ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤
ロックンロールやジャズのルーツと呼ばれるブルースの誕生は、19世紀後半にまでさかのぼります。
いわゆる戦前ブルースとも称されるデルタ・ブルースやカントリー・ブルース、戦後シカゴから発達したエレクトリックを用いたシカゴ・ブルースやモダン・ブルースなど、その形式はさまざまであって一口で語れるものではありません。
今回の記事では、2020年代の今も多くのミュージシャンがそのスタイルや魂を受け継ぐ、ブルースの名盤をご紹介します。
初心者の方でも聴きやすいモダン・ブルースをメインとしたラインアップとなっておりますので、日ごろロックを聴かれている方であっても、入りやすい内容となっておりますよ!
ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤(81〜90)
The Sky Is CryingSonny Boy Williamson II

他の音楽ではあまり使われないのに、ブルースでは多用される楽器にハーモニカがあります。
ブルースで使われるハーモニカのうち、クロマチックでないものはブルースハープと呼ばれる事がありますが、その名手のひとりがソニー・ボーイ・ウイリアムソン2世です。
Crazy BluesMamie Smith

Mamie Smith(メイミースミス)は、1883年生まれ、アメリカ・オハイオ州シンシナチ生まれ、ボードビル出身の女性シンガーで、ホーンを配したJazzバンドとともにツアーやレコーディングを行いました。
Crazy Bluesは、1920年にオーケーレベルで初録音し、ブルースを初めてレコーディングした黒人女性として、当時として驚異的なヒットも記録した曲です。
歴史的文化財として、グラミーホールオブフェイムにブルースの女王の称号を刻み、米国立国会図書館に音源が保存されています。
人種差別の真っ只中にあった時代にメイミーの活躍は、同じ女性や有色人種から大きな支持を得、その成功をきっかけに黒人女性シンガーをフィーチャーしたブルースの黄金時代もはじまります。
TrampLowell Fulson

1967年にブルース・ギタリスト兼シンガーのローウェル・フルスンさんが発表した楽曲『Tramp』を初めて聴いて、この曲はもしかしてと思わず身を乗り出したヒップホップ好きの方々も多いのでは?
ファンク的な要素を兼ね備え、ソウルフルなブルース・ナンバーの名曲として知られる『Tramp』は、かのオーティス・レディングさんがメンフィス・ソウルの女王カーラ・トーマスさんとデュエットしたカバー・バージョンをリリース、後年にはサイプレス・ヒルの名曲『How I Could Just Kill A Man』を筆頭に多くの楽曲で引用された元祖ファンク・ブルースと呼べるクラシック・チューンなのです。
その名曲をタイトルとして1967年にリリースされたアルバムも、ブルースを軸としながらも強烈なファンクネスを兼ね備えた楽曲がずらりと並び、ブルースとソウルの架け橋のような作風となっております。
あのB.B.キングさんの師匠筋にもあたるローウェル・フルスンさんに興味を持たれた方は、まずはこの1枚を聴いてみてください!
Fixing To Die BluesBuck White

Bukka White(ブッカホワイト)は、1909年生まれ、アメリカ・ミシシッピ州アバディーン-ヒューストンの中間あたり出身のデルタブルースのギタリスト、シンガーで、通称「Bukka(ブッカ)」とも言われています。
B.B.キングの母親と従兄関係で、ナショナルストリングインストゥルメンツコーポレーション製のスティールギターを愛用、またピアノも時々、演奏していたという。
1930年にビクターレコードで最初のレコーディングをし、1939年前後に録音されたSheke’Em on Down”やPo’Boyが最もよく知られている曲とのこと。
また1962年にBob Dylanがホワイトの1940年リリースされたFixin’ to Die Bluesをカバーし、1963年にギタリストのJohn FaheyやED Densonによってホワイトが再発見されています。
その後もRobert Plant、G loveがカバーしており、Fixin’ to Die Bluesは、2012年にグラミーの殿堂賞の受賞曲リストに加えられています。
Blues PowerAlbert King

アルバート・キングさんは、独自のギタースタイルで3世代にわたるミュージシャンに影響を与えた伝説的なブルース・ギタリスト。
左利きながらも通常のギターを逆さまにして演奏する独特のスタイルで知られています。
1968年にリリースされた『Live Wire / Blues Power』は、サンフランシスコのフィルモア・オーディトリアムでのライブ録音。
エレクトリック・ブルースやソウル・ブルースの要素が強く、キングさんの感情豊かなギターソロが光ります。
白人ロックオーディエンスに自身の音楽を紹介するきっかけとなったこのアルバムは、ビルボード200で最高150位を記録。
ブルースファンはもちろん、ロック好きの方にもおすすめの1枚です。
Death Valley BluesBlack Cat Bones

英国ブルースの歴史を語るうえで外せない重要バンド。
ブルースを基調とし、ひきずるような重いリフと絡みつくようなギターのトーンはまさに「ヘヴィブルース」という印象。
アングラ的な雰囲気もあり、まさに70年代でないと出せない時代の空気感を濃厚に感じとれます。
ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤(91〜100)
On The Road AgainCanned Heat

米国ブルースバンドの代表格。
メンバー全員が実力者揃いで、正統派ブルースからブギー、ケイジャン、ハードロックなど「米国音楽」をすべてカヴァーする幅広い音楽性が特徴です。
過去には大物ブルースマンとの共演盤も多く録音しており、全盛期の主要メンバーが亡くなった現在もメンバーを変えて活動しています。