日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽
クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。
日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。
それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。
ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。
日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。
日本の作曲家によるクラシック音楽。おすすめのクラシック音楽(41〜50)
混声合唱のための「レクイエム」千原英喜

千原英喜さんは日本人のアイデンティティや東西の祈りの普遍性を軸とした作品を数多く書いています。
この作品も日本の古代歌謡からテキストを採用し、そこにラテン語のレクイエム詞文を織り込んだかたちになっています。
日本の歌心を大切にした非常にメロディックな作品です。
ピアノとオーケストラのための主題と変奏松平頼則

松平さんは作曲活動をする中で日本らしさを追求する際に雅楽に出会いました。
この曲は雅楽「盤渉調越天楽」のテーマがジャズの手法までもを取り入れて華麗で雅に旋律を紡ぎながら意匠を凝らして変奏されていく名曲です。
どこか懐かしいようでいて斬新な響きも魅力的です。
交響曲第5番「ヒロシマ」より「悲歌」大木正夫

交響曲第5番『ヒロシマ』は丸木位里さんと丸木俊さんが共作した『原爆の図』に触発されて大木正夫さんが作曲した管弦楽曲です。
原爆投下後の町と被爆者の様子が表現されたような、猛烈な恐怖の感情が曲全体をとおして強く伝わってきます。
最終盤である『悲歌』も含めて交響曲すべてに救いがなく、原爆がどれほど悲惨なものであるかが、音で語られているように思えます。
聴いていると苦しくなるような交響曲ですが、忘れてはいけない大切な歴史が込められています。
交響曲第3番諸井三郎

1944年太平洋戦争の末期、軍隊に招集される直前に諸井さんが遺書として書き上げられたとされる30分を超える大作です。
第3楽章には「死についての諸観念」という副題がつけられています。
絶望の中にいる作曲者の悲痛な思いがサウンドに表れています。
ヴァイオリン協奏曲大栗裕

1963年に毎日放送の委嘱を受けて作曲され大阪フィルハーモニーで辻久子をソリストに迎え初演されました。
第2楽章は大阪のわらべ歌「遠国」をテーマにした変奏曲になっています。
最後は徳島の「阿波踊り」の騒々しいリズムに乗って進み突然終わります。
民族性の強い曲です。
おわりに
クラシック音楽はドイツやイタリア、ロシアなどヨーロッパを中心に多くの作曲家と演奏家により発展してきました。
日本人の作曲家による純粋なクラシック音楽は、山田耕筰さんが1912年に作曲した「序曲 ニ長調」が日本で初めての交響曲が誕生し、まだまだ歴史が浅い世界です。
しかし、ヨーロッパには負けない聴きごたえがある作品ばかりで、映画やテレビドラマにCMなどのBGMを多く手掛けた作曲家も多く、名前だけはなじみのある方を見つけることはできたのではないでしょうか。
この機会に、日本人によるクラシック音楽をぜひ深掘りしてみてくださいね!