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【日本の軍歌・行進曲】昭和や戦時中の世代に深く心に刻まれている日本の名曲集

【日本の軍歌・行進曲】昭和や戦時中の世代に深く心に刻まれている日本の名曲集
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【日本の軍歌・行進曲】昭和や戦時中の世代に深く心に刻まれている日本の名曲集

勇壮な瀬戸口藤吉の「軍艦マーチ」、桜が散る春に響く鶴田浩二の「同期の桜」、戦友への想いが胸を打つ島津亜矢の「戦友」。

日本の軍歌や行進曲には、祖国への誇り、戦地へ赴く兵士たちの決意、そして帰らぬ戦友への深い追悼の祈りが込められています。

時に力強く、時に哀しく響くメロディーは、戦争の記憶を語り継ぎ、平和の尊さを私たちに問いかけています。

日本の歴史とともに、今なお多くの人々の心に刻まれている珠玉の名曲をご紹介します。

【日本の軍歌・行進曲】昭和や戦時中の世代に深く心に刻まれている日本の名曲集(1〜10)

抜刀隊(陸軍分列行進曲)Charles Leroux

戦時中の軍楽隊が西洋式行進曲をモデルに創り上げた名作です。

1877年からフランスの音楽家シャルル・ルルーさんの手で紡がれた本作は、当時最新の様式を取り入れた2/4拍子に転調を含む斬新な構成と、兵士の士気を鼓舞する力強いメロディが特徴となっています。

1886年には明治天皇に献呈されるほどの評価を受け、その後1912年に現在の姿となり、国内の軍楽隊で広く親しまれる名曲となりました。

勇壮な行進曲に乗せて歌われる兵士への祈りと鎮魂の想いは、戦争体験を持つ世代の心に今なお深く刻まれています。

当時を知る方々とともに、平和への祈りを胸に聴きたい一曲です。

敷島艦行進曲瀬戸口藤吉

敷島艦の歌(敷島艦行進曲)〈コロムビア男声合唱団〉【海軍軍歌】
敷島艦行進曲瀬戸口藤吉

雄々しく勇壮な吹奏楽の調べが、大洋を進む艦の姿を彷彿とさせる名曲です。

瀬戸口藤吉さんが生み出した本作は、戦艦の威容に感銘を受けた歌人の阪正臣さんの歌詞に、豪壮な曲調を巧みに織り込んでいます。

トリオ形式を採用した3部構成は、明るく力強い響きから中間部でやや抒情的な雰囲気へと移り変わり、聴く者の心を強く揺さぶります。

1902年の公開以来、帝国海軍の儀式曲として重要な役割を果たし、1907年には欧州16か国での演奏で高い評価を得ました。

海上自衛隊の式典や観艦式でも演奏される本作は、日本の伝統と誇りを受け継ぐ、海洋国家としての意志を音楽で表現した珠玉の一曲です。

水師営の会見岡野貞一

軍人同士の真摯な和解を歌い上げた名曲は、明治43年に尋常小學讀本唱歌第五學年用に収録された岡野貞一さんの作品です。

士気と武勇を称え合いながら「昨日の敵は今日の友」という深い人間愛を描く楽曲で、敵将への敬意と友情のメッセージは今なお心に響きます。

アルバム『哀しみの軍歌』にボニージャックスが収録し、アルバム『三浦洸一コレクション ~軍歌名曲集』でも取り上げられた本作は、戦跡の弾丸跡や崩れた民家といった生々しい情景描写とともに、和解と平和への願いを力強く歌い上げています。

戦争の歴史と平和の尊さを次世代に伝えたい方、そして日本の唱歌・軍歌の心に触れたい方へ、ぜひ聴いていただきたい楽曲です。

行進曲「愛国」斉藤丑松

力強い吹奏楽の旋律が響き渡る行進曲を、斉藤丑松さんが1937年12月に海軍軍楽隊のために作曲した作品です。

格式ある重厚な雰囲気と、中間部の荘厳な抒情メロディーが見事に調和し、その完成度の高さから海軍・陸軍合同の公式採用曲に選ばれました。

本作は当時のポリドールからSPレコードがリリースされ、帝国海軍軍楽隊による演奏で、指揮は内藤清五が務めています。

戦時中から戦後にかけて、アジア・太平洋地域の式典や行事で広く演奏され、インドネシアやパラオでは現地の人々にも親しまれました。

「軍艦マーチ」の作曲で知られる瀬戸口藤吉作曲の国民的愛唱歌「愛国行進曲」をトリオに盛り込んだ行進曲で、吹奏楽の重厚な響きと荘厳な旋律美を味わいたい方、また日本の軍楽史に関心のある方にぜひ聴いていただきたい一曲です。

大海軍行進曲(ビッグ・マーチ)海軍軍楽隊

【行進曲 大海軍行進曲(ビッグ・マーチ)】 藤咲源司楽長指揮 横須賀海兵団軍楽隊 1933(昭和8)年10月録音
大海軍行進曲(ビッグ・マーチ)海軍軍楽隊

海軍軍楽隊の手による、ある勇壮な行進曲は、聴く者の心を奮い立たせる力強さに満ちています。

その魅力は、力強いリズムと心を鼓舞する旋律にあり、わずか2分36秒という短さの中に、前奏から主部、そして華やかなトリオへと展開する緻密な構成が見事です。

この楽曲は1933年10月にSPレコードとして登場し、時代を超えて1995年にはアルバム『戦前日本の名行進曲集~海軍軍楽隊篇~』などに収録され、再び注目を集めました。

海上自衛隊の観艦式といった公式の場で演奏されることもあり、その格調高さが伺えます。

日本の吹奏楽の歴史や、勇壮な音楽に触れたい方におすすめしたい作品です。

告別行進曲瀬戸口藤吉

威厳と格式が漂う吹奏楽の名作が、日本の明治期を代表する軍楽家である瀬戸口藤吉さんの手によって華麗な姿を見せます。

誰もが知る「蛍の光」のメロディを荘厳な行進曲へと昇華させた本作は、1897年に当時の天賞堂本店で新譜として紹介されたSPレコードに収められました。

独逸ポリドール軍楽隊による演奏は、哀愁を帯びながらも力強い西洋式三段構成で展開され、瀬戸口さんが重んじた12名から45名までの段階的な吹奏楽編成の妙を存分に引き出しています。

儀式や式典など、厳かな雰囲気が求められる場面で心に響く一曲として、今なお色褪せない魅力を放っています。

行進曲「軍艦旗」斉藤丑松

行進曲「軍艦旗」/ March “The Naval Ensign”
行進曲「軍艦旗」斉藤丑松

威風堂々とした荘厳な金管楽器のファンファーレから始まり、勇壮な行進曲調へと展開する海軍軍楽隊を代表する名曲です。

帝国海軍軍楽隊のエース作曲家の斉藤丑松さんが1938年10月に手掛けた本作は、規律正しい軍楽隊の演奏に合わせて制作され、トリオ部には軍艦旗制定50周年を記念して作られた歌曲が巧みに織り込まれています。

アルバム『軍楽隊とともに歩んだ…日本の吹奏楽3 斉藤丑松作品集』に収録され、観艦式や海軍関連式典など、数々の公式行事で演奏された実績を持つ本作は、力強い吹奏楽の響きと厳かな曲調から、戦前の軍楽の歴史を感じさせる作品として、現代の吹奏楽ファンにも根強い人気があります。

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