト,フランツ 弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」 D.804,Op.29 4 クラシック 作業用BGM
弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」4楽章Franz Schubert

優雅な弦の響きと哀愁を帯びた旋律が織りなす、心を揺さぶる室内楽の傑作です。

全4楽章からなる本作は、1824年3月にウィーンで初演され、情感が豊かな旋律と深い表現力で聴衆を魅了しました。

イ短調を基調としながらも、穏やかなハ長調の第2楽章、優美なメヌエットの第3楽章、そして明るく華やかなフィナーレと、変化に富んだ展開が魅力です。

繊細な感情表現と豊かな和声の織りなす世界は、室内楽ファンだけでなく、心に響く美しい音楽を求める方々にぴったりの一曲となっています。

落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりと音楽に浸りたい方におすすめです。

弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」2楽章Franz Schubert

シューベルト,フランツ 弦楽四重奏曲第13番イ短調「ロザムンデ」 D.804,Op.29 2 クラシック 作業用BGM
弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」2楽章Franz Schubert

ハ長調で奏でられる穏やかな旋律が、聴く人の心に深い安らぎをもたらす珠玉の室内楽作品です。

1824年2月から3月にかけて作曲されたこの作品は、流れるような美しい旋律と巧みな構成が見事に調和しています。

ゆったりとした揺り籠のようなリズムの反復があり、各パートが織りなす豊かなハーモニーは、まるで春の訪れを告げる小鳥のさえずりのように心地よく響きます。

本作は、古典派の形式美とロマン派の叙情性が見事に融合した名曲で、フランツ・シューベルトが持つ音楽の本質が凝縮されています。

クラシック音楽の持つ美しさと深い情感に触れたい方に、ぜひ聴いていただきたい一曲です。

弦楽四重奏曲 第3番「MISHIMA」第6楽章Philip Glass

音の動きを最小限に抑えパターン化された音型を反復させる音楽であるミニマル・ミュージックの代表的な作曲家の1人であるフィリップ・グラス。

この曲はもともとは映画『MISHIMA』のための音楽で、それを弦楽四重奏曲としてまとめたものです。

映画は、三島由紀夫が自決した日の行動を「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」の3つの小説の場面とともに描かれています。

全6曲からなる『弦楽四重奏曲第3番』の最終曲で、何度も繰り返されるテーマの中に訪れる瞬間的な変化が、人間の感情の起伏や文学の崇高さを表現しています。

Sepia FragmentsDerek Charke

2012年にジュノクラシックオブザイヤー賞を受賞した、カナダ出身の作曲家・フルート奏者であるデレク・チャークの作品。

美しく耳になじみやすい旋律と、不思議な雰囲気を醸し出す伴奏が特徴的な1曲です。

曲名は「セピアのかけら」という意味で、セピア色のノスタルジック雰囲気や夕陽に照らされた哀愁が漂うような雰囲気が所々に感じられますよね。

弦楽器らしいアコースティックのような優しい音色と、電子音楽のような激しい音色が1曲の中に詰まっており、弦楽器のさまざまな音色が楽しめる作品です。