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ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤

ロックンロールやジャズのルーツと呼ばれるブルースの誕生は、19世紀後半にまでさかのぼります。

いわゆる戦前ブルースとも称されるデルタ・ブルースやカントリー・ブルース、戦後シカゴから発達したエレクトリックを用いたシカゴ・ブルースやモダン・ブルースなど、その形式はさまざまであって一口で語れるものではありません。

今回の記事では、2020年代の今も多くのミュージシャンがそのスタイルや魂を受け継ぐ、ブルースの名盤をご紹介します。

初心者の方でも聴きやすいモダン・ブルースをメインとしたラインアップとなっておりますので、日ごろロックを聴かれている方であっても、入りやすい内容となっておりますよ!

もくじ

ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤(61〜80)

Key to the HighwayBig Bill Broozy

Big Bill Broonzy(ビッグビルブルーンジー)は、1893年生まれ、アメリカ・ミシシッピ州スコット郡出身のブルースシンガー、ギタリスト、作曲家で、生涯で300曲近くのブルースを作曲しており、シカゴブルーススタイルのパイオニアといわれています。

1924年にミシシッピ州からシカゴへ行き、パパチャーリージャクソンと出会い、ギターを教わり、1929年に最初にソロシンガーとして、録音し、その後1936年に小さなグループを使った最初のブルース歌手の一人となっています。

Key To the Highwayは、最も知られた曲の一つで、コロンビアレコーズからリリースされた曲です。

Blue GuitarEARL HOOKER

Earl Hooker(アールフッカー)は、1939年生まれ、アメリカ・ミシシッピ州クラークスデイル出身のブルースミュージシャンで、スライドギターの名手であり、ワウワウペダルをいち早く使用したブルースマンとしても知られ、シカゴブルースの全盛期を担った一人として知られています。

1歳でイリノイ州シカゴへ移住し、15歳でギターをスタートし、1952年に初録音しています。

マディウォーターズなどの大物ミュージシャンとの客演やスタジオミュージシャンとしての性格も強く、ブルース以外にもカントリーやジャズなど幅広く対応、愛用ギターはギブソンSGのダブルネックで、いとこにはジョンリーフッカーがいます。

Blues Guitarは、1962年にエイジよりリリースされたインストがヒットしています。

You Don’t Have To GoJimmy Reed

Jimmy Reed(ジミーリード)は、1925年生まれ、アメリカ・ミシシッピ州レランド出身のブルースシンガー、ギタリスト、ハーモニカ奏者です。

ゆったりしたブギのビートやウォーキングベース、リラックスしたドラムをベースに、リードのゆるいギターや高音のハーモニカ、ボーカルと、わかりやすいブルースサウンドがブルースで最も影響力のあるスタイルとなりました。

You Don’t Have to Goはヴィージェイレーベル在籍時の1955年に発表された曲で、R&Bチャート5位までランクインし、その後、1959年まで14曲をチャートに送り込むというブルースマンとしてこれまでになかった偉業を果たしました。

Sweet Love and Evil WomenJohnny Winter

イギリスのホワイトブルースの代表格がエリック・クラプトンとすれば、本国アメリカの白人ブルースの代表がジョニー・ウインターです。

スライドギターもドブロも見事に弾きこなす彼が、マディ・ウォーターズのバンドと共演した曲がこれです。

Alabama trainLouisiana Red

ルイジアナ・レッドはブルースハープ、ギターも弾くブルースマン。

ソウルフルなシャウトと弾き語り風ブルースがいなたさ満点です。

80年代以降は活躍の場をヨーロッパに移し、最後はドイツで亡くなったという珍しい経歴を持っています。

Nina Simone Sings The Blues

Do I Move YouNina Simone

Nina Simone – Do I Move You (Audio)
Do I Move YouNina Simone

本稿で紹介するアルバムは、ブルースの名盤という意味ではやや変化球と言えるかもしれません。

高名なジャズ・シンガーであり、幅広いジャンルにおいて活躍した伝説的な歌手、ニーナ・シモンさんが1967年に発表した『Nina Simone Sings The Blues』を紹介します。

RCAレーベル移籍後の第一弾となったアルバムで、スタンダードなブルース・ナンバーはもちろん、アニマルズのヒットで知られているトラディッショナルなフォーク・バラード『朝日のあたる家』などが取り上げられています。

アルバム・ジャケットのシモンさんの鋭いまなざしだけで本作の音さえも想像できそうですが、ブルースのみならずジャズやゴスペルといったジャンルのフィーリングも濃厚に際立つ歌声が実に素晴らしい。

ギタリストのエリック・ゲイルさん、ドラマーのバーナード・パーディさんといった、伝説的なセッション・ミュージシャンによる演奏も聴き応え十分ですし、とくにドラムスが生み出すグルーブはクラブ世代へも強くアピールするのではないでしょうか。

公民権活動家や市民運動家としても知られるシモンさんのバックグラウンドを知った上で、オリジナル曲の『Backlash Blues』などを聴けば、彼女の歌声のすごみがどこから出てくるのかが理解できるはずです。