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素敵なブルース

ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤

ロックンロールやジャズのルーツと呼ばれるブルースの誕生は、19世紀後半にまでさかのぼります。

いわゆる戦前ブルースとも称されるデルタ・ブルースやカントリー・ブルース、戦後シカゴから発達したエレクトリックを用いたシカゴ・ブルースやモダン・ブルースなど、その形式はさまざまであって一口で語れるものではありません。

今回の記事では、2020年代の今も多くのミュージシャンがそのスタイルや魂を受け継ぐ、ブルースの名盤をご紹介します。

初心者の方でも聴きやすいモダン・ブルースをメインとしたラインアップとなっておりますので、日ごろロックを聴かれている方であっても、入りやすい内容となっておりますよ!

ロック好きにもオススメ!~モダン・ブルースの名盤(1〜10)

King of the Delta Blues Singers

Crossroad BluesRobert Johnson

今回のテーマ記事では、比較的聴きやすいモダン・ブルースを中心とした名盤を紹介しておりますが、デルタ・ブルースの第一人者にして、ロック・ミュージシャンにも多大なる影響を与えたロバート・ジョンソンさんの作品はやはり取り上げておきたいところ。

悪魔に魂を売り渡し、卓越したギター・プレイを身に付けたとうわさされた伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンさんが27歳という短い生涯の中で残した音源が収録され、1961年に発表された永遠の名盤『The King of Delta Blues Singers』です。

戦前ブルースの貴重な証言であり、ブルースの歴史において最重要な音源の1つである本作で聴けるサウンドは、過酷な生活を強いられていた黒人のリアルな日常の告白、人生の悲哀や情念がそのまま音楽として表現された、まさにブルースという音楽そのものです。

ロック畑のリスナーが突然本作を聴いても取っ付きづらいかもしれませんし、まずはシカゴ・ブルースの名盤などでブルースに慣れつつ、悪魔の音楽へと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

Mojo Hand

Mojo HandLightnin’ Hopkins

「稲妻」と呼ばれ、黒のサングラスと葉巻がトレードマークのライトニン・ホプキンスさんは、まさに南部出身の不良おやじといった雰囲気が最高にカッコいいテキサス・ブルースのカリスマ的な存在です。

非常に多作なミュージシャンであり、生涯で残したレコードの数は100枚をこえるのだとか。

その生涯を現役のブルースマンとして貫き、酸いも甘いも知り尽くした彼の人生観そのものを表現した歌詞と歌声、そしてギター・プレイは、まさにブルースを体現したものだと言えるでしょう。

今回取り上げている『Mojo Hand』は1962年に発表されたアルバムで、弾き語りのカントリー・ブルースからバンドを従えたサウンドまでを楽しめる、ブルース史上屈指の傑作と名高い作品です。

あまりにも有名な拳のアルバム・ジャケットだけ見ても、何だか強烈な引力すら感じさせますよね。

いわゆるシカゴ・ブルースやソウル~R&B寄りのモダンなブルースと比べて、ブルースをあまり聴いたことがない方であれば取っ付きづらいと感じる面もあるかもしれませんが、匂い立つような男の色気と人生の悲哀が聴き手の心に響いた瞬間、きっとあなたもこのブルースの魅入られてしまうことでしょう。

Born Under a Bad Sign

Born Under a Bad SignAlbert King

何はともあれ、アルバムの表題曲にしてオープニングを飾るナンバー『Born Under a Bad Sign』のインパクトが強烈です!

ソウル~R&Bの名門中の名門レーベル、STAXを代表する名盤の1つである本作は、ブルース・ギタリストの3大キングと称されるアルバート・キングさんが、レーベル専属のスタジオ・バンドであるブッカー・T&ザ・MG’sとともに発表した1967年のアルバムです。

ブルースを下敷きとしながらもホーン・セクションなども交えた洗練されたソウルフルなサウンドで、名曲ぞろいの本作はブルースを初めて聴くという方であっても抵抗感なく楽しめるはず。

アルバート・キングさんによるむせび泣くようなチョーキングが特徴的なギター・プレイは著名なロック・ギタリストにも大いにインスピレーションを与え、冒頭で触れた楽曲『Born Under A Bad Sign』はアルバムリリースの翌年、1968年に英国ブルース・ロックの代表的なバンドであるクリームがカバー。

ヒットを記録したことで、楽曲の知名度も上がりました。

そういった点を踏まえても、本作はロックがお好きな方にもぜひ聴いてほしいモダン・ブルース・アルバムの傑作だと言えるのです。

Howlin’ Wolf

SpoonfulHowlin’ Wolf

一度聴いたら忘れられない強烈なだみ声と巨体の持ち主、黒人ブルース・シンガーの代表的な存在の1人であるハウリン・ウルフさん。

ウルフさんが1962年にリリースしたセカンド・アルバム『ハウリン・ウルフ』は、シカゴに拠点を置き、ブルースを語る上では絶対に避けては通れない名門中の名門レーベル、チェス・レコードのカタログの中でも名盤の誉れ高い1枚です!

アルバム・ジャケットのデザインから『ザ・ロッキン・チェア・アルバム』とも呼ばれる本作は、シカゴ・ブルースというジャンルの中で多くの名曲を作詞・作曲した名ソングライター、ウィリー・ディクスンさんの手掛けた楽曲を中心として構成され、ブルースの荒々しさとキャッチーさが同居した楽曲がずらりと並ぶ、ブルース入門編としてもハウリン・ウルフさんの音楽に初めて触れるという方にもオススメのアルバムです。

もちろん、そうは言ってもウルフさんの濃厚なブルース魂が宿る歌声はさらりと聴けるものではなく、R&Bナンバーであっても荒々しいブルースマンの姿が常に聴く人の心を揺さぶり続けるのです。

エリック・クラプトンさんが在籍したバンド、クリームも取り上げた有名曲『Spoonful』も収録!

I Was Walking Through The Woods

First Time I Met the BluesBuddy Guy

1950年代から活動を始めた大ベテランながら、2018年に完全な新作アルバム『The Blues Is Alive and Well』をリリースしたことも記憶に新しいバディ・ガイさん。

シカゴ・ブルースの代表的なブルース・ギタリスト兼シンガーであり、商業的にも大きな成功を収め、7回のグラミー賞受賞という輝かしい経歴を持つガイさんの名盤であれば、1991年に発表された『Damn Right, I’ve Got The Blues』を挙げられる方も多いでしょう。

今回は、若き日のガイさんのキレッキレな演奏が楽しめる1960~64年の録音を収録した編集盤の『I Was Walking Through The Woods』を紹介します。

ブルースの名門チェス・レコード在籍時、20代のガイさんによるスリリングなギター・プレイと熱きエモーションは、シカゴ・ブルースの基本形であり、ブルースのみならずロック・シーンに絶大なインパクトを与えたのです。

モダン・ブルースの歴史を知る上で欠かせない作品、と言っても過言ではないでしょう。