【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り
音楽にはときに人の心を動かし、社会に大きな影響を与える力があります。
なかでも平和への願いを込めた反戦歌は、時代をこえて多くの人々に戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えかけてきました。
日本の音楽史に刻まれた反戦歌には、現代を生きる私たちが決して忘れてはならない深いメッセージが込められているのです。
この記事では、邦楽曲を中心に日本の反戦歌をピックアップし、楽曲の背景や歌詞に込められた思いについて解説します。
この機会に、改めて戦争と平和について、思いを巡らせてはいかがでしょうか。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(1〜10)
八月の歌浜田省吾

社会派のミュージシャンとして人気のある彼の1986年にリリースした曲です。
広島出身であり、社会的メッセージソングを歌っている彼の心が痛いほど伝わってくる1曲です。
反戦歌とともに戦後の日本経済成長とその裏にかくれた大きな課題が歌われています。
とくに2番の歌詞には彼の強い思いが感じ取れます。
彼にとって真夏の暑さは、戦争への記憶へと結びついていくものなのでしょう。
虹色の戦争SEKAI NO OWAR

ポップで軽快なサウンドに、痛烈な問いかけを忍ばせたSEKAI NO OWARI初期の名曲です。
虫や花といった言葉を持たない生き物の視点から、人間の身勝手さや争いを描いています。
「自分たちが享受する平和は、誰かの犠牲の上に成り立っているのではないか」そんな、当たり前だけれど忘れがちな大切なことに気付かせてくれる楽曲です。
この楽曲は2010年4月、インディーズで発表された名盤『EARTH』に収録され、NHK・民放連共同ラジオキャンペーンソングなどにも起用されました。
本作を聴けば、見過ごしてきたものごとや平和の本当の意味について、深く思いを巡らせることができるでしょう。
腰まで泥まみれ元ちとせ

静かに、しかし鋭く胸に突き刺さる、物語のような1曲です。
本作は、アメリカのフォークソング歌手、ピート・シーガーさんが1966年に書き上げた楽曲。
指導者の誤った判断によって部下たちが犠牲になるという、アメリカで実際に起きた事件を基にした悲しい物語が歌われています。
奄美のシマ唄をルーツに持つ元ちとせさんの、深く静かな怒りすら感じさせる歌声と、戦争の非合理性を淡々と綴る歌詞が見事に融合していますね。
2015年7月に発売された名盤『平和元年』に収録されたこの楽曲。
物語に描かれた理不尽な現実に、平和の尊さを改めてかみしめる方もいらっしゃるかもしれません。
広島の空さだまさし

1987年に制作され、記念アルバム『月虹』などにも収録された、平和への祈りが込められた作品です。
長崎出身のさだまさしさんが、広島の悲劇を叔母の被爆体験に基づいて描いた楽曲で、静ひつなアコースティックサウンドと切なく透明感のある歌声が印象的。
毎年8月6日に長崎で行われるコンサートで必ず歌い継がれています。
歴史の事実を後世に伝えるという、さだまさしさんらしい使命感が伝わってきますね。
戦争の記憶が遠のいていく現代だからこそ、じっくりと耳を傾けたい名曲です。
平和の尊さについて、静かに思いを巡らせてみてください。
クスノキ福山雅治

1945年、長崎県に投下された原子爆弾。
その爆心地近くにあり被害を受けながらも、現在にいたるまで美しい緑をたたえ続けているクスノキを題材にした作品です。
長崎出身のシンガーソングライター福山雅治さんによる楽曲で、2014年にリリースされたアルバム『HUMAN』に収録されています。
命の尊さを描き出した歌詞と福山さんの芯がある歌声が印象的。
これから先の生き方のお手本にもなってくれるであろう、心に刺さる反戦の歌です。
家路from00, 悠稀。, 三栖

令和生まれのクリエイターが集う音楽プロジェクトfrom00が、2024年10月に公開した作品です。
ボーカルを務める悠稀さんの透明感のある歌声が、作詞作曲を手がけた三栖さんの情緒的な旋律にのって心に響きます。
戦争を前にした世代の無力感や社会への問いかけを内包しつつ、「無力だとあきらめてしまっている世代へ伝えたい」という思いで作られた本作。
どうしようもない現実への葛藤を抱えながらも、平和への祈りを手放したくないと感じる人々の心に、深く寄り添ってくれるのではないでしょうか。
Horse Ridingthe HIATUS

本作は、the HIATUSが2013年7月に発表したEP『Horse Riding EP』の表題曲。
戦いに向かう人々の行進や武器を手に取る姿を描く一方で、穏やかな日常や家族の笑顔といった守るべき平和な光景も歌詞に織り込まれています。
その音像からは、争いのおろかさと失われてはならない日々の尊さがひしひしと伝わってくるかのようです。
音楽を通して平和の意味を静かに考えたい、そんな夜に聴いてみてはいかがでしょうか。







